7月21日 NHK海外ネットワーク
日本は南極海で1987年からクジラの生態を調べる調査捕鯨を行っている。
今年は1月から3月までの間に103頭を捕獲した。
取ったクジラは無駄にしないことが求められていて食用にすることができる。
ところがこれに異を唱えたのがオーストラリア政府である。
日本の捕鯨活動は国際条約に違反しているとして3年前に国際司法裁判所に提訴した。
書面による争点の整理などを経て先週まで口頭弁論が行われた。
仮に日本が敗訴すると南極海での捕鯨は事実上できなくなる。
シドニー沖でシーズンを迎えたクジラの見学ツアー。
オーストラリアにとって年間300億円近くを稼ぎ出す重要な観光産業である。
大勢の子どもたちや外国人観光客の人気を集めている。
「クジラを見ることができてワクワクして楽しかった。」
「日本がクジラを捕獲するのは残酷だ。」
「捕鯨は良くないとオーストラリアは日本を説得すべき。
国際司法裁判所は我々の言い分を認めてほしい。」
メディアも捕鯨の裁判について大きく伝えている。
ニュース番組のホームページには視聴者から日本に対して厳しい意見が寄せられている。
倫理的に許されない
日本は国際法を悪用して無意味な捕鯨をしている
こうした世論の背景に何があるのか。
オーストラリア東部バイロンベイに住むフランクリンさん夫婦。
夫婦は25年前にNPOを立ち上げクジラの保護を訴えてきた。
オーストラリアでは1960年代まで捕鯨が盛んに行われていた。
しかし乱獲で多くの種が絶滅の危機に直面。
一転 保護の機運が高まった。
(保護活動に取り組むウォリー・フランクリンさん)
「オーストラリアの人は捕獲でクジラが影響を受けていることに気づいた。
1970年代には人々の考え方が大きく変わった。」
夫婦は独自にクジラの生息調査を行っている。
クジラの写真を1枚1枚丁寧に記録し頭数の増減などを調べている。
(ウォリー・フランクリンさん)
「電波での追跡 DNA採取など今はさまざまな方法がある。
クジラを殺さなくても調査はできる。」
クジラを殺すのは残虐だなどと世論が広がるなか
オーストラリア政府はクジラ保護法など捕獲を禁止する政策を次々と打ち出した。
3年前に行われた世論調査では日本の調査捕鯨に反対する意見は90%超。
こうしたなかラッド首相は国際司法裁判所に提訴する考えを示したのである。
(2010年 オーストラリア ラッド首相)
「日本の説得を続けているが捕鯨をやめなければ行動を起こす。」
日本の捕鯨が調査目的なのか
それとも商業目的なのか。
国際捕鯨取締条約では1986年以降商業捕鯨は禁止する措置が取られている。
一方で科学的な調査を目的とする捕鯨は認められていて獲ったクジラを食べることもできる。
日本は南極海での捕鯨はこうした調査が目的だと主張している。
日本とオーストラリアの主張のどちらが正しいと判断されるのか。
今回日本は初めて裁判の当事国として国際司法裁判所の法廷に立った。
オランダ ハーグにある国際司法裁判所。
国家間の争いを法に基づいて審理し平和的な解決を目指す国連の機関である。
1946年の設立以来 扱った事例は150以上。
国家間で争われる領土や国境の問題に判断を示してきた。
また国連の機関の要請を受けて核兵器の使用の合法性について見解を示したこともある。
今回の裁判を担当するのは16人の裁判官。
日本やオーストラリアなど国政は全員異なる。
最初に主張を行ったのはオーストラリアだった。
(オーストラリア側代表 ビル・キャンベル弁護士)
「日本は調査捕鯨という隠れ蓑のもと商業捕鯨を行っている。
日本人の多くも年間何百頭もクジラを殺す目的が科学調査とは思っていないはず。」
日本はクジラを捕獲するのは年齢や性別を詳しく調べたり
胃の内容物からどのような魚を食べているかを調べるために必要だと反論した。
(日本側代表 鶴岡公二外務審議官)
「日本が科学的な調査活動を行っているのは持続可能な方法で商業捕鯨を再開したいから。」
さらにオーストラリアは自分たちの考え方を押し付けていると批判。
法廷のもう一つの公用語フランス語も交えながら裁判官に訴えた。
(日本側代表 鶴岡公二外務審議官)
「ヒンズー教徒にとって牛が申請であるように国によってはクジラを神聖な生き物と考える。
人々が平和に共存する唯一の方法は違いを認め合い特定の観念を押し付けないこと。」
こうした一連の批判にオーストラリアは
(オーストラリア側 ドレイファス司法長官)
「根底にあるのは感情的な反捕鯨活動た
という日本の主張は法的な論議から逸脱している。
オーストラリアに対して失礼だ。」
激しい応酬が行われた口頭弁論は16日に終了。
判決は早ければ年内にも示される見通しである。
日本は南極海で1987年からクジラの生態を調べる調査捕鯨を行っている。
今年は1月から3月までの間に103頭を捕獲した。
取ったクジラは無駄にしないことが求められていて食用にすることができる。
ところがこれに異を唱えたのがオーストラリア政府である。
日本の捕鯨活動は国際条約に違反しているとして3年前に国際司法裁判所に提訴した。
書面による争点の整理などを経て先週まで口頭弁論が行われた。
仮に日本が敗訴すると南極海での捕鯨は事実上できなくなる。
シドニー沖でシーズンを迎えたクジラの見学ツアー。
オーストラリアにとって年間300億円近くを稼ぎ出す重要な観光産業である。
大勢の子どもたちや外国人観光客の人気を集めている。
「クジラを見ることができてワクワクして楽しかった。」
「日本がクジラを捕獲するのは残酷だ。」
「捕鯨は良くないとオーストラリアは日本を説得すべき。
国際司法裁判所は我々の言い分を認めてほしい。」
メディアも捕鯨の裁判について大きく伝えている。
ニュース番組のホームページには視聴者から日本に対して厳しい意見が寄せられている。
倫理的に許されない
日本は国際法を悪用して無意味な捕鯨をしている
こうした世論の背景に何があるのか。
オーストラリア東部バイロンベイに住むフランクリンさん夫婦。
夫婦は25年前にNPOを立ち上げクジラの保護を訴えてきた。
オーストラリアでは1960年代まで捕鯨が盛んに行われていた。
しかし乱獲で多くの種が絶滅の危機に直面。
一転 保護の機運が高まった。
(保護活動に取り組むウォリー・フランクリンさん)
「オーストラリアの人は捕獲でクジラが影響を受けていることに気づいた。
1970年代には人々の考え方が大きく変わった。」
夫婦は独自にクジラの生息調査を行っている。
クジラの写真を1枚1枚丁寧に記録し頭数の増減などを調べている。
(ウォリー・フランクリンさん)
「電波での追跡 DNA採取など今はさまざまな方法がある。
クジラを殺さなくても調査はできる。」
クジラを殺すのは残虐だなどと世論が広がるなか
オーストラリア政府はクジラ保護法など捕獲を禁止する政策を次々と打ち出した。
3年前に行われた世論調査では日本の調査捕鯨に反対する意見は90%超。
こうしたなかラッド首相は国際司法裁判所に提訴する考えを示したのである。
(2010年 オーストラリア ラッド首相)
「日本の説得を続けているが捕鯨をやめなければ行動を起こす。」
日本の捕鯨が調査目的なのか
それとも商業目的なのか。
国際捕鯨取締条約では1986年以降商業捕鯨は禁止する措置が取られている。
一方で科学的な調査を目的とする捕鯨は認められていて獲ったクジラを食べることもできる。
日本は南極海での捕鯨はこうした調査が目的だと主張している。
日本とオーストラリアの主張のどちらが正しいと判断されるのか。
今回日本は初めて裁判の当事国として国際司法裁判所の法廷に立った。
オランダ ハーグにある国際司法裁判所。
国家間の争いを法に基づいて審理し平和的な解決を目指す国連の機関である。
1946年の設立以来 扱った事例は150以上。
国家間で争われる領土や国境の問題に判断を示してきた。
また国連の機関の要請を受けて核兵器の使用の合法性について見解を示したこともある。
今回の裁判を担当するのは16人の裁判官。
日本やオーストラリアなど国政は全員異なる。
最初に主張を行ったのはオーストラリアだった。
(オーストラリア側代表 ビル・キャンベル弁護士)
「日本は調査捕鯨という隠れ蓑のもと商業捕鯨を行っている。
日本人の多くも年間何百頭もクジラを殺す目的が科学調査とは思っていないはず。」
日本はクジラを捕獲するのは年齢や性別を詳しく調べたり
胃の内容物からどのような魚を食べているかを調べるために必要だと反論した。
(日本側代表 鶴岡公二外務審議官)
「日本が科学的な調査活動を行っているのは持続可能な方法で商業捕鯨を再開したいから。」
さらにオーストラリアは自分たちの考え方を押し付けていると批判。
法廷のもう一つの公用語フランス語も交えながら裁判官に訴えた。
(日本側代表 鶴岡公二外務審議官)
「ヒンズー教徒にとって牛が申請であるように国によってはクジラを神聖な生き物と考える。
人々が平和に共存する唯一の方法は違いを認め合い特定の観念を押し付けないこと。」
こうした一連の批判にオーストラリアは
(オーストラリア側 ドレイファス司法長官)
「根底にあるのは感情的な反捕鯨活動た
という日本の主張は法的な論議から逸脱している。
オーストラリアに対して失礼だ。」
激しい応酬が行われた口頭弁論は16日に終了。
判決は早ければ年内にも示される見通しである。