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米アンシラリー市場 増える蓄電池の電力供給

2013-07-21 08:00:30 | ビズ プラス
7月14日 Bizプラス サンデー

長寿命の電力分野で伸びると見込まれているものがアメリカにある。
それがアンシラリー市場とよばれている。
ancillary=補助的な
足りなくなった電力を補助するための市場。
長寿命のリチウムイオン電池の需要が最も伸びると思われている分野である。
電力の自由化がすすむアメリカでは発電会社と送電機関に分かれて電力供給を担ってきた。
送電機関はさまざまな発電会社から電力を受けているが
電力の需要と供給のミスマッチから一時的に電力が不足することがある。
この不足分を補うために電力を売買する市場がアンシラリー市場である。
この市場で蓄電池を使って電力を供給する会社が注目されている。

全米最大規模の送電機関PJM。
13の州にまたがって事業を展開している。
送電のネットワークを管理しているコントロールルーム。
不足する電力がアンシラリー市場から調達している。
(PJM スコット・ベイカー チーフエンジニア)
「これは電力供給に対するアンシラリー市場の買い取り価格。」
PJMの電力買取価格は需要と供給の変化に応じて大きく変動する。
さらに電力の安定供給のためある特別な仕組みがある。
PJMは予測される電力の不足と価格の情報を数秒ごとに電力を供給する会社に発信している。
PJMは電力供給会社に対してその対応のスピードが速ければ早いほどより多くの代金を支払う。
こうすることで素早く安定した電力調達が可能になる。
(PJM スコット・ベイカー チーフエンジニア)
「効率的に電力を供給する事業者に多く支払う。
 蓄電池は私たちの要求に最もよく応えてくれる。」
蓄電池を使って電力を供給している会社 エクストリーム・パワー。
独自に集めた電力をリチウムイオン電池に蓄え
価格の変動を見ながら最適なタイミングで送電機関に売ることで利益をあげている。
(エクストリーム・パワー アラン・ガッチャー社長)
「需要が供給を大きく上回ると値段もつり上がる。」
売り上げを左右するのはリチウムイオン電池の性能である。
この会社では日本や韓国などの電池メーカーの製品を
出力の大きさや耐用年数などさまざまな角度から比較検討している。
(エクストリーム・パワー アラン・ガッチャー社長)
「東芝製は素材に工夫がみられる。
 長寿命でパワーが大きいのが特徴。
 サムスン製は風力、太陽光と相性が良さそう。」
今年2月 この会社がサムスンの子会社と共同開発した蓄電施設。
約700個のリチウムイオン電池を組み込み1500kwの出力がある。
この会社は次に蓄電施設では東芝製の電池も導入したいと話している。
(エクストリーム・パワー アラン・ガッチャー社長)
「電池は誓う環境に合わせて選ぶ。
 東芝製はイリノイ州で使い
 サムスン製はテキサス州で使う予定。
 本当に楽しみ。」

大手電機メーカー東芝。
アメリカで拡大が続くアンシラリー市場への参入を狙っている。
太陽光発電などの自然エネルギーや高性能のリチウムイオン電池を組み合わせたシステム。
発電から電力のっ供給までを安定的に制御する高い技術を売り込む戦略である。
(東芝 電力流通システム 高木喜久雄技師長)
「電池を置けばいいではなく
 電力系統に効果を出さなければいけない。
 アメリカのアンシラリー市場ですと
 電力系統に合う蓄電池システムを知っているかで大きな差が出てくる。
 電力系統のノウハウを持っていきアンシラリー市場にきっちり入れる。」

一方 中国企業もアメリカ市場に積極的に参入してきている。
アメリカの大手電池メーカー A123システムズを
去年12月中国の自動車部品メーカーが約260億円で買収。
関係者に衝撃が走った。
リチウムイオン電池を作る技術と販売網を同時に手に入れたのである。
(ワンシャン・アメリカ 社長)
「A123を買収したのは優れた技術
 アメリカ市場の参入にも有利だから。
 わが社にない長所を持つ企業と一緒になれば確実に高い競争力を得ることができる。
 逆に買収しなければライバルに取られわが社がやられる。」

 

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