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断水解消 早くふだんの夏に

2018-08-17 07:00:00 | 編集手帳

7月25日 編集手帳 

 

 元中学教諭で長く短歌にいそしまれた方らしい。
大阪府枚方市にお住まいの加島のぶさんから、
自費出版の随筆集を送っていただいた。

そこから加島さんの作品を引く。
<吾が歌う子守歌にて眠りゆくこの児の二十歳をやっぱりみたい>。
孫が生まれたときに詠んだ歌という。
新しい命に出会った感激はもちろんとして、
それと交錯するように老境にさしかかる身にふとよぎる余命…
多くの方が経験する心境だろう。

高齢者世帯が多いとも聞いていたので、
災害の爪痕が消えないなかにも少しホッとする。
西日本豪雨の被災地、
岡山県倉敷市真備町で断水が解消されたという。

2週間以上もたって、
ようやく8900戸の家々に水道水がいきわたった。
台所にまだ泥が残り、
災害ごみが片付かないにしても、
水道の復旧なしに生活の再建は始まらない。
この報に接したとき、
加島さんの歌を思い浮かべた。
<孫が来る好物のカレー馳走(ちそう)せん
 ワンランク上の肉たっぷりで>

子供たちは夏休みに入った。
帰省の増える時節に、
例年通りならば、
祖父母の家の台所は大活躍だったろう。
ふだんの夏に早くもどれることを。


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