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ips細胞 実用化はどこまで

2013-10-11 07:00:00 | ビズ プラス
10月6日 BIZ+SUNDAY


広島大学病院である画期的な再生医療が開発された。
高橋真由美さんは5年以上前から階段の上り下りに困るほど激しいひざの痛みに苦しんできた。
高橋さんは国体に出たこともあるバレーボール選手である。
競技を続ける中でひざを痛めた。
高橋さんは今年6月にこの病院でひざの軟骨を再生する新たな治療を受けた。
(高橋真由美さん)
「こういう手術というか方法もあると知ってビックリ。
 驚いた。」
直径2,5センチの体の外で培養したひざの軟骨。
この軟骨を痛めた部分に移植する。
軟骨はスポーツや事故で損傷すると元に戻ることはない。
患者は神経が刺激され強い痛みを感じる。
治療では足の軟骨の一部を採取し人工的に培養して増やす。
それを再び体に移植する。
時間が経つにつれひざの軟骨が修正される。
高橋さんはこの手術を受けた後 痛みが減りリハビリにも取り組んでいる。
(高橋真由美さん)
「2年後ぐらいにはバレーボールができると言われた。
 うれしかった。」
この再生医療を実現した越智光夫教授はこの手術を広く普及させたいと考えている。
そこで軟骨の培養を再生医療を手掛けるベンチャー企業に任せた。
(広島大学 整形外科 越智光夫教授)
「全国どこでもある程度この手術を受けることができる。
 日本の発展した技術をビジネスとして展開するのがいいと思う。」

軟骨の培養を手掛ける愛知県のベンチャー企業J-TEC 小澤洋介社長。
創業から14年。
越智教授から技術指導を受け軟骨の製品化に取り組んできた。
去年 国の承認を受け今年から販売を始めた。
病院で患者から採取された軟骨はこの会社で4週間かけて培養される。
軟骨の再生医療は今年 保険の適用が認められ患者の負担は十数万円程度。
この会社は1人当たり約200万円の売り上げになる。
(J-TEC 小澤洋介社長)
「大学を中心としていい技術や化学はいっぱいある。
 昔からずっとある。
 それを商品や産業にするには企業が絡まないとだめ。
 しっかり安全性を担保するとか品質を担保する。
 これは企業にぜひともまかせていただきたい。」

京都大学 山中伸弥教授のノーベル賞から1年。
ips細胞を使った再生医療を実用化しようという動きも各地で進んでいる。
東京大学の研究所に本社を構える医療ベンチャー メガカリオン。
ips細胞はあらゆる組織や臓器に変わるとされている。
この会社はips細胞から血液の成分のひとつ血小板を作り出している。
血小板は血液を固め出血を止める大事な役割を持っている。
人工的に作った血小板も血を固める能力がある。
血小板は手術には欠かせずその市場規模は先進国だけで2700億円にのぼる。
献血に頼ってきた血小板をips細胞から量産できれば大きなビジネスになる。
この会社は今年 国と民間で作るファンド産業革新機構から10億円の資金を受けた。
その資金をもとに新たな実験設備を整備する計画である。
(産業革新機構 マネージメントディレクター 芦田耕一さん)
「高いリスクだがリスクマネーを供給することによって成功すれば
 非常に大きな社会インパクトがあると考え投資をしている。」
(メガカリオン 三輪玄二郎社長)
「研究所の中で面白いことをやっているなというレベルから
 実際に社会で使えそうな技術だと認識が変わったと思う。
 ips細胞がビジネスになるとするとそれに必要なステージの半分までは来た。」
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