MAYU CLUB ~学校司書まゆみの絵本棚~

子ども達が小さい頃から、絵本の読み聞かせを続けてきた、本について学び続ける学校司書MAYUの絵本リビング育児★

気軽に語ってみる?即興で作ったおはなし

2014年01月05日 | ストーリーテリング(おはなし)
今日は湯船に入った時、息子と二人になったので
久し振りに私が作ったおはなしを息子に語りました。

おはなしなんて言うと「何のお話を語ったの?」
と聞かれそうですが、ストーリーテリングのおはなしではなく
私が「即興」で作ったお話なので、かなり支離滅裂なストーリーです。

なのでそんな話をするに「語る」と言う表現を使うのは思うのですが
ここではあえて「語る」という言葉を使ってみます。

これは息子が3歳くらいから寝る前などに語っていたのですが
息子を主人公にして、その日にあったこと、楽しかったことなど
どれがいいか息子に聞き、選んでもらいます。

昔から寝る前の絵本のあとに語るのですが
このおはなしをしだすと、息子が寝るどころか元気になってしまい
「次は○○のおはなしをして!!」とよく言われ
全く寝てもらえなかったのを思い出します。

今日はじいじの話をリクエストされたので
じいじがどれだけ息子のことが大好きかという話を語ってみました。

最初は「2,3分でいいから」と言っていたのに
語り出すと夢中になって10分以上聞いています。
しかも、聞く様子はとても嬉しそうで、
おはなしの間に「それちがうよ!」など、ツッコミを入れてきます。

おはなしを終えると「次はばあばのおはなし!」と言ってきたので
とっても楽しかったのが伝わってきました。

こんな思いつきの適当な話をしてしまっていいのか?

と、一時期考えたことがありました。

しかし、母親が作った話というのは、子どもにとって嬉しいものであり
下手でも手作りというのは、子どもに伝わるものがあるのではないかと思ったので
絵本の読み聞かせなどと併用して語ってきました。

ちなみに、オーバーリアクションで語るよりも、落ち着いて語る方が
おはなしの内容がこどもの心に届きやすいです。


覚えるタイプのおはなしだと、覚えていない場合は
本を見ないと語れませんが
即興で作ったおはなしは、布団の中に入っていても
部屋が真っ暗でも語ることができます。

私は覚えることへの苦手意識が強く、語りを子育てに取り入れられませんでしたが
即興のおはなしは思いつきで話せたので、敷居が低く
おはなしと私の距離を縮めてくれるのに一役かってくれました。
なので、即興のお話はありだと思います。
語り手(親)の愛が詰まっていますし、愛情にあふれた話が多いからです。

今日はそうした即興のおはなしを子どもに語ったあとに

『おはなしのろうそく』に入っているようはおはなしを
何も見ないで語れるようになりたいなぁ


と思いました。
あの話をお風呂場とかで気軽に息子に話せたら
どんなに楽しいだろうと想像していたのです。

おはなしというと、覚えるのが難しそうと思いがちですが
「このおはなしを語ってみたい!喜んでもらいたい!」
と思える相手がいると、頑張って覚えたいと思えたりします。

「いくら語りたくても、私にはおはなしを覚えるのなんて無理!」
と思う人は、即興でいいので、私のようにお子さんが主人公のおはなしを
作ってみてはどうでしょう?

その日の楽しかったことなどを、子どもと振り返るのは楽しいものです。

息子にお風呂場でお話を語るなんて、もうあと1年もなさそうな気がするので
このかけがえのない時間を、息子と一緒に楽しみたいと思います。


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4 コメント

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はじめまして (MAO)
2014-01-08 08:28:44
初めて書き込みさせていただきます。

突然ですが、私は院生時代のMAYUさんを知っています。
とは言っても、面識はありません。
私は学生時代に樋口一葉研究会に参加していて、いつもハキハキと質問をする人がいるなあと思って、MAYUさんの名前をいつのまにか覚えてしまいました(笑)
『解釈と鑑賞』に発表された論文も読んで、この人はきっと一葉研究者になるんだろうなあと思っていました。
その後ブログを発見して、結婚・出産を機に研究を離れられたことを知り、それでも勉強を続けようとする姿に感心しておりました。
その後しばらくブログのことは忘れていたのですが、私も子供が出来て仕事・勉強との両立に悩むようになった(とはいえ私は男なので子育ては妻にかなり依存しているのですが)ことをきっかけにこのブログのことを思い出して、MAYUさんの子育てと勉強の間での葛藤を読んでいたら、以前よりもその気持ちが骨身に染みて分かって、なんだか感動して泣けてきてしまいました。それを伝えたくてコメントさせていただきました。今後も更新を楽しみにしています。
(コメント欄なのに長文失礼しました。かつて文学研究に打ち込みつつもそこから離れてしまった人間として、なんだか古い友人に再会したような気持ちになり、思わず熱い思いが溢れてしまいました。)
返信する
MAOさんへ (まゆみ)
2014-01-09 00:47:26
MAOさん、初めまして。

私が院生の頃に一葉研究会に出席されていた方が
このブログを読んでくださっているなんて、とても嬉しいです。
私こそ、気持ちを共感しあえる旧友に再会したような気持ちになりました。

結婚前までは自分が好きなことに没頭していた私ですが
結婚をしてから夫のために家庭環境を整えることが第一に。
文学研究は日常生活と離れたものになり、母親になってからはさらに遠のいていきました。

けれど、絵本の読み聞かせと出合ってからは、文学への関心も高まり
研究も視野に入れ始めたのですが、子どもが純粋に楽しむ作品をいじくることに抵抗を感じ
しばらく純粋に子どもと作品を楽しもうと思うように。

すると、今まで以上に文学の力を感じるようになりました。
文学研究からすっかり取り残され、子育てと研究等を両立できない自分を情けなく思ったりもしましたが
人と比較するのではなく、自分のペースでいいので、好きだという気持ちをパワーにしながら文学と関わっていきたいと思うようになり、現在に至ります。

家庭を持つと、生活環境が変わりますよね。

しかし、当時の自分にはないものを、今の自分は持っているはずです。
今持っているものを大切にしながら、お互い長期スパンで成長していきましょう!

MAOさんのコメントからパワーをいただくことができました。
ありがとうございます。
つらないブログではありますが、これからも思いを綴っていきたいと思います。
返信する
丁寧なお返事、ありがとうございます。 (MAO)
2014-01-10 07:43:10
返事をありがとうございました。

人一倍勉強に熱意をお持ちなのにもかかわらず、あくまでご主人とお子さんの生活を第一に考えて行動されていることに尊敬を覚えます。

記事の件ですが、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』も元々はキャロルが知人の娘のために彼女を主人公にして即興でお話ししてあげた物語だったみたいですね。子供はやっぱり自分に関係のあるおはなしが好きなんでしょうね。

私の息子はまだおはなしを理解できる年齢ではありませんが、理解できるようになったら私もおはなしを創作してあげたいと思います。

またときどきコメントさせていただきます!
返信する
MAOさんへ (まゆみ)
2014-01-19 01:05:13
すみません!ゆっくりコメントを書こうと思っていたら返信しそびれていました。

海外の作品は身近な子どものために作られたものも多いですよね。

作品が生まれるきっかけが子育ての延長にあることを考えると、生活に根付いた文学作品を
子どもと一緒に楽しめるというのは、絵本という文学のあるべき姿なのだと思います。

学生時代に、文学を深く読むことができてよかったです。
あの経験が、私の子育てを豊かにしてくれたので。

子どもと一緒に文学を読むのは楽しいです。
文学をともに楽しむ仲間がいるって、こんなに楽しいことなんだと最近強く思います。

お話、是非創作してみてください。
どんなお話ができるのか、今から楽しみです!
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