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ポーランド剣士 “武道の精神”

2016-10-18 07:15:00 | 報道/ニュース

9月29日 キャッチ!


はかま姿で刀さばきを稽古する人たち。
日本の武道 居合道である。
さらに弓道
オリンピックのメダリストが出ている柔道は子どもたちにも人気である。
そして剣道。
最初に伝えられたのは40年余り前だが
経済成長が続くなかこの10年ほどで愛好者が増え
約800人になった。
ポーランドでは日本文化への関心の高まりを受け
いろいろな武道が行われるようになっている。
ワルシャワ市内で行われた剣道教室。
初心者から有段者までレベルは違うが
剣道を好きな気持ちは一緒である。
(参加者)
「医師なのでストレスがたまります。
 ですから剣道は体にも精神的にも良いです。」
「日本の武道を練習できてうれしいですし
 我が国の騎士との共通点を感じます。」
指導者の1人 エンジニアのクシストフ・ボサックさん(34)。
週に4,5回は剣道クラブに参加している。
教室では剣道の技術を高めることはもちろん
“礼に始まり礼に終わる”という武道の基本精神を大切にしている。
ボサックさんが剣道を始めたのは14年前の大学生の時である。
一般には知られていない剣道をやってみないかと日本語の先生に誘われ
たちまち夢中になった。
(クシストフ・ボサックさん)
「当時は防具を買える店もなかったので
 日本の剣道連盟が送ってくれました。」
その後熱心に稽古を続けたボサックさん。
4段となり
現在はポーランドの代表チームのメンバーである。
今年4月に行われたヨーロッパ選手権で
個人で3位
団体では過去最高の2位になった。
(クシストフ・ボサックさん)
「剣道では試合の成績はそれほど重要ではないのです。
 精進する過程が重要なんです。」
去年5月
ボサックさんにとって忘れられない大会があった。
東京で開かれた剣道の世界選手権である。
出場は初めて
しかも長い間憧れだった武道館で
日本や韓国の強豪選手たちと対戦し
敢闘賞を受賞した。
(クシストフ・ボサックさん)
「武道館で他の選手たちと試合をしたのは
 私にとって本当に素晴らしい体験でした。」
再来年に行われる世界選手権では 
団体戦で初の予選突破を目指している。
9月にボサックさんはポーランド西部の町ヴロツワフにいた。
心待ちにしていた剣道の催しへの参加が目的である。
地元の文化交流団体の招きで
日本から剣道の先生たちが指導に訪れたのである。
ポーランドで剣道の最高位である範士に教えてもらえる機会はめったにない。
少しでも新しいことを身につけたいと耳を傾けるボサックさん。
思い切って質問をした。
「出鼻技のとき左肘の位置はどこですか。」
「左手は上がってはダメ。
 中心にある。」
(範士 山城宏惟さん)
「剣道を楽しんでいる人たちが一生懸命にやっている。
 これがうれしい。
 剣道を広めよう
 みんなを上手にしようというのに燃えている。」
(クシストフ・ボサックさん)
「範士の指導を受けられて光栄ですし
 我が国の剣道も向上します。」
ポーランドには今日も練習に励む剣士たちの掛け声が響き渡っている。



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