7月6日 おはよう日本
アラブ諸国に伝わる伝統のお菓子の中で洗練された味で知られるシリアのお菓子。
激しい内戦が続くシリアを逃れた一人の菓子職人がいる。
シロップをたっぷりとかけて焼き上げるアラブのお菓子。
中東諸国では食後のデザートとして食卓に欠かせない。
なかでも人気なのが“小鳥の巣”と呼ばれるシリア伝統のお菓子。
ミルフィーユのような薄いパイ生地を何層も重ね
シリア名産のピスタチオをふんだんに使っているのが特徴である。
このお菓子を慣れた手つきで作るこの道20年のシリアのベテラン職人ジハード・クルブイサさん。
シリアは戦闘が激しさを増し死者は2年間の9万人超。
クルブイサさんも多くの友人をなくし故郷を去る決意をした。
去年11月に家族を連れて首都ダマスカスを後にした。
(シリア人菓子職人 ジハード・クルブイサさん)
「いまのシリアは誰もが突然銃撃されてもおかしくない。
甥が生きているかどうかさえ分からないんだ。」
戦火を逃れて一家4人でやってきたのは妻の実家があるパレスチナのガザ地区。
長年イスラエルとの対立が続く紛争地で再出発となった。
ガザではイスラエルによる経済封鎖が続き物不足が深刻である。
店では老朽化した電気系統がトラブルを起こした。
修理しようとしたが部品が手に入らない。
なんとか電気は通ったが今度はオーブンが故障。
電源がついたり消えたりして温度が安定しない。
お菓子作りに欠かせない器具も不足。
ピスタチオを砕く機械がないため代わりに生地を伸ばす道具を使っている。
クルブイサさんを苦しめているのは物不足だけではない。
ガザに移り住んできた去年11月 イスラエル軍は大規模な空爆を実施。
今も断続的に攻撃が続いている。
(ジハード・クルブイサさん)
「ガザに来てから毎日のように砲撃があって子どもたちがおびえているよ。」
厳しい環境のなかでアラブ世界で洗練された味で知られるシリア伝統のお菓子を作り上げてきた。
クルブイサさんのお菓子はガザの人にも大好評。
「シリアのお菓子が食べられるなんて夢みたいだ。」
ガザに移り住んで半年あまり収入は3分の1に減った。
しかし祖国シリアでは内戦が激しさを増していて帰るめどは立っていない。
(クルブイサさんの妻)
「シリアは良いところでした。
それがメチャクチャになってしまった。」
(次男)
「シリアにはもう戻れないの?
ここでも戦争しているもの。」
戦乱の祖国を逃れ避難先でも厳しい現実に向き合う家族。
父親の作ったお菓子が心の支えになっている。
(クルブイサさんの長男)
「おいしい。
楽しかったあのころを思い出すよ。」
(ジハード・クルブイサさん)
「いつかシリアに平和が訪れ家族と帰れる日が来ると信じています。」
シリアとガザ。
2つの戦火に翻弄される菓子職人のクルブイサさん。
平和を願う思いを胸に今日も故郷のお菓子を作り続ける。
シリアからの難民の多くは隣国のレバノンやヨルダン、トルコに逃れている。
その数は国連難民高等弁務官事務所によると
先月までに160万人にのぼっているということである。
化学兵器の使用も疑われるなど内戦はおさまる兆しがないということで
クルブイサさんのような難民は日々増え続けている。
アラブ諸国に伝わる伝統のお菓子の中で洗練された味で知られるシリアのお菓子。
激しい内戦が続くシリアを逃れた一人の菓子職人がいる。
シロップをたっぷりとかけて焼き上げるアラブのお菓子。
中東諸国では食後のデザートとして食卓に欠かせない。
なかでも人気なのが“小鳥の巣”と呼ばれるシリア伝統のお菓子。
ミルフィーユのような薄いパイ生地を何層も重ね
シリア名産のピスタチオをふんだんに使っているのが特徴である。
このお菓子を慣れた手つきで作るこの道20年のシリアのベテラン職人ジハード・クルブイサさん。
シリアは戦闘が激しさを増し死者は2年間の9万人超。
クルブイサさんも多くの友人をなくし故郷を去る決意をした。
去年11月に家族を連れて首都ダマスカスを後にした。
(シリア人菓子職人 ジハード・クルブイサさん)
「いまのシリアは誰もが突然銃撃されてもおかしくない。
甥が生きているかどうかさえ分からないんだ。」
戦火を逃れて一家4人でやってきたのは妻の実家があるパレスチナのガザ地区。
長年イスラエルとの対立が続く紛争地で再出発となった。
ガザではイスラエルによる経済封鎖が続き物不足が深刻である。
店では老朽化した電気系統がトラブルを起こした。
修理しようとしたが部品が手に入らない。
なんとか電気は通ったが今度はオーブンが故障。
電源がついたり消えたりして温度が安定しない。
お菓子作りに欠かせない器具も不足。
ピスタチオを砕く機械がないため代わりに生地を伸ばす道具を使っている。
クルブイサさんを苦しめているのは物不足だけではない。
ガザに移り住んできた去年11月 イスラエル軍は大規模な空爆を実施。
今も断続的に攻撃が続いている。
(ジハード・クルブイサさん)
「ガザに来てから毎日のように砲撃があって子どもたちがおびえているよ。」
厳しい環境のなかでアラブ世界で洗練された味で知られるシリア伝統のお菓子を作り上げてきた。
クルブイサさんのお菓子はガザの人にも大好評。
「シリアのお菓子が食べられるなんて夢みたいだ。」
ガザに移り住んで半年あまり収入は3分の1に減った。
しかし祖国シリアでは内戦が激しさを増していて帰るめどは立っていない。
(クルブイサさんの妻)
「シリアは良いところでした。
それがメチャクチャになってしまった。」
(次男)
「シリアにはもう戻れないの?
ここでも戦争しているもの。」
戦乱の祖国を逃れ避難先でも厳しい現実に向き合う家族。
父親の作ったお菓子が心の支えになっている。
(クルブイサさんの長男)
「おいしい。
楽しかったあのころを思い出すよ。」
(ジハード・クルブイサさん)
「いつかシリアに平和が訪れ家族と帰れる日が来ると信じています。」
シリアとガザ。
2つの戦火に翻弄される菓子職人のクルブイサさん。
平和を願う思いを胸に今日も故郷のお菓子を作り続ける。
シリアからの難民の多くは隣国のレバノンやヨルダン、トルコに逃れている。
その数は国連難民高等弁務官事務所によると
先月までに160万人にのぼっているということである。
化学兵器の使用も疑われるなど内戦はおさまる兆しがないということで
クルブイサさんのような難民は日々増え続けている。