ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ロゼシャンパーニュとカルトワインの華麗なる夕べ

2011-05-28 17:30:38 | ワイン&酒
私が友人たちと2月に「グットドール西麻布」を訪れた際は、ちょうどワイン持ち込み無料期間だったため、お言葉に甘えて以下の6本のワインを持ち込ませていただきました。

この日のテーマは 「シャンパーニュ ロゼ対決 & 超カルト赤ワイン」



まずは ロゼシャンパーニュ


Cedric Bouchard Roses de Jeanne 2004 Rose de Saignee Creux d'Enfer

2000年、コート・デ・バールのオーブに設立したシャンパーニュメゾン「RDJ」社
このブログでは3度目の登場ですが、ロゼは初 (以前の記事は → コチラ

Creux d'Enfer(クリュー・ダンフェール)が通称の畑名(単一畑)で、0.071ha。
ピノ・ノワール100%からセニエで造られる、年間420本の稀少品。
専門誌での評価が非常に高いシャンパーニュです。



Egly-Ouriet NV Brut Rose Grand Cru

もはやシャンパーニュの定番となった、アンボネイのエグリ・ウーリエ
ピノ・ノワール60%(うち10%は赤ワインのコトー・シャンプノワ)+シャルドネ40%のロゼ。
(比率の数字は70%+30%という記録もあり、おそらくその前後の割合でしょう)

リザーブワインはけっこう古めのものを使っているようです。
このボトルのデゴルジュマンは2008年7月(バックラベルに記載)



Jacques Selosse NV Brut Rose

誰もが憧れるシャンパーニュのひとつが、ジャック・セロス
このロゼのベースはシャルドネで、友人であるエグリ・ウーリエの赤ワイン(コトー・シャンプノワ)を7%ブレンドして造っています。
ドサージュ6g/l、デゴルジュマンは2007年10月3日(バックラベルに記載)、6000本。


すりガラスのボトルがきれいで個性的ですが、デリケートで光に弱いので保管に注意
(箱に入れるor紙を巻く)



この3つのロゼシャンパーニュを贅沢にも並べていただきました

どれも素晴らしかったですが、ジャック・セロスが複雑味&しっとりと落ち着いた旨味があり、これはもう堪らない美味しさでした。
非常に“ワイン的”で、食中酒としてじっくり味わいたい!と思いました。



華麗なる夕べの後半戦は 豪州&米カリフォルニアのカルトワイン の登場です


Rockford 1991 Shiraz Basket Press (豪州、SA バロッサ・ヴァレー)

豪州の名ブティックワイナリーのひとつと言われているのが、ロックフォード
ファーストヴィンテージは1984年。
60~130年超の樹齢のシラーズから、素晴らしいワインが造られます。

バックラベルには「10年は待つべし」と書かれていましたが、これは20年モノ!
なめらかさ、複雑味、甘いタンニン、ゆったり感・・・穏やかでほっとする味わいでした。
オーストラリアのシラーズを熟成させると、こんな素敵な世界が待っているんですね



さて次の2つのワインには共通点がいくつもあります

1)ナパ・ヴァレーのカルトワインを造るセント・ヘレナのワイナリーである
2) 10年以上経過したカベルネ・ソーヴィニヨンのワインである
3)同じ人物が関わっている (David Abreu)
5)パーカーポイント100点獲得



Abreu Madrona Ranch Cabernet Sauvignon 1997 (米、CA Napa Valley)

セント・ヘレナ出身のブドウ栽培家デイビッド・エイブリューは、Grace Family, Viader, Bryant Family Vineyard, Harlan Estate, Spottswoode, Araujo Estate Wines, Screaming Eagle Winery など、錚々たる著名ワイナリーの仕事をしてきましたが、1980年に見つけたマドローナ・ランチから自分の名前でワインをリリースしました。
今や、Abreu もナパのカルトワインのひとつです。



Bryant Family Vineyard Cabernet Sauvignon 1996 (米、CA Napa Valley)

ディビッドが現在ヴィンヤードマネージャーを務めているのがブライアント・ファミリー
ただし、1996年当事はまだヴィンヤードマネージャーにはなっていません(この年に彼が関わっていたかも不明)。が、ひとまず2本ともディビッドつながりです(超豪華!)

もちろん、どちらもパーフェクト
あとは、個人の好みになってくるでしょうね。

私の好みは、全体的に落ち着いた熟成感のあるブライアント・ファミリー。
幾層にも重なった深みのあるアロマと凝縮感のある果実の旨味が素晴らしく、官能的な部分も見え、うっとりしました。

それにしても、なんとも贅沢な飲み比べ
ワインを用意してくださったGさんに感謝です


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする