9月29日 おはよう日本
好きな場所で決まった時間に流れ星を見たい。
そんな夢のような構想を実現させようとしているのが
岡島礼奈さん(37)。
東京で人工流れ星を開発するベンチャー企業の代表を務めている。
8月上旬 鳥取県立博物館で開かれた講演会で
人工流れ星を使った壮大なビジョンを語った。
「半径100キロの人たち
200キロ圏内の人たちに
みんなに楽しんでもらえるようなプロジェクトにしたい。」
プロジェクトの構想は
小型の人工衛星から流れ星のもととなる粒を放出。
大気圏に突入させて発光させる。
天然の流れ星と同じプロセスを人工的に再現することで
決まった時間に好きな場所で流れ星を発生させようというのである。
エンターテインメントという新たなジャンルを切り開いたと
海外から高い評価を受けている。
(岡島礼奈さん)
「平和の楽しみだけのために
科学技術を凝縮して
流れ星を作り出すというのが日本っぽい。
我々は平和にしか使わないよというメッセージとともに
やはり日本っぽいと思う。」
幼いころから星空を見ることが大好きだったと言う岡島さん。
流れ星を作りたいと思ったのは大学生の時
鳥取砂丘で流星群を見たことがきっかけだった。
(岡島礼奈さん)
「砂に寝転がって友達と見ていて
まだかなみたいな。
あ いま流れたみたいなことを言っていたのがすごく楽しくて
自分たちの手で作れたらいいなと思って。」
30歳で会社を起ち上げた岡島さん。
アルバイトをしながら大学と共同で人工流れ星の開発を進めてきた。
まず取りかかったのは流れ星のもととなる粒の開発である。
天然の流れ星が
どんな物質で
なぜ明るく光るのか。
詳しいことはわかっていない。
岡島さんたちは様々な物質で実験を繰り返し
6年かけて粒を開発した。
(岡島礼奈さん)
「一気にシャワーみたいに流れるのを再現しようとしている。
1個ずつちょろちょろではなくて
一気に来るのをやりたい。」
流れ星の粒を開発したことで個人や企業からの投資が増え
一昨年ついに事業化にかじを切った。
現在取り組んでいるのは
流れ星の粒を放出する装置や小型の人工衛星の開発である。
プロジェクトに協力してくれるロケットが見つかれば
2年後には実用化できると言う。
(岡島礼奈さん)
「私たちの開発する流れ星は
宇宙開発の中でも唯一肉眼で楽しめるもの。
一般の人たち
隅々まで
空を見ることができる人は見えるという
身近なものになることが魅力。
肉眼でみんなに見えるというのはこだわりたい。」
岡島さんは大学で天文学を専攻し
その知識と経験が今回のプロジェクトに生かされているそうである。
様々なイベントと連動して盛り上げに一役買いたいと考えていて
4年後の東京オリンピックを見据えているそうである。