9月30日 おはよう日本
名古屋市の動物園でイケメンゴリラとして人気が急上昇した西ローランドゴリラのシャバーニ。
入園者の減少に悩んでいた動物園は
去年 入園者が前の年より大幅に増えて19年ぶりに250万人を超えた。
しかしブームがいつまで続くかわからない。
そこで動物園では“第2のイケメン”を探そうという取り組みが始まっている。
シャバーニを見に動物園には連日 全国各地からファンが訪れている。
人気のきっかけを作ったのは動物園で広報を担当している石川恭之さんである。
去年ツイッターにシャバーニの写真を載せたところ
“イケメンだ”と話題を呼び
一気に人気が高まった。
(東山動物園 石川恭之さん)
「シャバーニがお客様目線で魅力的だと認めてもらった。
それで話題が広がった。」
しかしそのシャバーニもそろそろお疲れの様子。
シャバーニに頼ってばかりはいられないと
石川さんは次なる“イケメン”動物の発掘に乗り出した。
毎日カメラを手に園内をまわり
動物が見せる一瞬の表情をツイッターで発信している。
(東山動物園 石川恭之さん)
「魅力をお客さんに伝えきれていないだけで
第2第3のシャバーニの可能性のある子はたくさんいるのではないかと思う。」
石川さんが目をつけたのがカバ。
しかし日中はほとんど動かない。
動物の普段見られない姿を見てもらおうと
期間限定で行われた「ナイトズー」。
ここで意外な反応があった。
オスのカバ ジュウキチ。
紫外線に弱いため日中は池の中にいてほとんど姿は見えないが
夜間に屋外を歩いたりエサを食べたりと活発に動く姿を見せ
大勢の人をひきつけた。
「こんなに動いているとは思わなかった。」
「いつも見られないからいいなと思った。」
(東山動物園 石川恭之さん)
「夜の中での迫力がすごいので
瞬間的なお客さんの集まり具合ではゴリラに匹敵すると思うことがある。
イケメンかどうかはカバは判定しづらい。」
ツイッターで写真を発信することで人気の動物を増やそうという石川さん。
しかしその目的はたんなる人気集めではない強い思いがある。
現在 東山動物園にいる約500種類の動物のうち
100余が絶滅危惧種に指定されている。
石川さんは動物たちを取り巻く状況を知ってもらい
命や環境について考えるきっかけを提供したいと考えている。
(東山動物園 石川恭之さん)
「興味を持つと動物のバックグラウンドを知りたいと思ってもらえる。
より環境教育というか
動物の置かれた状況を保全しようという方につながると思う。
そうなったら願ったりだ。」
大勢の人を動物園に呼び込み続けるため
広報マンの“イケメン”探しは続く。
動物園の入園者数をどう増やすかは全国各地で課題となっていて
なかには閉園に追い込まれる園もある。
東山動物園も例外ではなく
現在 隣接する植物園を合わせた年間予算は3分の2は税金で賄われているため
入園者数は減らすわけにはいかないのが実情である。
東山動物園では動物たちへのエサやりの様子を公開するなど
入園者に見てもらうための工夫を続けたいとしている。