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急増する空き駐車場

2013-10-31 07:00:00 | ビズ プラス
10月27日 BIZ+SUNDAY


川崎市にある築16年のマンション。
10年ほど前から駐車場の空きが増え75台中25台が空いた状態になった。
住民のひとり薄木奈津子さんも10年前に車を手放した。
駐車場代を含め維持費は年間50万円。
週末しか利用せずタクシーやレンタカーを使った方が安上がりだと判断したからである。
「月に何回も使わないものをわざわざ維持する必要は無いというのが一番大きかった。」
他にも高齢になり運転に自信が持てなくなって車を手放す人もいると言う。
(マンション管理組合 山口和夫さん)
「今後 車離れや高齢化を考えると駐車場台数はこれ以上増えることはない。
 減る傾向にあると予想している。」
空き駐車場の問題はこのマンションの運営に大きな影響を及ぼしている。
駐車場の収入の4割はマンションの修繕積立金に充てることになっている。
積立金は補修や塗装などに使われマンションの資産価値を維持するのに欠かせない。
当初見込んだ駐車場の収入は年間1800万円。
それが1200万円に減った。
そのため修繕積立金が目標額に届かないおそれが出てくる。
さらに駐車場設備の老朽化がすすみメンテナンスの費用が時に数百万円もかかることがわかってきた。
結局 このマンションの管理組合は3機あった機械式駐車場のうち1機を撤去した。
(マンション管理組合 山口和夫さん)
「メンテナンス代は出ていく。
 だけど収入は入ってこないという状況の繰り返しでどうしても金がかかる。
 維持していくのは非常に難しい。」

こうしたなかマンションの空き駐車場の注目した新しいビジネスが生まれている。
ベンチャー企業 軒先はマンションの空き駐車場などと契約。
ネットを通じて1日単位で貸し出している。
現在首都圏を中心に約1、000台分を登録。
この会社は手数料として料金の35%を受け取る。
この日相談を受けたのは都内のタワーマンションの管理組合。
駐車場は53台中23台が空いている。
(マンション管理組合理事長)
「もともとは40台以上埋まる想定で長期的な予算を組んでいる。
 それが20台空いているというのは早めに解決していきたい事項。
 ほっておくとさらにあく可能性がある。」
軒先はこのマンションの近くにイベント施設があるため強気の料金設定でも行けると持ちかけた。
「十分いくと思う。
 イベントにもよるが人気のアイドルグループのコンサートがある日などは
 1日の料金が5000円でも全国から来る人がいるので。」
検討の結果 管理組合では試験的に2台分登録することにした。
(軒先 西浦明子社長)
「ある人にとっては必要の無いものが他の人にとっては非常に価値のあるものである。
 そこをマッチングするサービス。」

マンションの空き駐車場の問題に別の角度から取り組むビジネスも始まっている。
大手リース会社 オリックス。
去年から老朽化した機械式駐車場のリニューアルを支援するビジネスを始めた。
駐車場をコンパクトにしたいという需要を当て込んでいる。
オリックスが駐車場のリニューアルを手掛けた神奈川県厚木市の築19年のマンション。
新しい駐車場が引き渡された。
以前の駐車場は設備の老朽化でメンテナンスの費用が5年で3千万以上かかると業者から言われた。
しかし駐車場25台のうち8台が空き収入が減ってしまったためとても賄えない。
そこでオリックス側はコンパクト化した最新式の駐車場を1500万円で提案。
支払いは駐車場収入の範囲内に収まる分割払いにした。
(マンション管理組合 前園ゆり子さん)
「これだったらやっていけるとなった。」
(オリックス 統合中部ブロック 野上善弘ブロック長)
「引き合いも首都圏を中心にある。
 我々としてはチャンスだと思っている。」 

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