ＳＵＶ人気高まる中国 販売のターゲットは

７月３日　おはよう日本

中国の自動車市場で新たな動きが出ている。
ＳＵＶ多目的スポーツ車の需要が急激に伸びているのである。

北京市内の道路で目立っているのがＳＵＶ多目的スポーツ車。
中国ではこれまでセダンタイプの車が主流だったがこの数年でＳＵＶを求める人が増えてきている。
ＳＵＶを購入した張雷さん（３２）は飲食関連の会社でマネージャーをしている。
いま中国でＳＵＶを購入しているのはこうした１９８０年以降に生まれた若い世代。
急速な経済発展の中で社会人となり所得水準も比較的高い人たちである。
張さんは定期的に同じ世代の仲間たちとドライブを楽しむ。
車のデザインや色に加えて砂利道などでも快適に運転できる点が気に入っている。
（張雷さん）
「ＳＵＶの魅力は操作性です。
　性能もいいし個人旅行にはぴったりです。」
中国で乗用車の販売台数に占めるＳＵＶの割合は５年前には６％台だったが
今年に入って１５％にまで拡大している。
後押ししているのが車の買い替え需要。
中国で車が本格的に普及し始めて１０年余。
１代目に乗用車を購入した人たちは次は違う車に乗りたいという人が多いという。
（自動車販売店社長）
「２台目の車は最初の車のように実用性を求めず
　性能や快適さにこだわって車を選ぶ人が多い。」
こうした動きを受けて自動車メーカーもＳＵＶの品ぞろえを強化している。
上海で開かれた中国最大のモーターショー。
マツダは最新の技術で燃費を大幅に向上させたＳＵＶを展示した。
これまではＳＵＶを２０％を超える関税を支払って日本から輸出していたが
今後は中国で生産し価格競争力を高めて中国での販売シェア拡大を狙う計画である。
（マツダ中国　山田憲昭ＣＥＯ）　
「走り運転の楽しさを保ちながら環境・安全面で非常に配慮した車に仕上がっているので
　このあたりで競合他社との区別化を図っていきたいと思う。」
一方中国市場で販売を伸ばしている韓国のメーカーも攻勢をかけている。
現代自動車が発表したＳＵＶは室内空間を広げて居住性を高めたのに加えてデザインも重視している。
性能にもデザインにもこだわる比較的若い世代をターゲットにしている。
（販売担当者）
「宣伝で車の性能を理解してもらえれば
　より多くのお客さんが購入してくれると思う。」

中国の若い世代の心をつかむのはどのメーカーか。
ＳＵＶをめぐって激しい販売競争が繰り広げられている。