日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

笑顔千両

2013-09-16 20:47:35 | 編集手帳
9月12日 編集手帳

俗に「男は度胸、女は愛あい 嬌きょう」と言うが、
男も愛嬌があるに越したことはない。
「可愛気かわいげ」にまさる長所はない、
と述べたのは評論家の谷沢永一さんである。

〈才能も智恵も努力も業績も身持ちも忠誠も、
 すべてを引っくるめたところで、
 ただ可愛気があるという奴やつには叶かなわない〉
と(新潮社『人間通』より)。
大相撲の元大関、
エストニア出身の把瑠都関(28)がそうだろう。

勝ち相撲のあと、
カブトムシを捕まえた少年のような笑顔で花道を引き揚げてくる。
ひいきの力士が負かされても憎めない。
早くに父親を亡くし、
女手ひとつで育てられたと聞いて、
里親になったような心持ちで土俵を見守ってきたファンもいたはずである。

膝の古傷が完治せず、
十両陥落を潮しおに引退するという。
相手の頭越しにまわしを取り、
自分の後ろへうっちゃりのように投げ捨てる。
あの「波離間はりま投げ」を披露する怪力のお相撲さんはこの先、
そうは現れないだろう。

〈蒼天に髻もとどりとけし相撲かな〉
(原石鼎せきてい)。
さみしいが、
仕方がない。
これまで遠くから無事を祈ってきただろう故郷のご母堂に、
“笑顔千両”の息子さんをお返しする。
コメント

尖閣諸島 国有化1年 民間交流のいま

2013-09-16 08:09:49 | 報道/ニュース
9月11日 おはよう日本

北京の観光名所 故宮。
この1年間 日本人観光客の姿はまばらである。
北京で旅行会社を経営している孫波さんは日本の大手旅行会社と提携して日本人向けのツアーを手掛けている。
日中関係の悪化に伴って客が減り続けほとんど仕事がなくなったと言う。
(旅行会社経営 孫波さん)
「最悪です。
 日本人客は8~9割減です。
 儲かることはなく赤字です。」
一方の中国では日本への個人旅行が回復傾向にある。
北京の日本大使館が発行した中国から日本への個人旅行用のビザの件数はこの2か月間は去年より10%多くなっている。
(参加した市民)
「政治関係は良くないが市民レベルでの交流には影響ない。」
こうした傾向の背景には中国で尖閣諸島をめぐるニュースの受け止め方が変わったためだとみられる。
尖閣諸島関連の中国メディアのニュースの件数と中国版ツイッター“ウェイボー”への書き込み件数は
去年9月 尖閣諸島国有化直後はニュースとともにウェイボーへの書き込みも急増した。
しかしその後 尖閣諸島について報じられても書き込みは増えていない。
中国政府がメディアを通じて対日批判を繰り広げても一般国民の関心は高まらなくなったのではないかという見方が出ている。

「みなさん こんにちは。
 私は劉牧言と申します。」
8月から長野市の高校で1年間の留学生活を始めた劉牧言さん。
日中関係は厳しくてもアニメなどを通じて知った日本文化をもっと学びたいと考え留学を決めた。
「日本の漫画 中国にもある。
 『ワンピース』が一番好きです。」
すでに日本語を4年間学んでいる劉さんは日中関係の改善に貢献するのが夢である。
(劉牧言さん)
「将来は必ず日本と中国の友好の懸け橋になれると思う。」
(高校生)
「反日がすごいかなと思ったけど劉さんはすごく日本を知ろうとしていた。
 日本語も上手い。
 周りの情報に惑わされたらだめと感じた。」
(早稲田大学 大学院 天児慧教授)
「時間がたてばたつほど誤解の溝が広がっていく可能性があると思う。
 日常的に両国の人々が接触・交流する部分がもっとアピールされていいんじゃないか。」

この1年で悪化した日中関係。
政治的な対立が深まるなかで民間交流を地道に進めていくことがあらためて求められている。
コメント

東芝 田中社長の成長戦略

2013-09-15 08:00:09 | ビズ プラス
9月8日 BIZ+SUNDAY

洗濯機やテレビなどの家電製品から発電用の大型タービンまで幅広い製品を手掛ける大手電機メーカー東芝。
社員20万人 売上高5兆8000億円。
6月 新たに社長に就任したのが田中久雄氏(62)。
「東芝の強みは高い技術力 豊富な人材。
 これを事業の拡大 利益体質の更なる強化に結び付けていく。」
欧米やアジアなど海外駐在が長かった田中氏。
その経験がこれからのグローバル経営に必要だと社長に起用された。
就任にあたり田中社長は社内改革の方針を自らまとめた。
会議の削減 これまでの仕事のやり方は踏襲しないなどその項目は100以上にのぼる。
(東芝 田中久雄社長)
「東芝の今までやってきたことをぼくの考え方やりかたというのは1回ゼロにしてみようと。
 これを1つ1つやれば東芝は変わるしもっといい会社にできるんじゃないか。」

電機業界で勝ち組と言われる東芝だが売り上げはリーマンショック前には戻っていない。
8月7日 田中社長は就任後初めてとなる経営方針説明会に臨んだ。
「これまで数年間 売上高が減少傾向であったが
 今年度を起点として成長への回帰をはかる。」
田中社長は2015年度の売上高を7兆円に引き上げる計画を発表。
主力事業のエネルギーと半導体などに加え
新たに医療分野を収益の柱に据える方針を打ち出した。
東芝の医療分野の売上高は年間約4000億円。
主力製品は体の内部を映すX線診断装置、超音波診断装置など画像診断を行う高度な医療機器である。
なかでもCTは国内1位 世界でも3位のシェア。
営業マンと診療放射線技師の資格を持つ社員が定期的に意思を訪ね最新の医療機器の使い方などを説明している。
医療機器を実際に使う医師たちの満足度を高め次の受注につなげる戦略である。
(医師)
「CTは極めてレベルの高い機械工学によってできているので
 正直 医者だけではすべてを理解することは難しい。
 新しい技術をまた教えてもらえると次の臨床に使える。」
今後 東芝では医療分野の売上高を2015年度には今の1,5倍の6000億円まで伸ばす計画である。
日本のものづくりの歴史に大きな足跡を残してきた東芝。
日本初の電気洗濯機(1930年)や電気冷蔵庫(1930年)を作ったのは東芝だった。
しかし今こうした家電部門の売り上げは全体の10%。
テレビやパソコンのデジタルプロダクツは23%。
いま売り上げの半分近くを占めるのはエネルギー事業などの社会インフラ部門である。
この分野で新たな成長が見込まれているのがエネルギーを効率的に利用する製品やシステムである。
東芝では横浜の新興住宅街のスマートハウスに実際に社員を住まわせて使い心地などを検証している。
次世代の省エネハウス スマートハウス。
ガスを使って発電する燃料電池。
太陽光発電や夜間の安い電力をためる蓄電池。
そしてさまざまなエネルギーを最適な組み合わせで使うシステム。
3年間にわたって実際に生活しながら改善点を探ることにしている。
(スマートホーム推進部 石井康雄課長代理)
「使ってみて初めて気づくことがある。
 実際にこれとこれを組み合わせたらもっといい使い方ができるとか
 暮らしの中から見つけていくことが必ず必要。」
東芝はいま横浜市と連携し1900世帯の節電効果を検証するプロジェクトを進めている。
東芝のコントロールセンターには各家庭の電力の使用状況が24時間刻々と送られてくる。
どうすれば地域全体で最も効率的なエネルギーの使い方ができるのか
システムの改良を重ね将来への街づくりに役立てたいと考えている。
(スマートコミュニティー事業統括部 羽深俊一主幹)
「日本国内 海外のエネルギーマネージメントが必要とされている地域に輸出する。
 そういったことも含め事業を拡大していきたい。」
一方 成長戦略の課題となっているのがテレビなどのデジタルプロダクツ部門である。
昨年度の営業損益は244億円の赤字。
赤字は2期連続である。
田中社長は今年度後半には黒字化を実現したいとしている。
そのカギを握るのが東南アジアなどの新興国。
8月 東芝はシンガポールで新型のテレビを発表した。
ハイビジョンよりも画質が鮮やかな4Kテレビでサイズは最大84インチ 価格は日本円で176万円。
東南アジアで急速に増えている富裕層がターゲットである。
東芝では現地のスタッフを増やすなど営業力を強化する方針である。
東南アジアでの東芝のテレビのシェアは15%
来年度には20%まで伸ばすとしている。
(徳光重則執行役上席常務)
「付加価値がある商品を出してその価値を認めてもらう。
 販売数をあきらめずにしっかりやっていきたい。」

巨大企業を率いていくうえで田中社長は20万人の社員とのコミュニケーションを大事にしている。
田中社長は常にノートパソコンとタブレット端末を持ち歩いている。
空いた時間は社員からのメールをすべてチェック。
深夜でもこまめにメールを返信する。
「どんなに忙しくて世界のどこにいても必ず読む。
 ちょっとの時間でもあればメールを見て返信するのは簡単にできる。
 それがコミュニケーションの最初だと思う。」
8月からはできるだけ多くの社員と交流するため新たに社内向けSNSを作った。
社長自ら日々感じたことを発信。
どんなことも努力を惜しまなかったヤクルトスワローズ宮本選手の引退表明に触れ
企業人もプロ意識が大事だと伝えた。
社員からはさまざまな反応が寄せられている。
「経営というのは“人を通じて事をなす”と言われる方もいるように
 皆さんとコミュニケーションして東芝の向う方向 目指している事業
 そういったものを作り上げていくのが非常に重要だと思っている。」

田中社長は会社を成長させるために事業戦略以外にも組織改革をあげている。
コンシューマ&ライフスタイル
電子デバイス
ヘルスケア
コミュニティ・ソリューション
電力・社会インフラ
東芝は長年 事業ごとの縦割り組織だった。
今回の改革ではさらに事業に横串を指す専門の部署を立ち上げる。
それぞれの事業が持つ技術などを把握しそれを融合させて新商品などの企画を行う。
その先駆けとなる製品が発表された。
医療機器のCTで撮影した画像を裸眼でも立体的に見ることができるディスプレイである。
まるで画像が飛び出し血管の重なり具合まで細かく見えるこの装置は手術のシュミレーションがしやすくなると言う。
東芝が開発した裸眼3Dテレビの技術とCTの技術を組み合わせて作った。
開発は栃木県にある医療機器の研究所で行われた。
きっかけとなったのはCTの技術者がたまたま自社の3D技術を目にしたことだった。
毎週のように技術者同士が議論を重ね双方の技術を融合させた。
裸眼でも見える3Dテレビの生産は販売不振で打ち切られているが
組織の枠を超えた連携で技術が息を吹き返した。
(3D開発担当)
「技術がなかなか世の中の役に立つことができない状態だったので
 ようやく形になりそうでちゃんと社会の役に立てそうなのですごくよかった。」
(CT開発担当)
「東芝全体でものすごくいい技術の存在を実は知らないことが多いとわかったので
 いろんな部署と共同で新開発ができたら素晴らしい。」 
  






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君は君で大好きだけれど

2013-09-14 07:00:00 | 編集手帳
9月7日 編集手帳

古今亭志ん生さんに川柳がある。
〈干物では秋刀さん 魚まは鰺あじにかなわない〉。
味の好みは人それぞれで異論もあろうが、
なるほど、
とうなずく。

「干物では」と限定しているところをみると、
塩焼きではサンマが魚類の王様であることを認めているのだろう。
夕暮れの訪れが日に日に早くなるにつれて、
頭と尾が皿からはみ出しそうなのを柚子ゆずと大根おろしで食べるその味が恋しい季節である。

一句にちょっと似せて言えば、
サンマ漁だというのに、
水揚げでサンマはイワシにかなわない…。
北海道の海に異変が起きているという。

サンマが来ない。
全国有数の“サンマ漁港”釧路港では約4週間で22トンの水揚げしかなかった。
イワシは1日で30トンを超えた日もある。
海水温の上昇が影響しているらしいが、
空の竜巻といい、
海のサンマ不漁といい、
異変つづきは少々気味が悪い。

イワシを昔の符丁で「むらさき」という。
味がアユ(アイ=藍)よりも濃い、
と。
イワシの相場はサンマよりも安く、
漁をする人の青ざめた顔色も濃いようである。
サンマ漁船の網にかかるイワシに罪はないけれど。
君は君で大好きだけれど。
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スピード出世 新入幕 遠藤

2013-09-13 08:00:00 | 報道/ニュース
9月12日 おはよう日本

この春大学を卒業して初土俵からわずか3場所で幕の内入りを果たした遠藤。
これは昭和以降では最速の記録である。
甘いマスクの22歳。
いまや行く先々で大人気である。
持ち味は鋭いつっばりとまわしをとってからの多彩な攻め。
さらに足腰の強さと体の柔らかさも抜群で土俵際でも粘りに粘る。
(遠藤)
「あまりにも入幕が早かったので気持ちの整理もできていない。」
本人も驚くスピード出世。
それでも遠藤が大切にしているのは自分のペースを守ること。
これまでどおり四股を300回踏むことを日課としている。
特別なことはせず基本的な稽古を入念に繰り返している。
(遠藤)
「急いで踏み外して転がって元の位置に下がるよりは
 少しずつでも上に行けたらという気持ち。
 自分のペースでやるしかない。」
部屋の中でも出世頭の遠藤だが素顔は仲間思いの若者である。
そして大好物のチョコレートを食べる時が至福の時間だそうである。
(遠藤)
「コンビニとかで売っているチョコが一番好き。
 ホッとするときですかね。
 チョコ食べようかなって。
 食べたら止まらなくなっちゃうので。」
6日 場所前の稽古総見で遠藤は思いがけず横綱白鵬に指名され初めて胸を借りた。
正面からぶつかり何度も跳ね返される。
それでも全力で当たり続け一番は横綱を押し出した。
(横綱 白鵬)
「思い切りの良さが出ていましたからね。
 その気持ちで秋場所 臨んでほしい。」
(遠藤)
「引いて勝つより
 当たって前に出て押して勝った方が見ていて面白いと思う。
 お客さんが喜ぶような
 がっかりしない相撲をとっていきたい。」

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「幸福駅」

2013-09-13 07:00:02 | 編集手帳
9月6日 編集手帳

「幸震」。
さちない、
と読む。
そういう名前の集落が北海道帯広市にあった。
のちに福井県からの移住者が増えたことから「震」を「福」に改め、
やがて駅名にもなる。
旧国鉄広尾線の「幸福駅」である。

〈幸福への切符〉が人気を呼んでから約40年、
広尾線が廃線となって26年になるが、
ふいに駅名が浮かんでくるときがある。
幸せが震えたあの日から、
幸福へ。
震災後の日々は、
その切符をもとめて廃線の駅を訪ねる旅にたとえられるかも知れない。

駅舎は残っている。
老朽化した木造駅舎の改築が始まったと、
北海道発の記事が伝えていた。

過ぎ去りし昔の、
たかが駅名とおっしゃるなかれ。
いまでも毎年、
約15万人の観光客が訪れるという。
〈土地の名前はたぶん/光でできている〉。
大岡信さんの詩『地名論』の一節にあった。
たとえ旅先で出合う駅名ひとつであれ、
沈みがちな気分にふっと明かりをともしてくれる照明なしに、
憂き世は生きにくい。
幸福駅の人気がいまなお衰えないのも、
それゆえだろう。

11月には新装の駅舎がお披露目の運びという。
ひと粒の“光”をもらいに訪ねる晩秋の旅もいい。
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“ジャパン・アズ・ナンバーワン”34年後の日本は?

2013-09-12 07:00:00 | ビズ プラス
9月8日 NHK BIZ+SUNDAY


かつて日本が世界一と称えられた時代があった。
敗戦からの奇跡の復興、高度経済成長を経てアメリカに次ぐ経済大国となった日本。
その成功の秘密を分析した“Japan as No.1”は1979年に出版されベストセラーとなった。
著者はハーバード大学のエズラ・ヴォ―ゲルさん。
ヴォ―ゲルさんは現在83歳で今も現役の研究者である。
あれから34年
今の日本はアジアは彼の目にどう映っているのか。

(ハーバード大学名誉教授 エズラ・ヴォ―ゲルさん)
「日本経済は失敗したとか全然だめだという意見もある。
 私から見ると高度成長が終わっても日本人の平均的な生活は悪くない。
 経済学者は経済が発展していないと全然だめだと言う。
 しかし教育水準、犯罪の問題、長生きなどいろんな面で日本は悪くない。」
「ライシャワーさん(元駐日大使)が“ジャパン・アズ・ナンバーワン”は
 『アメリカ人は読むべきだが日本では禁ずべき』日本人が傲慢になると心配した。
 80年代 日本人はちょっと傲慢になった。
 89年のバブル崩壊後は傲慢という問題はなくなった。
 かえって謙遜して自分の国や生活を誇りに思う人が少なくなった。」
「社会構造やいろんなやり方、習慣、日本は非常にうまくやっている。
 西洋は日本から習うことが今でもあると思う。
 日本の持つ技術や品質管理などすごくうまく出来ている。
 アメリカは法律主義。
 良い面もあるがオーバーだ。
 それとアメリカの富裕層、社長が一般の社員よりも100倍くらいの収入を得るのはけしからん。」

ヴォ―ゲルさんは“ジャパン・アズ・ナンバーワン”は
日本を称賛するためではなくアメリカに向けた教訓として書いたと語る。
最新作では中国のかつての最高指導者 小平氏の生涯を描いた。
執筆に10年以上費やしたというこの力作は現地中国でも出版され60万部を超えるベストセラーになっている。

(ハーバード大学名誉教授 エズラ・ヴォ―ゲルさん)
「アメリカの社会はもう少しアジアを理解しなければいけない。
 今なにが一番理解すべきかと言えばやはり中国の発展。
 主なポイントは改革開放政策。
 その政策を指導した小平。
 その時代を理解すると現代の中国を理解できる。
 今の中国は小平が指導した改革開放政策が続いている。
 中国の根本的な考え方やどうしてそうなったのか。
 小平はどういう人だったかそれをアメリカ人に教えなければいけない。」

今回の本では中国の言論界でいまだにタブーになっている1989年の天安門事件を取り上げている。
民主化を求めて天安門広場に集まった学生たち。
小平氏や最高指導部は軍を導入して鎮圧。
中国では削除された記述が少なくないが中国現代史の悲劇が詳しい描写が認められた。

(ハーバード大学名誉教授 エズラ・ヴォ―ゲルさん)
「中国の指導者が天安門事件について話すのはちょっと危ない面もある。
 学生がまたデモを起こす心配がある。
 私の分析では習近平国家主席は天安門事件を国民に少し説明しようと
 中国共産党の宣伝部が出版を許すことがわかった。
 中国の学者よりも僕はチャンスをいただいた。」

1978年10月 日中平和友好条約が締結のため中国首脳として初めて来日した小平氏。
経済成長を遂げた日本に学ぼうと自動車工場や製鉄所などを積極的に視察した。
日本に対する理解を深めようという小平氏の考え方が日本と中国を近づけた。

(ハーバード大学名誉教授 エズラ・ヴォ―ゲルさん)
「日本と中国の関係はいま一番悪いです。
 中国人に聞けば9割くらい日本が嫌い。
 日本人に聞けば9割くらい中国が嫌い。
 そういうことは初めての事態だ。」
「小平氏が生きていたら彼は必ずもっと良い関係をつくる。
 日中関係はもっと平和的な道がある。
 日本の文化をもう少し中国の国民に与える。
 日本の映画、新聞を読む機会を与えると私は思う。
 それからもっと大胆に日中問題を解決するだろう。
 日本企業に例えると小平氏はオーナー会社の社長。
 今はサラリーマン上がりの指導者なんです。
 小平氏は本当に日本と良い関係を作った。
 いろいろな日本の指導者に会い日本は中国を助けた。
 そういうことを今の中国人は忘れている。」

(ハーバード大学名誉教授 エズラ・ヴォ―ゲルさん)
「日本経済成長のカギは大胆さ
 オーナー会社の松下、ソニー、ホンダ。トヨタはすごく良かった。
 大胆にいろんなことをやった。
 今のサラリーマン上がりの社長たちはあまり大胆なことはしない。
 日本企業がゆっくり考えているうちに韓国と中国は新しいことを速く実行する。
 それが今 世界で必要とされている競争力。
 日本ももう少し早い決断の方法を見つけなくてはいけない。」
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燃費30キロ台半ばの競争に

2013-09-11 07:12:29 | 報道/ニュース
9月5日 ニュース7

新車販売台数ランキング(8月)

 1 アクア(トヨタ)
 2 N BOX(ホンダ)
 3 プリウス (トヨタ)
 4 ムーヴ(ダイハツ)
 5 ワゴンR(スズキ)
 6 スペーシア(スズキ)
 7 ミラ(ダイハツ)
 8 デイズ(日産)
 9 ノート(日産)
10 タント(ダイハツ)

10位までのうち9つをハイブリッド車と軽自動車が占めている。
消費者が新車を選ぶ際に燃費の良さを重視している傾向がうかがえる。
8月に最も多く売れたトヨタのハイブリッド車 アクア。
燃費はガソリン1リットルあたり35,4km。
7位のダイハツ工業の軽自動車で8月発売のミライ―スは燃費が33,4km。
ホンダが5日に発表した小型のハイブリッド車フィットの燃費は36,4kmで世界最高水準。
低燃費世界一の座ををかけた争いは1リットルあたり30キロ台半ばに突入している。

ホンダ フィットは国の基準による測定でガソリン1リットルあたり36,4キロ走り
燃費は従来比で35%改善された。
これはハイブリッド車としては世界最良の数値だということである。
(ホンダ 伊東孝紳社長)
「ホンダ渾身のハイブリッドシステム。
 魔法のようなハイブリッドシステムで絶対の自信を持っている。」
大幅な燃費の改善のポイントはこれまで1つしかなかったクラッチを2つにした変速機である。
動力を伝えるクラッチを2つにすることで
電気モーターが動いている間はエンジンを完全に止めることができ
ガソリンの消費を抑えた。
(開発責任者 小西真さん)
「我々は大きくこれまで負けていたので他社に追い付いたのが現状。
 他社もすぐに追い抜いていくと思うが負けないように今後頑張っていく。」
ハイブリッド車で燃費競争をリードしてきたのはトヨタ自動車である。
先駆けとなったのはプリウス。
1997年に初代プリウスが本格的に市場に投入され
その後 売れ筋の車種を次々とハイブリッド化していった。
そして一昨年には燃費が1リットル35kmを超えるアクアを発売した。
燃費競争のもう一つの戦いの場は軽自動車である。
8月 ダイハツ工業が発売したミライ―スはガソリン車であるがハイブリッド車並みの低燃費を実現。
屋内ではレギュラーガソリンが全国平均で1リットル160円を超えガソリン価格は高止まりしている。
燃費の改善には海外メーカーも力を入れていて
欧米や新興国の市場にも低燃費をうたった新型車が相次いで投入されている。
日本の各メーカーは
燃費を向上させる技術は国際的な競争力にもつながるとして今後も開発を進める姿勢である。
(ホンダ 伊東孝紳社長)
「技術でいつも先進性を保っていくのが日本の生き方。
 これからもっと切磋琢磨して技術を磨いていきたい。」




 

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“個性”で集客 水族館プロデューサー

2013-09-10 08:11:49 | ビズ プラス
9月1日 BIZ+SUNDAY

東京池袋のビルの屋上にあるサンシャイン水族館は
2年前のリニューアルオープン以来来場者が急増。
以前の3倍を超える年間約200万人が訪れる。
リニューアルを手掛けたのが水族館プロデューサー 中村元さん(57)。
高層ビルの谷間に出現したオアシスをイメージしたと言う。
(水族館プロデューサー 中村元さん)
「ここには海は無いけど客はたくさんいる。
 このビルだけでも何千人といる。
 オアシスがあればみんな集まってくるしみんな喜んでくれると思った。
 この水族館を都会のオアシスにしよう。
 ビルの上なので“天空のオアシス”という名前を付けた。」
天空のオアシス。
中村さんはユニークな展示にこだわった。
屋外のスペースには客の頭上にドーナツ型の水槽を設置し
泳いでいるアシカがまるで空を飛んでいるかのように見える。
限られたスペースを有効活用した中央が前面に張り出した扇形の大水槽。
無数のクラゲが漂うトンネル型の巨大水槽は水中を散歩しているような気分が味わえる。
大学でマーケティングを学んだあと故郷の水族館に就職した中村さん。
魚に関する知識の少なさに悩みながら働くうちある思いを抱いた。
客の目当ては魚ではないのかもしれない。
(水族館プロデューサー 中村元さん)
「客は別段 魚の詳しいことを知りたいわけじゃないことに気がついた。
 客を見ているとそんなに水槽を見ない。
 魚に対してめちゃくちゃ興味があるわけでもない。
 人々が何を求めるかというと
 癒し感 清涼感 浮遊感
 さまざまなものを得られると思う。
 それらのことが得られる非日常感をすごく簡単に見つけられるのが水族館だと思う。」
客は魚ではなく非日常を求めてやってくる。
思わぬ気付きが転機となった。
12年前に独立。
個性的で魅力的な水族館を次々とプロデュースしてきた。
中村さんはいま北海道にある小さな水族館のリニューアルを手掛けている。
鮭の生態を詳しく紹介した館内。
訪れる人は年々減少している。
中村さんはこの水族館に北海道の大自然を再現しようと考えている。
やってきたのは水族館の近くの支笏湖。
火山の噴火が作り出した荒々しい湖底の風景。
中村さんはこの風景を水槽に取り入れたいと考えている。
支笏湖から流れ出す千歳川でも展示のヒントとなる景色を見つけた。
(水族館プロデューサー 中村元さん)
「この場所ってすごく水草がきれい。
 魚よりも水草のある景観とそこにいる魚。
 他の水族館とは違う支笏湖の神秘を表す水槽。
 北海道の水中を表す水族館としてすごく際立つと思う。」
その地域にしかない独特の自然。
中村さんはそれこそが水族館の個性であり多くの客を引き付ける魅力になると考えている。
(水族館プロデューサー 中村元さん)
「出来るだけたくさんの客に見てもらうことがすごく大切なこと。
 客に見せることができない水族館は生き物を飼う資格がないと思っている。
 できるだけたくさんの客に来てもらって見てもらう。
 興味を持ってもらう。
 好奇心を持ってもらう。
 そういう水族館にしなくてはいけない。
 それが一番僕の大切なところ。」
コメント

世界は生きるに値する所、美しいものが必ずある所

2013-09-10 07:00:00 | 編集手帳
9月3日 編集手帳

中島みゆきさんの『この空を飛べたら』にある。
ああ人は昔々 鳥だったのかもしれないね
こんなにもこんなにも空が恋しい…。
その人の作品を見るたびに、
翼があった昔々の記憶を手繰ってきた。

『風の谷のナウシカ』といい、
『魔女の宅急便』といい、
宮崎アニメで誰しも忘れがたいのは空を飛ぶ場面だろう。
風をはらんで一緒に飛ばせてもらう“次の空”はもう望めないらしい。

宮崎駿はやお監督(72)が最新作『風立ちぬ』を最後に引退するという。
夜の闇の深さ。
灯ともしびの胸にしみる温かさ。
青空の広さ。
悩みながら成長する人のいとおしさ…。
思い出す作品、
場面は、
人それぞれだろう。

スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが、
すべての宮崎作品に流れる作者の心を語ったことがある。
「世界は生きるに値する所で、美しいものが必ずある所だ」と。
昔々に戻らずとも、
心の翼はいつでも持てる。
そう教えてくれたのがあの空を飛ぶ場面であったかも知れない。

夜の床でお母さんのお伽噺とぎばなしを聞く幼い子供は、
お話が終わっても、
「もっと」とせがむ。
いい歳としをして
監督にぐずってみたい幼児の心境である。
コメント

ジブリ“熱風”

2013-09-09 08:00:00 | 報道/ニュース
9月8日 サンデーモーニング

引退を明言した宮崎駿監督。
“風の谷のナウシカ”
“天空の城ラピュタ”
“となりのトトロ”
そして新作“風立ちぬ”にいたるまで監督としてこれまで11本の作品を世に送り出してきた。
単なる子供向けのアニメーションではなくその作品には深いメッセージがしばしば込められてきた。
人間による環境破壊をテーマにした数多くの作品。
監督もまた著書の中で
人間中心主義的な考えは根本的に間違いだと思います。
人間だけが生きるのではなく、
獣にも木々にも水にも生きる場所を与えるべきなのです。

そして現代人の際限のない欲望を描いた作品。
宮崎監督自身 金銭や欲望に踊らされる現代社会についてこう語っている。
「六本木ヒルズの窓から見まわして自分が偉くなったような人がいるらしいんですが
 最悪の風景ですよ。
 ぼくの感覚から言うと。
 お金の話ばっかりしているから。
 政治家も。」
さらに宮崎監督はここ最近でも憲法改正問題に明確に反対するなど社会への強い問題意識を持ち続けた。
(作家 半藤一利さん)
「平和で穏やかなこの国が強い国になっていこうとしているという点で
 宮崎さんは現代も昭和も良く似ていると思ったのではないか。」
(街の声)
「その時代その時代と格闘するような感覚があった。」
「自然とか環境とか人類への愛情とか
 人間の心の中の何気ないところをすくい取って見せてくれる。」
(6日 宮崎駿監督)
「ジブリを作った時の日本のことを思い出すと浮かれ騒いでいる時代だったと思う。
 大国になって日本はすごいんだと。
 それについて僕はかなり頭にきていました。
 経済は勝手ににぎやかだけど心のほうはどうなんだ。」
日本社会の在り様に疑問を呈してきた宮崎監督。
監督は以前から
今はファンタジーが作れない時代になったと語っている。
(JT生命誌研究館 中村桂子さん)
「ある種のゆとりみたいなものがないところに
 人々を魅了するようなファンタジーというのは生まれてこない。
 そういうものを閉じ込める社会に今はなっている。」
いまの社会状況が監督引退にも影響しているのではないかと語る中村さん。
(IT生命誌研究館 中村桂子さん)
「大震災後 もう一回人間のことを考えようよと多くの人がなったんじゃないか。
 でも2年半たってみたら目の前のお金のこととが経済成長のことばかり大きくなって
 根本的に“生きる”とはどういうことかを考えようという雰囲気が
 逆に前より減っちゃった気がする。
 ものすごく生きにくくなったという感じがある。」
これまでたびたび日本社会の将来に懸念を隔さなかった宮崎駿監督。
それでも監督は最後の会見でこう語った。
「子どもたちに
 この世は生きるに値するんだ
 ということを伝えるのが自分たちの仕事の根幹になければいけないということを思ってきた。
 これはいまも変わっていない。」


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自動運転のカギ 人工知能

2013-09-08 08:00:01 | ビズ プラス
9月1日 BIZ+SUNDAY

IT企業が集まるアメリカ シリコンバレー。
世界の自動車メーカーが自動運転の開発拠点を相次いで設けている。
進出するメーカーの狙いはCARS(スタンフォード大学自動車研究センター)との連携である。
日本やドイツの自動車メーカーなど21社が研究者を派遣し共同研究を行っている。
各メーカーが開発に力を入れているのが自動運転をつかさどる人工知能。
(スタンフォード大学 CARS クリスチャン・ガーデス教授)
「自動運転の残された課題は非常に優れた決定を下すプログラミングだ。
 緊急の状況になると決定を下すのは難しくなる。
 ブレーキを踏むべきか?
 曲がるべきか?
 ほかの車を避けるために2つを組み合わせるべきか?
 ほかの車は何をしているのか?
 と考えなければならない。」
ガーデス教授はいまドイツの自動車メーカーとともに車の限界に挑んで高速での自動運転に取り組んでいる。
高速になると車の操作が難しくなり事故の危険性が高まる。
そこでガーデス教授は高度な運転技術を持つレーサーの走行データを解析。
レーサーたちは車がスピンしそうになるとハンドルやアクセルを瞬時に調整して車を安定させる。
ガーデス教授はレーサーの走行データを蓄積し人口知能に学ばせている。
学習した人工知能はスピンしそうになってもレーサーと同じ操作を車に支持できる。
去年の自動運転車ではカーブでタイヤが滑り走りが安定していない。
まだ最適なハンドル操作ができていないからである。
今年は高速でもスムーズな走りが実現できている。
データの蓄積が進み人工知能が車を適切に操作できるようになったからである。
(スタンフォード大学 CARS クリスチャン・ガーデス教授)
「私たちは車から最も高い性能を引き出そうとしている。
 このプロジェクトから一般的なドライバーが
 車をより安全に自動運転できるシステムに結び付けたいと考えている。」 
この研究所の責任者は自動車産業にとってシリコンバレーがますます重要になると指摘している。
(スタンフォード大学 CARS責任者 スウェン・バイカー博士)
「これから自動車の革新技術では
 エレクトロニクス ソフトウェア ITが決定的な要素になっていく。
 ここシリコンバレーこそが自動車の技術革新の中心地になるだろう。」

国内でも本格的な研究が進んでいる。
東京農工大学大学院の永井教授の研究室では
トヨタ自動車と共同で一般の道路で走行に対応した人工知能を開発している。
永井教授はドライブレコーダーがとらえた映像を8万件解析し事故につながりやすい場面のデータを蓄積。
バスが止まっていたりボールが転がってきたとき
飛び出しの危険を予測し減速するよう人工知能に学ばせている。
永井教授はトヨタのテストコースで研究成果をもとに事件を繰り返している。
こうした人工知能の開発には実際に車が走る公道での実験が欠かせない。
グーグルやドイツのボッシュは行政などから特別に許可を得て公道での走行実験を繰り返している。
しかし日本では公道での走行実験は認められていない。
いまの日本の法律は自動運転を想定していないためである。
このため仮に自動運転車が実用化されても公道を走ることはできない。
(日産自動車 アンディ・パーマー副社長)
「最大の生涯は規制の枠組みが国によって違うことだ。
 世界中の国々が
 特に日本が認めてくれることを望む。」
日本ではこれまで別の角度から自動運転の研究を進めてきた。
車と道路が一体となって自動運転を実現するシステムである。
90年代には道路に磁石を埋め込み車側のセンサーでそれを検知。
車線からはみ出さないよう誘導するシステムを開発した。
さらに歩行者を道路側に設けたセンサーが検知し無線で車に知らせるシステムを開発中である。
しかし欧米の動きを受け国はようやく去年から車の自動運転を後押しする政策に乗り出した。
国と自動車メーカー、学識経験者が集まりまず高速道路での自動走行を目指して環境整備に取り組んでいる。
(国土交通省 高度道路交通システム推進室 奥村康博室長)
「各国でもいろんな技術の開発が活発に進んでいる。
 それに負けない技術を日本発でやる。
 日本がこの分野をリードしていく。」

 
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自動運転車が人々に暮らしを変える

2013-09-07 08:00:00 | 報道/ニュース
9月1日 BIZ+SUNDAY

目の不自由な男性がアメリカの街を車で走る。
乗っているのはハンドルやアクセルを操作しなくても走るIT企業グーグルが開発した自動運転車。
男性が運転席に座るのは病気で視力を失って以来8年ぶり。
かつて頻繁に通ったファストフードのドライブスルーやクリーニング店を訪ねた。
グーグルから開発協力の依頼を受け実験に参加した男性は
自動運転車は失った日常生活を取り戻してくれたと言う。
「とても総会でエキサイティングな体験だった。
 自分で運転できなくなったことで失った自由をまた手にすることができるのは素晴らしいことだ。」
車には周囲の状況を把握するためのセンサー。
信号や歩行者、対抗車を認識しながら目的地まで走る。
自動車メーカーに挑戦する形で開発に名乗りを上げたグーグルは
4年以内の実用化を目指すとしている。
(グーグル共同創業者 セルゲイ・ブリン氏)
「自動運転は人々の暮らしを変える力を持っている。」
いま各国の自動車メーカーも自動運転車の開発を加速させている。
(ドイツ 自動車部品メーカー)
「自動運転に必要なものはすべて開発する。」
(日産自動車 アンディ・パーマー副社長)
「我々の使命は常に市場の先頭に立つことだ。」
コンピューターが運転する自動運転車。
居眠りや操作ミスなど人間の不注意による交通事故を減らすことができる夢の車である。
2010年にグーグルがいち早く開発を明らかにして世界に衝撃を与えた。
事故の減少とともに期待されているのが経済的な効果である。
例えばコンピューターによる効率的な運転がもたらす渋滞の解消。
国土交通省によると日本では渋滞によって年間50億時間が無駄になっていて
これを解消するだけでも大きな経済効果がもたらされると言われている。

アメリカで自動運転の試作車を公開した日産自動車。
2020年までに市販する計画を明らかにした。
ルームミラーの上に取り付けたカメラや車体から発するレーザー光線で周囲の状況を認識する。
信号はカメラが認識し赤信号では自動で止まる。
そして信号が青に変わると自動的に発信する。
歩行者が急に飛び出してきても自動で避けることができる。
自動で駐車することもできる。
センサーがほかの車との距離を正確に測りながら空いているスペースを見つけ駐車する。
信号を送ればすぐにドライバーの元に戻ってくる。
(日産自動車 山下光彦副社長)
「今まで積み上げてきた要素技術を1つにまとめてさらにレベルを上げて
 自立型の自動運転を目指している。」
自動車大国ドイツでも自動運転技術の開発が急ピッチで進んでいる。
ドイツの大手自動車部品メーカーボッシュは自動車メーカーに供給する自動運転システムを開発している。
高速道路などの使用を前提に追い越しや急な道幅の変化への対応を目指している。
3年後の販売を目標にしている。
(ボッシュ 先進ドライバーアシスタンスシステム部 アランダ・ベレン シニアマネージャー)
「市場に早く参入することで自動運転の機能に関する情報を多く得られる。
 自動運転に必要なものはすべて開発する。
 そうすれば自動運転の新しい標準をつくることができるだろう。」

自動運転の開発に取り組んでいるのは大手の起業だけではない。
名古屋大学では市販の自動車を改装した自動運転車を使って研究を進めている。
研究テーマは“人にとって快適な自動運転”。
(名古屋大学大学院 情報科学研究所 武田一哉教授)
「自動運転の手本は人間の運転。
 人間がどう運転するか。
 これが重要。」
実験用の自動運転車を作ったのは実は東京のベンチャー企業。
この会社では市販車を自動運転車に改造し研究機関などに販売している。
元はロボット開発を専門に行っていたこの会社はそのノウハウを生かしている。
車に取り付けるカメラやセンサーは市販の部品を組み合わせて製作。
価格は1台1、200万以上するがすでに10台以上販売している。
(ゼットエムピー 谷口恒社長)
「いま 次世代自動車にはロボット技術が求められていた。
 そのロボット技術を我々は得意としていたので
 そこにビジネスがある。」









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夢の舞台100年 タカラヅカのヒミツは

2013-09-06 08:00:00 | ビズ プラス
9月1日 BIZ+SUNDAY

華麗で美しい夢の舞台。
宝塚歌劇団は間もなく誕生から100年を迎える。
タカラヅカの公演は東京と兵庫の2か所で1年を通してほぼ毎日行われている。
平日の昼でも劇場に2,000人を呼び込む集客力を誇る。
1年間の総観客数は250万人。
日本を代表するエンターテインメントビジネスである。

Q.タカラヅカの魅力は?
(宝塚歌劇団 理事長 小林公一さん)
「夢の感動とロマン。
 非日常的な世界に浸っていただく。
 明日への活力と癒しに。」

タカラヅカの生みの親は阪急電鉄や阪急百貨店の創業者 小林一三。
小林さんの曽祖父である。
小林一三は鉄道事業に伴う沿線開発の一環として大正2年に少女歌劇(宝塚唱歌隊)を始める。
若い女性の踊りで構成されたモダンな舞台は大ブームになった。
しかしその後はテレビなど多くの娯楽と競合し客足が伸び悩む。
そこで昭和49年に人気の少女マンガ「ベルサイユのばら」を原作にした舞台に挑戦し大ヒットしたのである。
タカラヅカの人気は不動のものになった。

Q.100年長続きさせる秘けつは?
(宝塚歌劇団 理事長 小林公一さん)
「『継続は革新の連続である』
 こういうショービジネスの世界は水もの。
 今年良かったkら来年必ず良いわけではない。
 1日1日 毎年毎年が心配 毎年が勝負 毎公園が勝負。」

女性が男性を演じるタカラヅカ。
音楽学校を卒業したタカラジェンヌだけで舞台をつくるという伝統は創設から変わっていない。
その一方でこれまで取り組まなかった分野にも次々と挑戦している。
ハリウッド映画から韓流ドラマ、さらに人気のゲーム、そしてSF小説。
新たな顧客を取り込もうと毎月のように新作の舞台をつくり続けている。

Q.ゲームを取り入れたと聞いたときはそこまでやるかと正直思ったが?
(宝塚歌劇団 理事長 小林公一さん)
「『ベルサイユのばら』だって少女コミックという新たな道に入って作った。
 その時は『そこまでやるか』と言われたと思うけど
 『そこまでやるか』と言われたときはこの劇団はそこまでやる。」
Q.タカラヅカのコアのファンを満足させつつ新規開拓するのは両立が難しいのでは?
(宝塚歌劇団 理事長 小林公一さん)
「難しいと思う。
 ただやっぱり新規開拓していかないといけない。
 昔は良かったけれども今ももっと良いというふうにしていきたい。」

タカラヅカは今年に入ってさらに新しい挑戦を始めた。
世界をターゲットにした公演をスタートさせたのである。
これまでの海外公演は招待されて行なってきたが
宣伝から営業までを自ら行う自主公演は初めてである。
台湾での公演は9日間で1万8千人を集めた。

(宝塚歌劇団 理事長 小林公一さん)
「これから海外に向けても発信してく。
 特にアジアというのは大きなマーケット。
 ようやく一歩出たところ。
 これからしっかりと固めて広げていきたい。」
Q.小林さんにとっての夢は?
(宝塚歌劇団 理事長 小林公一さん)
「ニューヨークでトニー賞(演劇界のアカデミー賞)をとりたい。
 これ すごいことを言ってしまった。」
 
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アウトレイジ ビヨンド

2013-09-05 19:51:58 | DVD
  

製作年:2012年
製作国:日本

ジャンル:邦画 アクション
監督:北野武
製作:里吉優也
脚本:北野武
撮影:柳島克己
音楽:鈴木慶一
出演:ビートたけし、西田敏行、三浦友和、小日向文世、加瀬亮


北野武監督による
ヤクザ抗争を描いた続編。
内部抗争を経て会長となった加藤により勢力を広げる関東のヤクザ組織・山王会。
刑事の片岡は
抗争中に死んだはずの男・大友を刑務所から仮釈放させ
東西のヤクザ同士を対立させようとする。        (TYUTAYA)
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