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“軍民融合”の促進を アメリカ軍の試み

2019-05-12 07:00:00 | 報道/ニュース

4月18日 キャッチ!世界のトップニュース


アメリカのトランプ政権は世界最強の軍隊を維持するため自国の軍需産業の再生を掲げている。
アメリカ国防総省は元来Lockheedo MartinやBOEING
それにNORTUROP GRUMMANといった大企業と強い協力関係があるが
その一方で近年 活発に行っているのが
ITやAI人工知能を開発するいわゆるハイテクのスタ-トアップ企業に対する支援である。
そのうらにはIT関連の民間企業が生み出すハイテク技術を必要とするアメリカ軍の事情もあるようだ。

アメリカのハイテク企業が集まるシリコンバレー。
ここにアメリカ国防総省4年前に設置した部署がある。
DIU(国防イノベーションユニット)である。
民間企業が開発する最先端技術を見出し軍事転用を図るのが最大の任務である。
トップにはサイバーセキュリティー企業の元CEOが着任し
軍と企業との協力関係の構築を目指している。
この部署が誕生した背景には中国の存在がある。
莫大な予算を投入して軍と企業が一体となって軍事技術の開発に邁進する中国。
“軍民融合”という戦略を掲げて
民間の最先端技術を軍事利用する仕組みが作られている。
DIUは中国に対抗し
アメリカ版の“軍民融合”を目指す試みなのである。
(国防総省DIU マイケル・ブラウン氏)
「アメリカは軍事技術で優位に保てるかわからないので
 最先端の民間技術は必要なのです。」
DIUが支援する会社が開発したのがワイヤレスマイクとイヤホンが一体となった製品である。
口の外ではなく口の中に装着するのが特徴である。
通常のヘットフォンマイクは口の外にあるため
ヘリコプターが飛行するような周囲の音がうるさい状況では他の兵士とのコミュニケーションが難しいのが課題だった。
しかし口の中に入れるこの製品であれば
どんな状況でもはっきりと会話が出来ると言う。
(ソニタス・テクノロジー社 ハドロビックCEO)
「頬が雑音を防ぐので
 これを装着すれば
 どんなに騒がしい環境でもささいた言葉を鮮明に伝えることができます。」
この製品の最大の特徴は
相手の声を聴くのに“骨伝導”という仕組みを活用している点である。
空気の振動を介して耳で音を聴く以外に骨の振動で音を聴く“骨伝導”。
歯に直接音を当てることで
歯から骨の振動によって音を聴くのである。
この会社はDIUから数百万ドルの支援を受けてこの製品を開発。
アメリカ軍の特殊部隊など一部の部隊が来年から利用を始める見通しである。
(ソニタス・テクノロジー社 ハドロビックCEO)
「軍で役立つ製品となれば
 軍以外の人にも優れた製品となります。
 つまり一般のマーケットに売り込む利点となるのです。」
DIUが出資しているAI人工知能の開発企業では無人機に搭載するAIの開発を進めている。
センサーで周囲の状況を把握し自ら障害物を避けながら飛行ができるAIである。
この企業ではDIUを通してアメリカ軍のための別のAIも開発中である。
装備のデータなどを迅速に処理し
修理や更新の時期など最善の判断を提示するのに使われている。
AIの軍事利用は今後さらに拡大するとみている。
(スパーク・コグニション社 フセインCEO )
「軍のAI利用には
 整備の効率から情報分析 自動運転まで
 無限の可能性があります。
 近い将来
 人類と機械の共存が現実となります。」
一方 DIUとの協力に消極的な企業も存在する。
大手IT企業グーグルは去年
従業員の抗議を受けて
AI事業「メイブン計画」からの撤退を決めた。
「メイブン計画」は
AIを使って米軍の無人機が撮影した画像データを大量に分析し
正しい標的かどうか即座に判断するものである。
グーグルはこの計画から撤退する一方で中国でAIの開発事業を進めていることから
国防総省内では反発が広がっている。
(国防長官代行)
「グーグルは中国には協力するのに我々には非協力的だ。」
(統合参謀本部議長)
「グーグルの中国での事業は中国軍の利益になっている。」
中国に対抗するためアメリカ企業との連携を目指しているDIU。
しかし民間企業との連携は決して容易ではないのが現状である。
(国防総省DIU マイケル・ブラウン氏)
「中国では軍民融合政策で民間技術がすべて軍事利用出来ると決まっています。
 アメリカでは従業員の抗議で技術を軍事利用できない場合があるのに
 中国ではそういう障害がない。
 我が国にとって厳しい状況です。」






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