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“日本一貧乏な観光列車” 北海道のんびり旅

2018-08-26 08:00:00 | 報道/ニュース

7月30日 おはよう日本


北海道南部の海沿いを走る “ながまれ海峡号”。
“ながまれ”とは地元のことばで
「のんびり ゆっくり」という意味である。
この列車はファンの間では“日本一貧乏な観光列車”とも呼ばれている。
月2回の運行前に必ず行う作業がある。
社員が手作業で
普通列車を観光列車に変身させるのである。
車内には大漁旗。
買ってきたぬいぐるみも飾られる。
全国で人気を集める観光列車。
中でもJR東日本の「シキシマ」は総工費100億円をかけた豪華寝台列車である。
超高級ホテル並みの設備で乗客をもてなす。
一方 ながまれ海峡号の改造費は約1千万円である。
それにもかかわらず去年
“鉄道旅行のグランプリ”に選ばれた。
ながまれ海峡号が走るのは
2年前北海道新幹線の開業に伴いJRが経営を切り離した路線である。
函館駅から海沿い約40kmを4時間かけて往復する。
開業から10年で23億円の赤字が見込まれるなど
経営を引き継いだ第3セクターは観光列車に活路を見い出した。
(道南いさりび鉄道)
「観光で客を呼ばないとこの路線はもたない。
 “いっちょうやってみようか”と。
 客がググっとくるような魅力ある旅行を提供していきたい。」
これといった有名な観光地がない沿線で旅をどう演出するか。
協力を求めたのが地域の人たちだった。
パン屋経営者は
米粉と餡で作った伝統の和菓子「べこもち」を
観光列車の運行日に合わせて2時間かけて作る。
(上磯駅前商店街 パン屋経営)
「商売にしようと思ったら採算が全然合わないけど
 観光客のおもてなしでやっています。」
列車の到着に合わせてホームに立ち
昔ながらの立ち売りで乗客を歓迎する。
ローカル線ならではの触れ合いを
地域が一体となって作り上げている。
お金がないなら知恵と工夫で勝負する。
ながまれ海峡号が“日本一貧乏な観光列車”と呼ばれる所以である。
ツアーの後半
駅で乗客を待っていたのはバーベキュー。
焼いているのは地元のボランティアの人たちである。
この日のメニューは地元でとれたホッキ貝とツブ貝。
アツアツの焼きたてを提供する。
出発から約4時間。
車窓から見えるのはイカ釣り船の漁火である。
旅はこの夜景で締めくくりとなる。
(乗客)
「地元を盛り上げている熱意が伝わってきて感動した。」
「本当にすごく感激した。
 貧乏の裏返しは
 あたたかい感じと思った。」
日本一貧乏な観光列車 ながまれ海峡号。
沿線の人たちがもてなす観光列車には
地域の足を守るヒントがありそうである。

 

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