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「JINS」急成長の理由

2013-10-25 07:00:00 | ビズ プラス
10月20日 BIZ+SUNDAY


激しい競争を繰り広げるメガネ業界にあって好調な業績で注目を集めるJINS。
3万円~5万円が当たり前だった眼鏡を1万円を切る低価格で販売し急成長した。
創業12年。
売り上げは業界第3位。
国内の店舗数は200店を突破した。
快進撃を続けるJISを率いるのはジェイアイエヌ社長 田中仁さん(50)。
JINSの好調な業績を支えるのが視力の矯正を目的としない機能性眼鏡である。
なかでも最大のヒットとなったのがパソコン用眼鏡。
網膜に強い刺激を与えるとされるブルーライトをカットし目の疲れを軽減する。
これまでメガネをしていなかった人たちの新たな需要を掘り起し
一昨年の発売以来2年で300万本を販売する大ヒット商品になった。

Q.たとえばパソコン用眼鏡 グッドアイデアと正直思ったのだが狙ったのか
  いろいろな偶然が重なって結果的にここまで売れたのか?

(ジェイアイエヌ 田中仁社長)
「ヒットを狙っていた。
 私自身が非常にパソコンで目が疲れていた。
 なんとかしたい。
 眼科にも行ったが思うような効果が得られなかった。
 産学連携である大学病院と一緒に共同研究を始めることになってブルーライトという存在を知って
 ブルーライトをカットしてパソコンがきれいに見える眼鏡を開発しようと思った。
 私自身が試してみた。
 本当に楽。
 エビデンス(効果があることを示す根拠)を構築すれば売れる自信があった。」
「もっと売れると思っている。
 パソコンを使う人はものすごく多い。
 数千万人いると思う。
 そうすると数千万本普及していいんじゃないか。」
Q.眼鏡かけなくて済むならかけたくない。
  眼鏡の魅力は?

(ジェイアイエヌ 田中仁社長)
「眼鏡の魅力はたぶん洋服以上に本人の魅力を変える力があることと
 眼鏡というものを通してみる世界が変わる。
 そういうところがある。」

前橋市で雑貨店を経営していた田中社長。
2000年 韓国では眼鏡が3000円で売られていることを知りそこにビジネスチャンスを見出した。 
翌年にはJINS1号店をオープン。
企画、製造、流通から販売まですべてを自社で手掛け眼鏡業界に価格破壊をもたらした。
順調に業績を伸ばし2006年には株式上場を果たす。
しかし2008年リーマンショックで業績が悪化。
2年続けての赤字決算となった。
転機となったのは知人の紹介で知り合ったファーストリテイリングの柳井会長の言葉だった。
(ジェイアイエヌ 田中仁社長)
「柳井さんから言われたのは
 自分たちが世の中に提供できる価値をしっかり見定めて地峡すること。
 ビジョンなき志亡き経営は成長しないということを教えていただいた。
 たった30分だったがその30分の中にものすごく凝縮された良い教えをいただいた。」
田中社長はこれを機に今まで無かった新しい眼鏡の開発に取り組い始める。
2009年には医療用のカテーテルなどに使われるナイロン素材を使った超軽量眼鏡を開発。
累計750万本が売れた。
さらにパソコン用眼鏡や花粉症対策眼鏡といった機能性眼鏡を相次いで発売。
大ヒットとなった。
業績もV字回復。
今年8月期の決算で34億円と純利益は最高になった。

Q.新しい市場を切り開くための鍵は?
(ジェイアイエヌ 田中仁社長)
「あたらしい あたりまえ
 今まで無かった新しい習慣や製品を世の中に生み出してそれを当たり前にする。
 たとえば今現在皆さん洋服を着ている。
 何万年前は洋服を着ていなかった。
 でも寒さ暑さをしのぐようになって今はファッションとして着ている。
 目は裸。
 この裸の状態を眼鏡というアイウェアで目を守ったりおしゃれをしたり洋服を同じような存在にする。
 “あたらしい あたりまえ”を作り出すという志。
 この志を持っていれば新しいものが生まれる。
 イノベーションが生まれる。」
「出来ないとすれば思いが足りない。
 仕事って情熱しかない。
 情熱があれば何か一つのことをするときあらゆる角度から検証する。
 自分一人の考えに固執しないでいろいろな人に聞きまわる。
 実はそれは面倒くさい。
 面倒くさいから自分が考えたところで閉じてしまう。
 だから上手くいかない。」
Q.今一番ねらっている市場は?
(ジェイアイエヌ 田中仁社長)
「中国は出店していて手ごたえを感じている。
 次はアメリカ。
 まずはサンフランシスコ。
 IT企業が多い。
 我々 JINZ PC(パソコン用眼鏡)をやっているIT企業とは親和性がいいと思う。」
Q.いろいろな機能性眼鏡あるが次はどんな分野を考えている?
(ジェイアイエヌ 田中仁社長)
「JINSにしかできないイノベーションを起こしたい。
 まだ秘密。」 


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