9月28日 おはよう日本
8月に名古屋市で開かれたあるイベント。
ここで北九州市をめぐるこんなやりとりが・・・。
「北九州市ってご存知ですか?
聞いたことあります?」
「聞いたことは・・・。」
「何県にあるかご存知ですか?」
「九州。」
「福岡県。
博多って知ってます?」
「博多はわかります。」
「新幹線で博多のひとつ手前の小倉で降りると北九州市です。」
北九州市観光課の井上純子さん。
2年にわたって北九州市の観光をPRしてきたが
その間
きびしい現状を目の当たりにしてきた。
(北九州市観光課 井上純子さん)
「北九州と言葉だけ聞いて足を止めてくれる人は現実として少ないと感じている。
まず気づいてもらう
立ち止まってもらうきっかけに。」
世界遺産に登録された官営八幡製鐵所の関連施設。
国際貿易港として栄え
バナナのたたき売り発祥の地の門司港。
国内うう数のカルスト台地の平尾台。
北九州市には魅力的な観光資源があるが
そのほとんどは知られていない。
観光地北九州市を知ってもらいたい。
そこで始めたのがコスプレである。
門司港をPRするキャラクター「バナナ姫ルナ」として
自ら先頭に立つことにしたのである。
バナナの髪飾りや
腰まである金髪のかつら。
これらは井上さんの手づくりである。
コスプレが趣味の井上さん。
アニメやマンガなど
サブカルチャーでの賑わいづくりを目指す北九州市の業務として
コスプレすることになった。
バナナ姫のイラストを印刷した専用の名刺も準備。
名古屋市で開かれる世界的なコスプレイベントに集まる人たちに
北九州市をアピールしようと考えた。
(北九州市観光課 井上純子さん)
「たくさんの方の目に触れる大きなチャンスになる。
しっかりPRできたらと思っている。」
そして名古屋へ。
空港に降り立った井上さん。
バスに乗り換えるまでのわずかな時間も無駄にしない。
「かわいいですね。
髪の毛についているバナナが。」
「北九州市?
へぇー すげーな。」
空港利用者が足を止めて声をかけてくる。
これまでに経験したことのない手ごたえである。
「いいです いいです。
めっちゃかわいいです。」
「バナナちゃん また!」
(北九州市観光課 井上純子さん)
「コスプレしたかいがありました。
うれしいですね。
普通だと素通りですね みなさん。」
好感触に期待を膨らませながらイベント会場に向かう。
名古屋市の中心部。
この日は国内外から集まったコスプレーヤーであふれていた。
北九州市で11月に開かれるポップカルチャーのイベントに来てもらおうと
名刺を配りながら積極的に呼び掛ける。
「11月5日6日に北九州市でポップカルチャーフェスティバルが開催されます。
ぜひお越しください。
よろしくお願いします。
お待ちしてます。」
「めっちゃかわいいじゃないですか。」
「バナナ食べたーい。」
「写真撮ってもいいですか。」
ここでも手ごたえあり。
(北九州市観光課 井上純子さん)
「バナナがついているという珍しさで
声かけてもらったり写真を撮ってもらったりした。
イベントを通して北九州市を知ってもらって
どんどん遊びに来てほしいと思っています。」
公務員として
そしてコスプレーヤーとして
北九州市に観光客を1人でも多く呼び込むために
井上さんの奮闘は始まったばかりである。
バナナ姫ルナさんは
サブカルチャーの街 東京秋葉原にもすでに出張していて
11月下旬にはスカイツリーで行う北九州市のPRイベントに参加するそうである。