7月25日 国際報道2018
国連が定めた目標 SDGs。
2015年9月の国連総会ですべての加盟国の全会一致で採択された
“持続可能な開発目標”。
Sustainable
Debelopment
Goals
頭文字を取ったもので
2030年までに貧困や格差をなくすための努力を全ての加盟国に求めるものである。
国連は
依然として世界の総人口の半数以上にあたる40億人が
最低レベルの生活環境に置かれているとして
SDGsを定め
各国に取り組みを求めているがまだ課題は山積している。
そこで期待を寄せられているのがテクノロジーである。
SDGsでは具体的に17の目標が建てられている。
たとえば
・ 貧困をなくそう
・質の高い教育をみんなに
といったものがある。
こうした目標では“持続可能な Sustainable”という言葉がポイントである。
現地の人たちが自らの手で問題を解決し続けられること。
そして国連はそれを手助けするということである。
その切り札として国連は“テクノロジー”の活用に乗り出している。
たとえばアプリ。
東アフリカのタンザニアでは
生産者が作物の写真を投稿し
買い手がそれを見て直接購入できるというアプリを導入。
所得向上につながっている。
そして今注目されているのがドローン。
ドローンは空から撮影したり物を運んだりすることができる。
たとえばアフリカで活動している京都大学大学院の研究チームは
広大な土地をドローンで撮影することで
それぞれの土地にどんな作物が適しているか
分析するデータを集めている。
アフリカ南部にあるマラウイ。
日本の3分の1ほどの面積に約1,900万人が暮らしている。
去年の国民1人あたりのGDP国民総生産は300ドル余。
世界でもっとも貧しい国の1つである。
このマラウイで深刻な問題となっているのが感染症のマラリアである。
この国では毎年5愛以下の子どもの3人に1人がマラリアに感染し
大人を含めると
推計で1年間に7,000人が亡くなっている。
(医師)
「この地区の小児科では死因で最も多いのはマラリアです。
一番必要なのはマラリアを防ぐことです。」
マラリアは水辺で繁殖する「ハマダラカと」いうかが媒介する。
しかしこの地域では
蚊の幼虫がどの池にどのくらいいるのかなど詳しいデータがない。
そのため蚊を効率的に駆除できないのである。
そこでドローンを使って調査にのり出したのが
ユニセフ国連児童基金とイギリスの大学の研究者たちである。
国連はSDGsを達成するため
世界各地でプロジェクトを起ち上げている。
池の上にドローンを飛ばし
上空から植物の分布状況を撮影。
ハマダラカの幼虫が好む植物がどこにあるのかを突き止める。
こうした情報を政府に提供し
その植物を取り除こうというのである。
(プロジェクト責任者)
「蚊の繁殖する場所を特定するのにドローンは有効です。
マラリアを根絶する活動で一役買うと思います。」
ドローンならそれほど費用もかからず
手軽に上空の画像を撮影することができる。
練習すれば誰でも操作できるので
SDGsを目標とする
地元の人による持続可能な取り組みを進めることができる。
プロジェクトに参加している地元の大学を卒業したカロンデさん(22)。
ユニセフのインターンとして学んでいる。
子どものとき何度もマラリアにかかり
6歳のときには父親をマラリアで亡くした。
(カロンデさん)
「ドローンを使って実際にマラリア対策に取り組む仕事はやりがいがあります。」
カロンデさんをはじめ多くの若者が
ドローンを使ったデータの収集や分析方法について学んでいる。
マラリアの根絶に向けたSDGsの取り組みに地元の期待が高まっている。
(カロンデさん)
「この技術は現代社会が直面する課題を解決する。
わたしたちもSDGsに貢献し
誰も置き去りにしてはいけない。
私は国のために頑張りたい。」