日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

「琵琶湖モデル」をベトナムへ

2018-08-11 08:00:00 | 報道/ニュース

7月21日 おはよう日本


風光明媚な世界遺産
ベトナムのハロン湾。
大小さまざまな岩が織りなす風景が魅力で
大勢の観光客が訪れる。
一見きれいに見える水辺も近づいて見ると・・・。
観光客の増加や生活排水による水質汚染が深刻化。
ユネスコは世界遺産登録の取り消しを警告することになっている。
湾に浮かぶ島の1つ カットバ島でホテルを経営しているファム・チュオンさん。
生まれ育った島で環境悪化が進む現状に危機感を抱いている。
(ファム・チュオンさん)
「環境への意識が低いので
 ペットボトルやビンが捨てられています。」
現状を変えようとチュオンさんが取り入れたのが
住民自らが環境の改善に取り組んだ「琵琶湖モデル」だった。
「琵琶湖モデル」が生まれたきっかけは約40年前。
高度成長の陰で琵琶湖の水質が悪化し
赤潮が発生したことだった。
そこで住民たちは水質悪化の原因になったリンを含む合成洗剤の使用をやめようと
「石けん運動」を展開した。
すると住民運動に背中を押された滋賀県は
リンの排水規制の条例を制定。
企業はさらに厳しい規制を自らに課し
琵琶湖の水質を守る運動の輪が地域社会全体に広がった。
その結果
汚染が特に進んでいた湖の南側ではリンの濃度が半分に減ったのである。
「琵琶湖モデル」をベトナムに根付かせるにはどうすればよいのか。
チュオンさんはまず
生活排水や工業排水が汚染の原因になっていることを地元の人たちに知ってもらう必要があると考えた。
そこで滋賀県の職員や日本の研究者の協力を得て
水質を測る方法を学ぶ勉強会を開いた。
その結果これまで水質の改善を行政任せにして気が住民が
自分たちの問題としてとらえるようになったのである。
(ファム・チュオンさん)
「環境の悪化が私たちの発展を妨げることに気づいたんです。」
さらにチュオンさんは環境保護の意識を地域全体に広げ具体的な行動に結びつけようと
「グリーン・カットバ」という組織を起ち上げた。
この日集まったのは約500人。
環境に携わる住民のほか
地元の生徒たち
さらには軍隊まで。
自分たちでできることから始めようと
まずは湾の清掃を行った。
(ファム・チュオンさん)
「活動のメッセージは“手を携えともに美しい島をつくろう”です。
 清掃は小さな行動にすぎませんが
 とても大きな意味があるのです。」
(参加した生徒)
「この活動にとても意義があると気づきました。
 環境の大切さを多くの人に伝えていきたいです。」
学生の反応に手ごたえを感じたチュオンさん。
今後「琵琶湖モデル」を定着させ
かつての美しい景色を取り戻したいと考えている。
(ファム・チュオンさん)
「今後は行政 企業 住民の連携
 そして日本の支援を通じて
 カットバ島の環境がますますよくなっていくと信じています。」






コメント