読書。
『ホテルローヤル』 桜木紫乃
を読んだ。
北海道釧路市のラブホテルをキーとして進んでいく、
第149回直木賞受賞の連作短編集。
少しずつ、でも、確かに深みにはまっていくような読感。
初めの一篇はなんのことなかったのに、
次の短篇を読み進めていくことで重なっていくものがある。
「つらさ」、「悲しみ」とか「寂しさ」とか、
そういう言葉が陳腐になってしまう。
たとえ人生の中の短い瞬間であっても、
そこに感情の多層性、現実の状況・局面の多層性、関係の多層性などがあることを
作者はそのフィクション表現のなかでつまびらかにしているからだと思う。
ラブホテル業はうしろめたい商売です。
そして、この小説に登場する人々は金銭的にだったり人間関係的にだったり、
日々の暮らしに追われている。
そんなほの暗く感じられるような世界なのですが、
どうしてか、優しさを感じるんですね。
逆に、陽のあたる場所で堂々と仕事をする世界のほうが殺伐としていることを、
逆説的に、暗に読者に知らしめているようにも思います。
巻末の解説が、ほんとにうまい解説になっていて、
読後の読解の助けになってくれました。
そうだよなあと思いつつ、余韻に浸れます。
『ホテルローヤル』 桜木紫乃
を読んだ。
北海道釧路市のラブホテルをキーとして進んでいく、
第149回直木賞受賞の連作短編集。
少しずつ、でも、確かに深みにはまっていくような読感。
初めの一篇はなんのことなかったのに、
次の短篇を読み進めていくことで重なっていくものがある。
「つらさ」、「悲しみ」とか「寂しさ」とか、
そういう言葉が陳腐になってしまう。
たとえ人生の中の短い瞬間であっても、
そこに感情の多層性、現実の状況・局面の多層性、関係の多層性などがあることを
作者はそのフィクション表現のなかでつまびらかにしているからだと思う。
ラブホテル業はうしろめたい商売です。
そして、この小説に登場する人々は金銭的にだったり人間関係的にだったり、
日々の暮らしに追われている。
そんなほの暗く感じられるような世界なのですが、
どうしてか、優しさを感じるんですね。
逆に、陽のあたる場所で堂々と仕事をする世界のほうが殺伐としていることを、
逆説的に、暗に読者に知らしめているようにも思います。
巻末の解説が、ほんとにうまい解説になっていて、
読後の読解の助けになってくれました。
そうだよなあと思いつつ、余韻に浸れます。
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