まゆみと国文学 ――どうしてこんなに国文学が好きか 2000年04月21日 | 私のこと ~高校時代~ 国文学にひかれたのは、「徒然草」がきっかけでした。 高校の教科書に出てきた吉田兼行の「徒然草」(兼行法師の日記です)の 一部が教科書に載っていました。 高2の春でした。「徒然草」を先生が授業でやるのでなく、 生徒が調べて発表するという形式を先生が取りました。 そんなのわからない…… まして、古文だから文体が違うし、 読んでいても意味がわからない…… けれど、調べなければいけないので、 わからない私は、教科書ガイドを買って、参考にしました(笑) 古文としては読めなかったのですが、 現代語訳を読んでいると、作者の吉田兼行の考えがおもしろい! そう、古文でなく、内容に興味をもったのです。 古文の内容はおもしろいけれど、 これをみんなに発表しなければならない…… そこで「語釈」といって、古典独自の単語を現代語に訳して プリントに載せたりする作業をしてみました。 時代背景、作者の吉田兼行のことなども載せました。 内容がおもしろかったので、「古典」というより 作品に触れる感じでした。 「実は古典ってこんなにおもしろいんだよ」ってカンジで…… それが古典へ魅力を持ち始めたきっかけでした。 ~大学受験~ 大学受験のために、塾に通い出しました。 その時に英文法・解釈、古文、日本史と受講。 科目はほぼ全滅。 全く受験勉強に興味をしめざず、勉強せず、 成績がとてつもなく悪かった…… 今思うと要領が悪かった気がします(笑) けれど、古典だけは成績が少しよかった。 日本文学史に興味を持ち、趣味のように暗記。 助動詞、古典単語、古典常識を勉強しました。 そのおかげで、古典が少しずつ読めるようになりました。 もちろん変体仮名(あの筆で書かれた昔の字)ではないのですが、 古典の授業ではいろんな作品を取り上げていたので 楽しかったです。 和歌はやっぱり「万葉集」「古今和歌集」「新古今和歌集」 物語文学の始まりの「竹取物語」「伊勢物語」 古典の全盛期「源氏物語」「枕草子」 日記文学の「土佐日記」「徒然草」「方丈記」 歴史物語の「大鏡」 軍記ものの「平家物語」 江戸時代には「西鶴諸国話」「おくの細道」 ここにあげたのはほんの一部。 こんな感じの作品に触れる機会がありました。 もちろん当時は「大学入試問題」としてでしたが…… 問題を解くより、作品鑑賞のほうが好きでした(爆) ~短大時代~ 短期大学に入学。 古文が好きで国文学科を選んだ私…* 短大では日本文学(国文学)、ことばとわかれていました。 私は文学を中心に勉強しました。 国文学とは?文学史の流れ、そんなのばかりでした。 その中でもおもしろかったのが演習。 つまり「ゼミ」です。 「万葉集ゼミ」「方丈記ゼミ」「枕草子ゼミ」「漱石ゼミ」「芥川ゼミ」…… 私は1年次は「西鶴ゼミ」(井原西鶴の作品研究)を受講しました。 西鶴の作品について、くわしく読みこんでいくのです。 それは主観でなく「客観的」に作品を分析し、 作品の背景、時代背景、作者の意図などを発表していきます。 発表の時、まわりにわかるように、資料をコピーして 「レジュメ」(資料)を作ったりしました。 この研究する事にハマってしまったのです…(笑) 短大2年、私は「秋成ゼミ」(上田秋成の作品研究)を受講。 そして、演習タイプの授業では「源氏物語」の演習を受講。 児童文学の授業を受講し、童話制作に専念。 2年次は単位に余裕があったものの、研究ばかりしていました(笑) この時受講していた「女性文学」と「樋口一葉」 この2つの授業の影響で、編入を決意しました。 ~大学編入後~ 国文学でも主に「明治時代」を中心に勉強しました。 演習では「樋口一葉」の作品を研究し発表。 履修も近代から現代にかけてを受講しました。 (明治時代から戦後にかけてです) さっきからよくでてくる、この「演習」というのは 1年次では受講できません。 自分で作品などを研究して発表するのです。 私はこれが好きで好きで…… 演習をきっかけに、図書館にもよく通うようになりました。 文理学部の図書館。ちょっとだけなら法学部の図書館。 いろんな角度から、作品を分析したりするのです。 3年次で演習に使った「樋口一葉」について少し書きます。 「裏紫」という題名の作品研究をしました。 未完で終る、女性が浮気をする内容の作品です。 なぜ未完に終ったのか??当時の女性の立場は?? 一葉はこの作品にどんな思いを込めたか?? 登場人物の心理状況は??一葉のほかの作品は?? 作品の文体は??出てくる言葉は??一葉はどんな女性か?? などなど、いろんな疑問を調べて プリントにまとめてみんなの前で発表するのです。 『私は樋口一葉の「裏紫」での女性について発表したいと思います』 みたいに発表前に自分のテーマを言ったり…… 演習は自分で作品分析等をするので これの延長が卒論になったりします。 ~国文学の魅力とは??~ 結局国文学の魅力は、私にとっては「作品」です。 作品として読むのも好きだし、 それを客観的に分析してみるのもとてもおもしろい!! なんだか作品が、生きているきがしてならないです。 本が好きだったわけではないのですが、 国文学の勉強を始めてから 分厚い参考文献を読んだりするようになりました。 図書館に足をよく運ぶようにもなりました。 文学作品は心のどこかにビビッときます!! 今後はもっともっとDeepな研究をしていきたいです。 最近では児童文学から近代文学にうつろうかなって思っています。 高校の時は日記文学(中世)が好きだったんですけどね。 勉強していくうちに変わってきました。 みなさんも自分にとっての「これだっ!」を 発見して下さいね(^-^)