10月4日 首都圏ニュース
東京台東区の中学校3年生のクラス。
授業後の学級活動の時間に1冊の詩集を活用している。
“少年少女に希望を届ける詩集”
8月に出版された。
おさめられている詩の多くは学校での経験をもとに綴られている。
かつていじめられていた女性が書いた詩。
苦しさから心の殻に閉じこもっていたこの女性は
ある日ふとしたきっかけで笑顔を取り戻す。
(不思議なところ 荒木せい子)
まみ子さんがそばに来て話しかけてきた
喜びの瞬間殻から顔を出すと
私達は仲良し3人グループになった
詩集を企画した曽我貢誠さん。
中学校の教師を3年前に退職した。
かつて不登校の生徒とのコミュニケーションに悩んでいた曽我さん。
宮沢健司の詩を生徒の家に届けたことがきっかけで
心を通わせることができた。
同じように悩みを抱える子どもたちを支えたい。
そう考え詩を寄せてほしいと雑誌で呼びかけたのである。
(元中学校教師 曽我貢誠さん)
「悩んでいる子どもたちの心の栄養になればいいなと思う。」
曽我さんがぜひ詩を描いてほしいと頼んだ男性がいる。
保久学さんはかつて曽我さんのクラスで不登校だった生徒である。
保久さんは小学校のころのイジメがきっかけで不登校になり部屋から出られなくなった。
(保久学さん)
「一日中死にたい死にたいとずっと頭の中で考えているので
本当に地獄というか。」
そんな保久さんをかろうじて支えていたのが
曽我さんが届けてくれる詩や励ましの文章だった。
(保久学さん)
「曽我さんと交換日記みたいなことを始めた。
僕と学校との点と点をつなぐ線だった。」
その後専門学校を卒業し
情報通信系の会社で働いている保久さん。
曽我さんからの呼び掛けに1編の詩を寄せた。
イジメに遭っている君に言いたい
若い君には想像できないだろうが
未来に楽しい自分がいるといい聞かそう
自分の身方をしてくれる人は必ずいる
自分を好きと言ってくれる人が必ずいる
自分を頼りにしてくれる人が必ずいる
生きていれば絶対いいことが待っている
今になって言えるが実際僕がそうだった
この詩集を学級活動の時間に活用している今泉友佑先生。
「(消えない火)
何をなしたかよりも、
何をなそうとしたか・・・。
私の胸にもそうだ、
決して消えないそんな火がある。」
受験を控えた多感な時期
生徒たちを励ます詩を選んで朗読している。
(今泉友佑先生)
「大人の体験談や教員の体験談は子どもは食い入るように聞いてくれる。
いろんな面からのメッセージが込められた詩なので
いろんな子どもたち
生徒へのメッセージになると思う。」
人生の先輩たちの経験が集められた詩集。
子どもたちを支える助けになればと期待されている。