ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

D18(オリヴィエ・ピトン)

2006-04-10 13:13:18 | ワイン&酒
今発売されているW誌32号のテイスティングの仕事をしていて
と思ったのが、Olivier Pithon(オリヴィエ・ピトン)のD18という白ワイン。


(この写真は、剥がしたラベルを白黒逆にコピーしたものなので、本当のラベルは黒地に薄いグレーの文字です)


フランスは南のルーション地方のワインなのに、なぜかロワールぽさを感じます。

ブドウは、グルナッシュ・グリとグルナッシュ・ブランが各50%と、
たしかに南の地方のブドウ。

ミネラル感いっぱいの香りで、口にすると、キュッとした酸とミネラルのアタックがあり、
大きな酸の広がりを感じます。
すっぱいと感じる人もいるでしょうが、じわーっと沁みこむ感じの「滋味」溢れる酸です。
本当にクリーンでキレイ。

すごいなー、おいしいなー、このワイン
ボリューム感のあるボディだけど、全くぼやけていなくて、
ボン・キュッ・ボン、というメリハリがあるし・・・

しかし、なんで、ロワールぽさがあるんでしょ?


ロワール好きの私には、ロワールの香りがプンプンと漂ってきます。

なぜだ?納得いかん!

と、このワインを引いているところから資料を取り寄せたところ、
オリヴィエ・ピトンはロワールの出身ということがわかりました。
知らず知らずのうちに、出身地らしさが出てしまっているのでしょうか?

彼はまだ30歳を過ぎたばかりの若い生産者で、2001年のワインが初ヴィンテージ。
でも、ブドウの樹の樹齢は平均50年と古く、
1ヘクタール当たりの収穫量は15ヘクトリットルという少なさ。
(あのロマネ・コンティの半分!)
栽培はビオロジックで、天然酵母のみで醸造。

D18という名前も、ワイナリーの前を通る国道がD18だからだそうで、ネーミングもユニーク。

すでにパリでは引っ張りだこだとかで、それはそうだろうなぁと納得。
これだけ個性にあふれ、しかも美味しいワインですもんね。

日本でのお値段は5000円超。
この地方のワインはもうちょっと手ごろな値段のものが多いせいか、ちょっと高いかなぁというのが正直なところ。
それでも、このワインは飲んでみる価値はあると思いますよ。




コメント
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