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韓国・中国 変わる墓事情

2013-10-08 07:00:04 | 海外ネットワーク
9月29日 NHK海外ネットワーク


韓国では今 場所をとらない新たな埋葬の方法が注目されている。
墓石を置かず芝生の下に遺灰をおさめた壺を埋める。
壺はトウモロコシなどの自然素材で作られていて亡くなった人は文字通り土に変えることになる。
(遺族)
「『人は土から生まれて土にかえる』という自然の理を生かすために選んだ。」
「祖父の願いだった。
 環境にやさしいのが何よりだ。」
儒教の影響もあり土葬が一般的だった韓国。
遺体を埋葬するたびに盛り土をしてきた。
場所をとるため全国にあるお墓の面積を足しあげると首都のソウルを上回る広さになる。
このままでは国中が墓だらけになってしまうと
韓国政府は法律で土葬を制限するようになった。
市民の間でも従来の土葬ではない方法を選ぶ人が増えている。

中国でもお墓を持つことが難しくなっている。
「土地は限られているし値上がりしてとても手が出ない。」
「住まいも高いがお墓はもっと高い。」
中国では産地や砂漠が多くお墓を建てるのに適した土地は国土の1割程度と限られている。
そこに都市部での人口増加やマンション開発などが拍車をかけ
この10年でお墓の価格は急騰した。
上海市では一般的なお墓ひとつあたりの値段が日本円で80万円余。
住民の平均年収のほぼ2倍にあたり簡単には手が届かない。
北京では3,000万円超の高額なお墓も登場した。
中国政府の支持を受けて全国の業者を指導している団体 中国埋葬協会も
土地が不足していることに危機感を募らせている。
(中国埋葬協会 副会長)
「中国では1年に900万人が亡くなっている。
 全員分の墓を用意したら大変なことになる。」
上海市の周祥瑶さん(67)は去年 妻の父親の遺骨を納めた。
「お義父さん
 この場所は気に入ってくれましたか。」
今回一般のお墓より格段に安い約1万5千円で埋葬する権利を購入した。
与えられたのは花壇の下のわずか30センチの区画。
義父は5年前に亡くなったが年金生活の周さんはお墓を買うことができずこれまで遺骨を火葬場に預けたままだったのである。
(周祥瑶さん)
「生前 義父は『骨は捨ててくれ』と言っていたがそんなことできるはずがない。
 どうしても埋葬してあげたかった。」
同じ花壇の下には他に6つの家族の遺骨が納められている。
埋葬の権利はいずれも期限付きで10年経つと他の家族に明け渡さなくてはならない。
お墓の問題は中国政府も真剣にとらえている。
3年ほど前から場所をとらない海への散骨“海葬”を国民に呼びかけている。
(遺族)
「きれいな海が大好きだった母の遺言なんです。」
大連市で行われた海への散骨合同海葬式には100人近くが参加した。
船代など散骨にかかる費用約1万9千円は地方政府が負担する。
遺骨は水に溶けやすい容器に入れて海に流す。
(遺族)
「亡くなった姉夫婦を思い出した。
 今度来たときは海に花を供える。」
海葬を奨励しようと一昨年 上海市には記念館まで建てられた。
館内では海葬の手順や散骨する場所などが紹介されている。
周恩来元首相などかつての指導者たちも海葬だったことを強調している。
(遺族)
「周恩来元首相や小平氏も海葬だった。
 国の言うことには従う。」
上海市は去年 遺族への奨励金をそれまでの5倍の約3万2千円に増やした。
海葬にかかる経費の他見舞金も含まれている。
中国で広まりつつある海葬。
しかしやはりお墓がないと寂しいという人たちに向けたサービスも始まった。
インターネット上のお墓参りである。
利用者は事前に購入したポイントで花を買ってお供えをすることができる。
故人が好きだった食べ物や趣味の車もお供えできる。
さらに自分の代わりにお墓参りをする人までも。
サービス開始から10か月ですでに20万人が利用している。
年間300円程度の料金で維持できることもあり今後利用者の増加が見込まれている。

日本 韓国 中国。
昔も今も亡くなった人をしのぶ気持ちに変わりはないがお墓や葬儀の形は様変わりしつつある。




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