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米で増大する中国パワー

2013-07-09 08:41:08 | 報道/ニュース
7月6日 おはよう日本

アメリカの首都ワシントンのジョージ・ワシントン大学。
今年4月 中国語と中国の文化を教える教育機関「孔子学院」が開設された。
アメリカと中国の双方の政府高官も出席した。
(米 国務省高官)
「今日ここにいられて光栄です。
 国務省は孔子学院を支持しています。
 アメリカ全土に孔子学院ができています。
 すばらしいことです。」
全米各地の学校に次々と開設される孔子学院。
オハイオ州にある人口約3万人の市でも小学校から高校まで孔子学院が設置されている。
政府の財政悪化の影響で外国語教育の予算は大幅に削減された。
小学校でも外国語の授業の存続が危ぶまれる中
孔子学院の費用のほとんどを中国政府が負担するという条件で受け入れを決めた。
(生徒)
「中国語を習うのは楽しいよ。
 違う文化のことも知ることができるから。」
「中国は産業的に発展しているしみんな中国語を勉強するべきだわ。
 アジアに行ったときに中国の人とも会話もできるしね。」
孔子学院を受け入れた市の教育委員会にも中国側から毎年1万ドルが支払われる。
アメリカの多くの学校が同じような事情から孔子学院を受け入れ
その数はすでに400近くにのぼる。
(教育委員会 担当者)
「中国側の経済的な申し出に確かに多く助けられています。
 これからの経済を考えた時にも中国語を勉強することは
 ほかの言語を学ぶよりもずっと有利になるはずです。」
教育現場を通じてアメリカへの親交を深める中国。
これをアメリカ側から後押ししようという動きも出ている。
世界有数の投資ファンドの経営者。
300億円の資金で奨学金を設立し
毎年200人の留学生を中国に送り込む計画を打ち出した。
(投資ファンド 経営者)
「中国に独自の思惑がある以上
 私たちはそれと無関係ではいられません。
 今後20年間で中国は最大の経済国になるでしょう。
 これからは中国との相互の関係こそ非常に重要なものとなるのです。」

一方で教育現場で中国の影響力が増すことを懸念する声も上がっている。
シカゴ大学の170人の教授らは孔子学院の閉鎖を求める嘆願書を大学に提出した。
このなかで教授らは孔子学院の開設に際して大学側が巨額の資金を受け取ったとしている。
チベットなどの人権問題を抱える中国に対して自由に意見を述べることができなくなり
教育機関としての独立性が損なわれると訴えている。
「ある大学では中国政府や孔子学院との関係を意識して
 チベットに関する講義を取りやめたそうだ。」
(シカゴ大学 教授)
「大学の幹部や研究者が中国に対して見えないプレッシャーを感じて
 ものを言いづらくなる可能性がある。
 私だって資金欲しさに言動に自主規制をかけるようになるかもしれない。」

中国の影響力は教育現場にとどまらない。
アメリカ政治の中枢にも深く及び始めている。
中国の自動車部品メーカーが作る団体が下院議員オフィスを訪問。
議員の地元に工場建設を予定していることを伝えに来たのである。
中国に批判的なことで知られている議員も中国企業の訪問を歓迎した。
中国企業が進出すれば新たな雇用が生まれるという期待があるからである。
(米 下院議員)
「中国からの投資を期待しています。
 今後も関係を深めていくべきです。」
(中国企業団 代表)
「アメリカは中国経済の飛躍を直視しなければいけません。
 いまこそ中国を新たな大国と認め両国の関係を見直すべきなのです。」

経済や文化など様々な文化で増し続ける中国の影響力。
この現実は米中関係の今後の行方にも影響を及ぼそうとしている。

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