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豊かさ背景に“船の上で暮らす”

2013-07-14 20:01:30 | 海外ネットワーク
6月30日 NHK海外ネットワーク

海のレジャーの盛んなオーストラリアでクルーザーや釣り船を所有している人の割合は28人に1人。
日本の約20倍の普及率である。
ここ数年好景気が続いてきたこともあって
休暇をゆとりを持って楽しもうと船を買い求める人の数はさらに増えている。
生活の拠点を船の上に移す人も出ている。

オーストラリア北東部の港町マッカイ。
冬を迎えた今の時期に温暖なマッカイには暖かさを求めてたくさんの人が船で訪れる。
ある夫婦は2,400キロ離れたメルボルンからやってきた。
毎年数週間かけて港に寄りながらここに来ている。
「寒さから逃れられるので気に入っています。」
「のんびり自由にできていいんです、」
マッカイでは毎年この時期
オーストラリア中から集まってきた人たちを目当てにレジャー用の船の展示会が開かれる。
会場には釣り船やプレジャーボートなど各メーカーの最新の船60隻余が並ぶ。
今年の売れ筋は1,000万円前後のプレジャーボート。
生活にゆとりがある中高年がターゲットである。
「船は僕の生きがいなんだ。
 小さいものから大きいものまで6席持ってるんだ。」
(船メーカーの担当者)
「マッカイでの売れ行きは好調です。
 売り上げは1年で20%伸びました。」
船を楽しむ人が増えるなか生活の拠点を船に移す人まで出てきている。
アンダーソンさん夫妻はかつては鉱山で使う機械メーカーの社長として活躍。
世界的な資源の需要の高まりを受けて業績を伸ばしたあと3年前に引退した。
充分なたくわえもできたことから老後は1年中船の上で暮らしていこうと決断。
停留した船での生活が認められているマッカイのマリーナを拠点にしている。
(アンダーソンさん)
「何年もかけて探してやっと理想の船を探し当てたんです。」
お気に入りの船の購入価格は2億円余。
さらに生活しやすいように全面的に改装した。
「キッチンは特別な素材で頑丈に作ってもらいました。
 内装は南米産の木材を基調にしていますが
 テーブルにはオーストラリア産のものを使ったんですよ。
 きれいでしょう。」
1年中船で暮らすアンダーソンさん。
去年はマッカイに近い世界遺産グレートバリアリーフに点在する島々を何度も訪れた。
600キロ離れたケアンズまで6週間の長旅も楽しんだ。
(アンダーソンさんの妻)
「海に出て美しい景色を楽しんだりふたりとも好きな釣りがたくさんできるので
 この生活が気に入っています。」
好調な経済に支えられ多様化した船のレジャー。
これをターゲットにしたビジネスも盛んになっている。
需要の増加に合わせて各地でマリーナの整備が進み
今では全土で350か所以上にのぼる。
シドニーにあるマリーナでは客を呼び込もうと7年前から施設の充実を進め
200隻が停泊できる有数の規模にまで拡張した。
たとえばドックは1度に何隻もの船の点検や修理を行うことができる。
給油や給水、食事など船で訪れる人が必要とする設備がすべて揃った。
(マリーナの責任者)
「船の需要は大きくなっている。
 船に乗ることは子どもから大人まで家族みんなで楽しめるレジャーだから。」

広がりを見せる船での生活。
子どものころから海に親しむオーストラリアの人たちにとっての憧れである。
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