4月11日 国際報道2019
韓国では“建国はいつか”をめぐって論争が起きている。
臨時政府が発足した1919年にちなんで
ソウルでは11日の19時19分から政府の記念式典が開かれ1万人余が出席した。
(韓国 イ・ナギョン首相)
「100年前の今日 大韓民国臨時政府が中国で樹立
大韓民国はその時につくられた。」
1945年に終戦で日本による植民地支配が終わり
1948年 イ・スンマン氏が韓国の独立を宣言した。
国際的にはこれがいまの韓国建国と認識されている。
しかし韓国国内で革新系の人たちが違う主張をしている。
それは1919年建国説。
朝鮮半島出身の独立運動家たちが上海に韓国臨時政府を発足させたのを建国だというのである。
しかし臨時政府は領土を持たず国際的にも認知されなかった。
それでもムン大統領は“1919年建国説”で
中国にある臨時政府の庁舎を訪問するなどしてこの説を後押ししてきた。
(韓国 ムン大統領)
「われわれは1919年の臨時政府の樹立を韓国の建国だとみている。」
最近はソウル中心部に臨時政府の歴史を紹介する施設も設けられた。
しかし保守系の人たちを中心に
“1948年こそ建国の年だ”と話す。
(市民)
「イ・スンマン大統領が韓国政府を樹立した1948年が正しいでしょう。」
「建国は1948年だと把握している。」
領土を持たなかった1919年の臨時政府を国家とみなすのは無理があるという指摘が多いが
ムン政権のこだわりは相当なものである。
ムン政権としては
1919年の臨時政府の発足
1980年の民主化運動や
2016年のパク・クネ政権に対する市民集会など
市民運動を中心とした正当性を引き継ぐものだとアピールし
保守派を否定したいものだと思われる。
保守派を否定するということは
保守政権が過去に行った対日政策についても否定することにもつながりかねず
日本に対しても今後影響が出るものと思われる。