ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ミルキーなペコリーノチーズの魅力@トスカーナ

2015-07-08 10:00:00 | おいしい食べもん
トスカーナに行って、トスカーナのチーズを紹介しないのは片手落ちなので、
今日はトスカーナで出合ったチーズを取り上げます。
※トスカーナ以外のイタリアのチーズの話 → コチラ


トスカーナ州のキアンティのワイナリーを回っていると、ワイナリーで必ずといっていいほど出してくれるのが、チーズです。



トスカーナのDOPチーズには、羊の乳を原料とする 「ペコリーノ・トスカーノ」(Pecorino Toscano)があります。
トスカーナ州全域でつくられる、直径20cm前後、1.5~2kgほどの大きさのセミハードチーズです。

※DOPは原産地呼称


ペコリーノ・ロマーノとサラミの魅惑的な盛り合わせ

ほかに、ローマ近郊が発祥の古い羊乳チーズDOP「ペコリーノ・ロマーノ」(Romano)もトスカーナ州でつくられていて、DOPではありませんが、シエナの羊乳チーズ「ペコリーノ・セネーゼ」(Senese)も有名です。

「ペコリーノ・ロマーノ」は、8~12kgにもなる大型のチーズで、「ペコリーノ・セネーゼ」は、ペコリーノ・トスカーノとほぼ同サイズ。
この二つの違いは、パッと見ではわかりにくいかもしれません。

日本では、チーズは長期間熟成されたものが人気ですが、トスカーナでは、フレッシュなペコリーノがよく食べられています。


左)Pecorino fresco 右)La Pecora Vera media stagionatura (BUSTI社)

ペコリーノ・トスカーノの最低熟成期間は2週間。
フレッシュなタイプは、“フレスコ”(fresco)と呼ばれます。


上のホールタイプをカットしたもの、左)フレスコ、右)ミディアムのスタジオナート

若い状態だと、質感がむっちりし、口の中でクリーミーに溶け、ミルクの風味がしっかり感じられます。
こんなミルキーなペコリーノって、初めて!

もちろん、熟成されたペコリーノもあり、イタリアではそれも近年人気ということですが、私は、しっとりミルキーなペコリーノのおいしさにノックアウト!でした。

※熟成タイプのペコリーノ・トスカーノは“スタジオナート”(熟成最低4カ月)、オリーブオイルを表面に塗って6カ月以上熟成させたものは“オーロ・アンティコ”と呼ばれます


左がフレッシュでやわらかいタイプ

日本では、熟成が長いものが上等、とする消費傾向があり、それもそれでいいと思いますが、ミルクの風味が残る若いチーズも本当においしい!


ミルクの風味にほっこりします

例えば、フランスで一番よく食べられているチーズ“コンテ”も、長い熟成期間のものが日本で人気ですが、これもぜひ、若い状態のものも食べてみてください。


これはパルミジャーノ系のような旨味たっぷりの味わいでした


地元で普通に食べられているイタリアのチーズが魅力的でした




こんなテーブルが登場すると、それだけでうっとり


これもペコリーノ?


ミルクの風味が豊かな若いチーズのやさしい味わいにほっとさせられたトスカーナの旅でした

コメント
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