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令和に生きる テクノロジーと人類の未来

2019-05-24 07:00:00 | 報道/ニュース

5月7日 おはよう日本


今年1月に発表された芥川賞。
IT企業で働く上田岳弘さん(40)が書いた「ニムロッド」が受賞作の1つに選ばれた。
科学技術が急速に進歩する社会の中で人間はどう生きていけばいいのか。
小説を通して問いかけている。
(上田岳弘さん)
「テクノロジーの進歩は日増しに早まっている。
 テクノロジーが高まって全てが最大 最高の効率で回ったとして
 そこにたどり着いたときにどうなんだろうという素朴な疑問。
 令和の期間にいろんな人が実感する時代が訪れるのではないか。」
上田さんが書いた小説「ニムロッド」。
テクノロジーの進化と人類の未来を描いている。
ものがたりが進むにつれて舞台は究極の未来へ。
AIで全てが効率的に動く社会である。
人間の多くは自ら考えたり行動したりすることをあきらめ
人間としての個性を失っていく。
(上田岳弘さん)
「機械 AI的なものに奪われていくという言い方をされるが
 そっちへ任せた方がいいという領域が増えていく。
 人間以上に正しいことができる
 良い判断ができるものが生まれてきたときに
 (人間として)存在するかしないかというところが残されると思う。」
小説の中にはそんな社会を背景に
巨大な塔に暮らしながら自らの意思で行動し続けようとする人間が描かれている。
その人物の名は「ニムロッド」。
富や権力などに執着し続け人間臭さを捨てなかったからこそ
個性を失わずに存在し続けたのである。
あらゆるものを手にした彼が最後に心惹かれ集めたのが
欠陥だらけのだめな飛行機。
かつて人類が空を飛ぶことを夢見て作った失敗作の数々である。
カモメの羽をかたどった翼を持ち初飛行で墜落した飛行機
ロケットのようにジェット噴射して垂直に離陸しうまく飛べなかった飛行機など。
ニムロッドはなぜこのような失敗作に心惹かれたのか。
究極の未来では失敗や欠陥にこそ人間らしさを感じる
癒されるようになったからである。
(上田岳弘さん)
「完璧ではないものへの懐かしい気持ち
 やるせない
 憐憫とはまた違って哀惜の念。
 完成すること 最善形 最良の形が世の中に現れ出ることは終わりに近づいている。
 完成と終わりは似ているような気がしている。
 いろんな方向で完成形が見えてきてしまっている世の中。
 すごく切ないと思う。」
しかし最後ニムロッドはそんな飛行機すら集めきってしまい
こんな問いに直面する。。
僕はもう
何をしてよいかわからなくなった。
それでもまだ
人間でい続けることができるのかな。
(上田岳弘さん)
「“人間でい続けられるか”という問いは
 執着できるかどうかというところに行きつく。
 どういうのが人間なのか
 答え自体は今も分からないし昔も分からない。
 未来も分からないのかもしれない。
 人間として生き続けなければ
 存在し続けなければならない。
 そのためには執着が必要で
 何に執着できるのかという問いでもある。
 執着って難しいですよね。
 執着できますか?」



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