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“攻めの農業”外食産業との連携で全国ブランドへ

2013-10-06 07:00:00 | ビズ プラス
9月29日 BIZ+SUNDAY


宮崎県日南市で外食産業との連携を強化して収入を伸ばしている生産者がいる。
養鶏農家の湯浅勝明さん。
この5年間で収入は4倍になった。
(養鶏農家 湯浅勝明さん)
「かなり利益も確実に乗ってくるので楽しい。
 これ以上楽しい仕事はない。」
湯浅さんが飼育しているのは宮崎のブランド地鶏 みやざき地頭鶏(じとっこ)。
歯ごたえのある肉質が特徴で県が長年改良を重ね15年前に商品化。
しかし当初は知名度が低く売り上げは伸び悩んでいた。
(養鶏農家 湯浅勝明さん)
「最初の5年はまったく知名度がなくて
 おいしいのはわかっていたが全く売れていない状態。」
この地鶏の知名度を一気に引き上げたのが東京に本社を構える居酒屋チェーンである。
社長の米山久さんは現在140店舗を経営している。
9年前 米山さんが居酒屋の出店を計画していた時に出会ったのが宮崎の養鶏農家だった。
(エー・ピーカンパニー)
「良いものだけどブランドの認知度が低いのでクリエイティブな表現をしましょう。
 提案を生産者に直接する。
 生産者と一緒に作り上げていく。」
米山さんが経営する居酒屋は養鶏農家から直接仕入れることで地鶏を割安な価格で提供。
郷土料理である炭火焼で売り出したところ人気を集め居酒屋チェーン拡大の原動力となった。
その結果 みやざき地頭鶏は全国でも知られるブランド地鶏に育った。
さらに米山さんは供給体制も整えた。
居酒屋チェーンの拡大に伴い地鶏の生産は当初の3倍に増加した。
米山さんの会社では8千万円投資して養鶏農家にヒナを供給する施設を建設。
さらに今年は大型の食肉加工場も整備した。
湯浅さんの飼育数も4倍に急増。
来年も規模を拡大していく計画である。
(養鶏農家 湯浅勝明さん)
「外食産業を組むことによって
 市場というか一人一人のお客さんに
 一人でも多くの人に食べてもらう組織力。
 その広がりにはびっくりしている。」

米山さんの会社がいま力を入れているのが新たな農産物のブランド化である。
地方に埋もれた魅力的な食材を発掘し付加価値を付けて売り出す。
この日 商品開発の担当者が向かったのは宮崎県内のしいたけ農家。
この農家は通常より長い生育期間をかけ肉厚なしいたけを作っている。
担当者はこのしいたけの特徴を生かした新たなメニューを提案した。
「ここを切ってつくねを詰めて揚げて“しいたけ南蛮”にする。
 すごく試食会で好評。」
(しいたけ農家 大杉博文さん)
「現場を見てもらって作り手の話を十分に聞いて理解してもらって
 ありがたいと思う。」
米山さんの会社は東証一部上場を果たした。
企業規模の拡大が農家の収入増加にもつながるこのビジネスモデルでさらに成長したいという考えである。
(エー・ピーカンパニー 米山久社長)
「まだ全国には埋もれてる商材 我々を必要としている生産者がいる。
 そこを発掘 ブランディングしていって
 生産者の地位向上 地域活性化
 今までにない形を実現していきたい。」


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