7月25日 キャッチ!ワールドEYES
フランスは世界中に海外県や海外領土を持ち
排他的経済水域はアメリカに次いで世界第2位の面積を誇る。
太平洋周辺にはニューカレドニアやフランス領ポリネシアなどがあり
軍事的にも重要な拠点となっている。
近年そのフランスは
艦船の派遣や各国との軍事的協力関係を強めるなど
南シナ海を念頭に置いた動きを活発化させている。
7月14日パリで開かれた日仏外相会談。
4年前から定期的に外務・防衛の閣僚協議を続けてきた両国。
今回 海洋の安全保障分野での協力を進めるため
官民合同のセミナーを実施するなど
新たな対話の枠組みを設けることで一致した。
前日には
自衛隊とフランス軍が
食料や弾薬などの物品や輸送などの役務を相互に提供できる協定に署名。
関係の強化を進めている。
(日本 河野外相)
「法の支配に基づいた自由で開かれた海洋は
日仏両国だけでなく
国際社会の平和と繁栄の礎だという考え
価値観で合意している。
日本とフランスが国際社会の平和と安全のため協力していくことができるのではないか。」
フランスが日本と連携を深める背景にあるのが
中国と周辺国との間で領有権をめぐる争いのある南シナ海である。
フランス政府が6月に発表した「インド太平洋の防衛戦略」。
この中で南シナ海について
中国が行っている大規模な埋め立てや軍事拠点化が緊張を高めていると指摘。
“地球規模に影響が広がりかねない”と懸念を示している。
6月シンガポールでのアジア安全保障会議に出席したフランスのパルリ国防相。
名指しこそ避けたものの
中国による一方的な実効支配は認められない考えを示した。
(フランス パルリ国防相)
「南シナ海で既成事実を重ねても容認することはありません。」
中国側は
南シナ海の島々と周辺海域は中国の領土だと繰り返し主張。
自らの領土に軍隊や武器を展開するのは主権の範囲内だと反発している。
こうしたなかフランス軍が行っているのが南シナ海での航行作戦である。
4年前から年間最大で10回程度実施。
今年はフリゲート艦など2隻を派遣した。
(フランス パルリ国防相)
「相手が自らの領海だとして立ち去るよう警告しても
我々は国際法上の公海であるから高校を続けると
落ち着いて返答します。」
日本との関係を強化するフランスは
中国の海洋進出への懸念を共有するほかの国々との連携も強めている。
去年5月には太平洋の北マリワナ諸島などで日英米とともに初めて4か国合同訓練を実施。
訓練に参加したアメリカとイギリスは
フランスと同じく南シナ海で艦船による航行を行なっている国である。
合同訓練は「航行の自由」をめぐり
4か国が一致して中国をけん制する狙いもあった。
専門家は
フランスにとって南シナ海を含むインド太平洋地域は
海上交通路として戦略的にも経済的にもこれまで以上に重要な地域になっていると指摘する。
(国際関係戦略研究緒 エドワール・フリムラン氏)
「艦隊の派遣は
この地域が国際貿易の半分を占める重要性を明確にし
必要ならば防衛も出来る
フランスの影響力も誇示できます。」