9月21日 おはよう日本
3軒の農家でしか生産していないというお茶。
“山茶(やまちゃ)”と呼ばれている。
渋みが少なく甘い香りのお茶である。
「やさしい感じがしますね。
まろやかと言うのか。」
「お茶の甘みがします。」
徳島県三好市
標高400メートルの山あい。
地形から「ソラ」と呼ばれる地域である。
山茶は他には出回らず
この地で飲まれてきた。
代々 山茶の木を受け継いできたという農家の中山博司さん(73)。
「そうじゃ お茶なかったらなあ。」
(妻 かつ子さん)
「はぁって言って一日の始まり。」
山茶の木はソラの地域でも特に傾斜のきついところにある。
その斜面に自生していた木だと
中山さんは祖父から聞いていた。
山茶の木は根っこを地中深くに張っている。
そのため他の作物が枯れてしまうような場所でも葉を茂らすことができるという。
機械を入れることもできない急斜面。
中山さんは手作業で山茶の木を手入れしてきた。
(中山博司さん)
「子どもから孫
みんなほしいと言うので
みんな持って帰って 飲んでな。」
一家で馴染んできた味。
自ら手摘みして製茶した山茶。
(中山博司さん)
「お茶が無かったら今までおれんわなあ。」
この山茶を特産品にしようと市役所が乗り出している。
農業振興課では観光協会などとともに特産品を売り出すプロジェクトを設けている。
プロジェクトの中心メンバー福田喬也さん。
山茶の希少価値に着目し
2年前インターネットの通信販売を始めた。
(三好ブランド構築委員j会 事務局 福田喬也さん)
「地元の人は日常でお茶を飲んでいるから
これが普通だと思っているんですよ。
ただ外から来た人にはそれはやっぱりおいしい。
魅力が日常的に埋まっているので
それを発信していくのが重要と思う。」
山茶はすぐに売り切れる人気商品に。
福田さんは山茶の育つ山の美しさに惹かれ
写真を撮りに通い続けている。
インターネットでも山茶の好調な売れ行きに山茶の地元も動いた。
山茶カフェ。
地域の住民と山茶の木を持っている農家が協力してお店を作ったのである。
ターゲットは町で暮らす若ものである。
主催するのは地域おこしの取り組み集落支援員 柏木茂さん。
感じているのは山茶が高齢化の地域を変えていく可能性である。
(集落支援員 柏木茂さん)
「今は山茶がだいぶ目立ってきていますよね。
来ていただいて
このロケーションを気に入っていただいて
住んでみようやっていうことになったらすてきじゃないですか。」
山茶の1年の生産量は
3軒の農家で140キロ程度とたいへん少ないが
お茶の木が育つ場所によって味や香りが少しずつ違うそうである。
山茶カフェは不定期の開催であるが
ゆくゆくは定期的に開催していきたいと考えているということである。