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“屋上に緑を”上海でブーム

2013-10-15 07:00:00 | 海外ネットワーク
10月6日 NHK海外ネットワーク


中国で環境意識が高まるなか上海では身近な環境の改善とビジネスを結びつけた取り組みが注目されている。

鳥のさえずりも聞こえる豊かな森。
実はごみ処理場の屋上である。
上海ではあちらこちらで屋上が緑に覆われた建物を見ることができる。
ショッピングセンターの屋上にも庭園が広がっている。
中学校の屋上では野菜を収穫する子どもたちの姿。
世界有数の経済都市上海はこれまで緑地の開発を積極的に進めてきた。
狙いは国際的なイメージアップである。
3年前 7千万人以上が訪れた上海万博のパビリオンは今では緑に覆われ公園として利用されている。
とりわけ最近注目を集めているのが狭い土地を有効に活用できる屋上の緑化。
上海市には屋上緑化にかけた費用の半分を補助する制度がある。
大気汚染の問題などで環境意識が高まるなか補助金の申請が増え続けている。
こうした屋上緑化のブームはビジネスチャンスにもつながっている。
上海向けの物件を手がけている建設会社 莫剣峰社長は新しいタイプのマンションを売り出そうとしている。
それは屋上だけでなく建物全体が緑に覆われたマンション。
都会にいながら自然を身近に感じられる暮らしを提案している。
緑あふれる環境は部屋の中にも。
トイレから出た廃水は浄化されて部屋の植物を育てるのにも使われる。
莫さんはこうしたマンションは従来よりも2割以上高い価格で売れると見込んでいる。
(マンションの建設会社 莫剣峰社長)
「環境にも優しく住み心地がとても良いんです。
 家でくつろぎながら緑を楽しめるグレードの高い家をどんどん建てたい。」
9月 莫さんは政府の支援で開かれた屋上緑化の取り組みを紹介する大会に招かれた。
取り組みが評価され表彰された莫さん。
政府は屋上緑化を進める人を後押しすることで上海でのブームが全国に広がることを期待している。
(中国建築省エネルギー協会 鄭会長)
「これまでの経済最優先ではなく発展と環境保護を両立させる方向に変わってきている。
 屋上の緑化を進めれば中国はさらに美しくなる。」

中国内陸部にある酒造会社。
屋上緑化をビジネスに生かそうという動きは地方にも広がってきている。
工場の屋上一面に広がっているのは田んぼ。
酒造りの経費削減につながるのである。
工場の中には酒を熟成させるためのカメが並んでいる。
酒を熟成させるには20度以下の涼しい環境を安定して保つ必要がある。
しかし工場内は夏には40度近くになることもあり冷房代に頭を悩ませてきた。
そこで屋上を田んぼにしたところ稲が直射日光を遮りさらに田んぼの水で気温の上昇が抑えられるようになった。
工場内の気温は7度も下がり電気代は半分で済むようになった。
田んぼのコメは食用に販売もでき一石二鳥だと言う。
(酒造会社の経営者)
「工場での酒造りに良い効果が出ている。
 省エネで大幅に節約できた。
 『環境に良い』というイメージで消費者に受けるだろう。」

ビジネスにも生かして広がる屋上緑化。
中国にしっかりと根付くことになるのか。
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