9月29日 編集手帳
銀行員「半沢直樹」を主人公とする池井戸潤さんの小説は2冊がテレビドラマの原作になった。
先週で終わった話の続きが知りたくて3冊目の「ロスジェネの逆襲」(ダイヤモンド社)を読んでいる。
ドラマで主人公を窮地から救おうと、
時に自分の立場をかえりみずに奔走した同期入行組が、
この本にも登場する。
組織の中で上司と部下とが縦の関係なら、
同期は横の関係だ。
日露戦争中に生まれた唱歌「戦友」(真下飛泉作詞)に一節がある。
〈軍律きびしい中なれどこれが見捨てて置かりょうか〉。
戦場で倒れた友に、
軍律に反しても駆け寄る兵士の心情が歌われた。
河原宏著「日本人の『戦争』」(講談社学術文庫)はこの詞をひいていう。
「友を逝かせて己一人、
退却し、
降伏できないというヨコの友情関係」に日本軍の強さの源泉があった、と。
半沢直樹のドラマは日本人の伝統的心情を刺激したのかもしれない。
現実の同期の顔を頭に浮かべて、
そこまでは…と思った向きもあろうが、
上司のお供や部下へのおごりと違い、
打算抜きで飲めるのが同期であるのは疑いない。
秋の夜に一献傾けたくなった。
銀行員「半沢直樹」を主人公とする池井戸潤さんの小説は2冊がテレビドラマの原作になった。
先週で終わった話の続きが知りたくて3冊目の「ロスジェネの逆襲」(ダイヤモンド社)を読んでいる。
ドラマで主人公を窮地から救おうと、
時に自分の立場をかえりみずに奔走した同期入行組が、
この本にも登場する。
組織の中で上司と部下とが縦の関係なら、
同期は横の関係だ。
日露戦争中に生まれた唱歌「戦友」(真下飛泉作詞)に一節がある。
〈軍律きびしい中なれどこれが見捨てて置かりょうか〉。
戦場で倒れた友に、
軍律に反しても駆け寄る兵士の心情が歌われた。
河原宏著「日本人の『戦争』」(講談社学術文庫)はこの詞をひいていう。
「友を逝かせて己一人、
退却し、
降伏できないというヨコの友情関係」に日本軍の強さの源泉があった、と。
半沢直樹のドラマは日本人の伝統的心情を刺激したのかもしれない。
現実の同期の顔を頭に浮かべて、
そこまでは…と思った向きもあろうが、
上司のお供や部下へのおごりと違い、
打算抜きで飲めるのが同期であるのは疑いない。
秋の夜に一献傾けたくなった。