4月8日 国際報道2018
去年10月に開港したイスタンブールの新空港。
これまで使われていた空港からの大掛かりな引っ越しが完了し
本格的な運用が始まった。
将来さらなる拡張も計画され
世界最大規模の空港になる見通しである。
いま世界各国では大都市にある空港を国際ハブ空港として強化しようという
熾烈な国際競争が繰り広げられている。
世界的に高まっている航空の需要を取り込むことで
その都市
あるいは国全体の経済成長に生かすのが狙いである。
トルコが今2028年の全面的完成を目指して建設を進めているのが
年間2億人の受け入れが可能な世界最大規模の国際空港
イスタンブール空港である。
世界の空港の国際線利用者数(2018)のランキング
1 ドバイ(アラブ首長国連邦) 8,800万人
2 ロンドン(イギリス) 7,500万人
3 香港(中国) 7,400万人
4 アムステルダム(オランダ) 7,000万人
5 インチョン(韓国) 6,700万人
10 イスタンブール(トルコ) 4,800万人
イスタンブールは中東ではドバイに大きく水をあけられている。
ただイスタンブールは大きな強みがある。
地の利である。
ヨーロッパとアジアを結ぶ位置にあり
昔から「東西の十字路」と呼ばれてきた。
イスタンブールからの航空便は
3時間のフライトで41の国々に行ける。
5時間のフライトで66か国。
その国を代表する航空会社 フラッグキャリアのトルコ航空は
120以上の国や地域に就航していて世界最多である。
4月5日 トルコ最大の都市イスタンブールで空前の引っ越し作業が行われた。
60年以上にわたってイスタンブールの空の玄関口となってきたアタチュルク国際空港。
旅客数が急増し手狭になり
さらなる取り込みを図ろうと新しい空港に移ることになったのである。
移転先はイスタンブールの中心部から北西へ40キロ
黒海に近い広大な敷地に建設されたイスタンブール空港である。
メインターミナルは東京ドームが30個入る広さで
国際線も国内線もここから出発できる。
トルコのフラッグキャリア トルコ航空の便が6日午後すべて新空港に移ってきた。
チェックインカウンターの前では乗客が列を作っている。
(利用客)
「ものすごい大きさでまるで町みたいだ。」
「本当に素晴らしい。
とても快適に作られています。」
7日すべての航空会社がこの新空港から発着を開始した。
総面積 7.650ヘクタール。
総建設費は1兆3,000億円にのぼる。
当面は2本の滑走路で運用され
最大で年間9,000万人が利用できる。
さらに今後 段階的に拡張され
2028年までに滑走路を6本に増設。
年間2億人の利用が可能な世界最大規模の空港として整備される計画である。
(トルコ トゥルハン運輸インフラ相)
「世界ナンバーワンの空港はイスタンブール空港だと確信している。
2億人の受け入れ能力があれば新空港はさらに発展し
競争相手より優位に立つ。」
空港の建設はエルドアン大統領肝いりの国家プロジェクトとして4年前に始まった。
そして今エルドアン政権は新空港により一層期待を背景にはトルコ経済の低迷がある。
去年8月アメリカとの対立が引き金となり
通貨リラが急落。
市民の暮らしは厳しさを増している。
3月に行われた統一地方選挙ではエルドアン大統領率いる与党が首都アンカラの市長選で敗北。
経済の地名で政権への批判の声も高まっている。
(トルコ エルドアン大統領)
「経済を改革し“偉大で強いトルコ”という目標に向かい妥協せず進む。」
エルドアン政権が逆風にさらされる中
本格的な運用が始まった新空港。
トルコ政府は20万人前後の雇用につながるとしている。
100を超える航空会社が就航し
世界300か所以上と結ばれるイスタンブール。
旅客だけでなくヨーロッパやアジアの物流の拠点にもなるとアピールしている。
(トルコ トゥルハン運輸インフラ相)
「航空部門は経済発展の牽引要素であり
国の豊かさの重要な指標の1つだ。」
本格的な運用が始まったイスタンブール空港。
世界一になるという壮大に夢とともに
トルコ経済を再び離陸させる役割も背負っている。