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日本でも始まったオープンデータビジネス

2013-10-03 07:02:48 | ビズ プラス
9月22日 BIZ+SUNDAY


岐阜県中津川市にオープンデータを活用して新たなサービスを始めた会社がある。
社員6人のベンチャー企業カーリル。
提供しているのは全国6,400の図書館の貸し出し状況を検索できるサービス。
本のタイトルやキーワードを入力すると読みたい本がどの図書館にあるのか
貸し出し中なのかどうかを簡単に調べることができる。
開始から3年で月に40万人が利用する人気サービスになった。
開発したのは社長の吉本龍司さん。
吉本さんは全国の図書館が公開している検索サービスのデータを活用している。
そのデータにネット通販大手のアマゾンから得た情報を組み合わせ本の内容や表紙の画像を表示。
さらにその本をアマゾンで購入できることを示す広告も載せている。
図書館の検索サイトよりも使い勝手がよくなるよう工夫した。
(カーリル 吉本龍司社長)
「行政 図書館が無償で今まで提供していたデータを
 より使いやすくすることで新しいビジネスにつなげていける。」
吉本さんはいま図書館のデータを新たなビジネスにつなげようとしている。
学術書専門の出版社を訪れ
出した本がどの図書館でどのくらい読まれているのか一目でわかるサービスを提案した。
図書館の貸し出しデータを分析して提供すれば出版社は増刷や復刊の的確な判断ができる。
そこにニーズがあるはずだと吉本さんは考えた。
(東京大学出版会 営業局長 橋元博樹さん)
「全国の図書館のデータがひとつの画面で見られるのはすごい。
 きめ細かなマーケティングができる。」
(カーリル 吉本龍司社長)
「データを解析するサービスでお金をとるということがまだまだ事例がない。
 自分たちでも積み重ねながら実際に使えるところに落とし込んでいきたい。」

オープンデータに取り組む自治体も増えている。
福井県鯖江市では2年前全国に先駆けてオープンデータに踏み切った。
地場産業のメガネの生産が落ち込むなか
オープンデータを活用してITを新しい地域経済の基盤に育てたいと考えている。
(鯖江市 牧野百男市長)
「ITをポスト地場産業として育てられないか。
 1つのアプリがグローバルスタンダードに育つものが出てくれば
 計算できないくらい大きな経済効果が出てくる。」
市ではこれまで災害時の避難所やトイレの位置情報など28種類のデータを公開。
そのデータをもとに地元のIT企業が市民生活に役立つアプリを開発している。
鯖江市ではオープンデータの責任者を置いて積極的に対応に乗り出している。
(鯖江市 情報統括監 牧田泰一さん)
「まだ出していないデータがある。
 いろいろな分野に挑戦していきたい。」
しかし公開するデータを増やすには課題があることもわかってきた。
牧田さんはいま道路工事による通行止めなどの情報を公開しようとしている。
鯖江市に届け出がある通行規制は年間約1,000件。
これを公開すればこれまで以上に人手がかかる。
さらにデータの正確さも課題である。
通行規制の区間は工事の進捗によって日々変わる。
常に更新しないと誤った情報を出してしまう懸念がある。
(土木課の担当者)
「いつここをするのかというところまで情報を持っていない。
 ミスによって間違った情報を提供してしまうこともある。」
通行規制のデータをオープンにするにはどうしたらいいのか。
牧田さんは道路工事にかかわる部署の担当者を集めて会合を開いた。
(都市整備部次長)
「誰が情報を更新するのか底の問題はある。」
(土木課長)
「ある程度長期間にわたる通行止めならできるかなと思う。」
(牧田泰一さん)
「大きい区割りでここからここまでいつからいつまで
 とりあえずやらせてもらいたい。」 
牧田さんはまず市の幹線道路のデータから公開したいと考えた。
(鯖江市 情報統括監 牧田泰一さん)
「考えていなかったような課題が結構あるので一歩ずつできるところからやっていきたい。
 とりあえずデータを出してみるという考え方の方が重要かと思う。」



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