4月26日 おはよう日本
アニメーション映画「バースデー・ワンダーランド」。
主人公は自分に自信がない小学生の女の子。
誕生日の前の日に不思議な世界に入り込み
困難を乗り越えながら成長していくストーリーである。
監督は
国内外で高い評価を受け
去年 紫綬褒章も受賞した原恵一さんである。
(原恵一監督)
「こんなファンタジーなかったぞと。
それぐらいの自信はあります。」
この作品でキャラクタ-や物語の世界観のデザインなど重要な役割を任されたのが
ロシア出身のイリヤ・クブシノブさん(29)。
日本のアニメの制作現場で外国人がこのポジションを担うのは異例のことである。
(ロシア出身 イリヤ・クブシノブさん)
「本当に信じられなくて夢みたいで
びっくりした。」
イリヤさんは日本のアニメや漫画にあこがれて5年前に来日。
自ら描いたイラストをインスタグラムで発信している。
表情が魅力的なイリヤさんの作品。
ネット上で人気が広がりフォロワーは160万人を超えている。
原監督もイリヤさんの画集に目がとまったひとりだった。
映画の登場人物のイメージに合うと
イリヤさんに声をかけた。
(原恵一監督)
「イリヤの画集を見たときに感じたのは
清潔感がある。
女の子を書くのが好きな作家さんは
どこかでちょっと色気を誇張するというか
イリヤの絵にはそれを感じなかった。」
原監督が特に今回の映画で大切にしたのは主人公が入り込む不思議な世界の世界観である。
微妙な異質さをどう描くかもイリヤさんに託した。
(原恵一監督)
「建物・家の設定・家具・小道具すべて彼がデザインしているが
日本人とは少し違う発想をうまく生かせた。」
作品に登場する街並みは
当初原監督はイギリスの街をイメージしていたが
イリヤさんはあえて文化が異なるロシア風の建物を混ぜ合わせることで
現実とは異なる雰囲気を描きだした。
(イリヤ・クブシノブさん)
「よく原さんといろいろデザインのことを話して
急に新しいアイデアが浮かんで
原さんのアイデアも私のアイデアも混ぜて面白い場所になったと思う。」
日本のアニメを志し来日する若者が増えているという原監督。
こうした外国人が活躍できる機会を増やしていけば
日本のアニメの魅力をさらに高めていけると感じている。
(原恵一監督)
「彼が僕に刺激を与えてくれる絵を描いてくれる。
すごくいい関係だったと思う。
イリヤみたいな外国から物凄く情熱と才能をもって
日本のアニメーションに参加したいという人がもっと増えてほしい。 」