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“月光桜”が被災地を照らす

2019-05-16 07:00:00 | 報道/ニュース

4月23日 おはよう日本


去年7月の西日本豪雨で大きな被害を受けた高知県西部の大月町。
丘の上に立つ一本立ちの桜の木。
高さ13m
樹齢は150~200年ほどの老齢のヤマザクラである。
純白の花びらを夜になると月のように輝かせることから
つけられた名前は“月光桜”。
巨木の桜を見るために多くの人たちが訪れる。
「この貴重な桜を一度 生で見たかったんです。」
毎年 春になると美しい花を咲かせる月光桜。
しかし今年はいつもと様子が違う。
月光桜がある土地を代々受け継いでいる濵﨑一洋さん。
桜に起こっているかすかな変化を見逃さなかった。
樹皮に生えている白い苔のようなもの。
栄養不足などで木が弱っているときに木の表面に多く現れる。
(濵﨑一洋さん)
「木が弱ってしまうというか
 花のつき具合も落ちてくる。」
去年7月の西日本豪雨。
高知県では土砂崩れや浸水などの被害が相次ぎ
大月町では2人が死亡した。
1時間に80ミリを超える猛烈な雨で
桜の木がたつ丘が崩れ土砂が流出。
土砂とともに土の中の養分も雨水に溶けて大量に流れだし
老齢の木を弱らせたのである。
桜を見守り続けている濵﨑さん。
実は町の教育長である。
月光桜の最大の見せ場は満開の桜を音楽で盛り上げる毎年恒例のイベント。
開催の日がせまるなか被災した桜が気になる。
(濵﨑一洋さん)
「イベントまでにどんな状況になるか
 桜の木が大丈夫かなとか
 周辺のがけ崩れが起きないかも心配。」
崩れた丘に今も残る傷跡。
桜の木を豪雨の前のように咲きほこらせるため
濵﨑さんは地域の人たちに協力を呼び掛けた。
その思いに地元の人たちも応じた。
木の周りの草刈りや肥料の散布。
桜を元気づける方法を春まで思考錯誤してきた。
4月6日イベント当日。
会場にはまだ明るいうちから多くの人の姿が。
被災した月光桜は濵﨑さんの取り組みのかいもあり
この日満開となっていた。
桜の下では地元の人たちが桜の開花を祝う音色を奏でる。
ゆっくりと日が暮れだしたころ
いよいよ桜の周りに灯りがともされる。
夜空に輝く月光桜。
豪雨被災地を明るく照らす。
「みんなの元気になりますよね。
 桜も頑張ってるから私たちも頑張ろうって。」
(濵﨑一洋さん)
「大月の花として木として
 一生懸命に作業することで花もきれいに多く咲いてくれるので
 私も守り続けていきたい。」




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