10月13日 NHK海外ネットワーク
(マララ・ユスフザイさん)
「私の夢はすべての子どもが教育を受けられること。
今日の夢を明日の現実にしましょう。」
子どもたちの教育の重要性を訴えるパキスタンのマララ・ユスフザイさん。
1年前 女性の教育を否定するイスラム過激派に銃撃された。
一命を取り留めたマララさんは事件後に寄せられた寄付金でマララ基金を設立。
パキスタンの少女を学校に通わせる活動に乗り出した。
(マララ・ユスフザイさん)
「1人の子ども 1人の教師 1冊の本 1本のペンで世界を変えることができる。」
マララさんの願いは子どもたちが1人の例外もなく学校に子酔えるようになることだが
パキスタンの現状はどうか。
マララは頑張り屋さん
パキスタンの誇りマララ
女の子たちが歌う“マララの歌”。
パキスタン中部のパンジャブ州にある人口1000人ほどの村。
マララさんの写真が掲げられた去年出来たばかりの学校では女の子たちが読み書きの基本を学んでいる。
授業を行っているのはシャジア・ビビさん(27)。
地元の大学院で言語学などを学んだあと自分の知識を伝えたいと個人で塾を開き女の子たちに勉強を教えてきた。
そんな彼女の取り組みに賛同したNGOが資金を提供し1年前に学校を作ったのである。
3歳から17歳までの女の子約120人が通っている。
村の女性の識字率はわずか20%。
しかしここでは英語まで教えている。
シャジアさんはマラらさんの事件を受けて教育絵の思いを新たにしたと言う。
(シャジア・ビビさん)
「テレビでマララさんが教育のために命をかけているのを見た。
小さな彼女にできるのなら私も村に教育を広められるのではと思った。」
しかし男性優位のパキスタン社会で女子学校の運営は簡単ではない。
女の子は学校に通わず家事をしていればいいと考えるのが農村部では一般的である。
この村では女の子の5人に1人しか学校に通っていない。
そこでシャジアさんは自ら子どもたちの家を訪ねて親たちを説得している。
この日は中学1年生のときから家事を手伝うため学校に来なくなった女の子の家庭を訪ねた。
(シャジア・ビビさん)
「教育の大切さはわかりますよね。」
(少女の母親)
「うちは貧しいのよ。」
(シャジア・ビビさん)
「男の子は通わせるのに女の子は通わせないのですか。」
女の子はいまも学校には来ていない。
シャジアさんはこのような家庭を何軒もまわっては教育の重要性を訴えている。
シャジアさんの説得で学校に通うようになった女の子は50人以上いる。
そのひとりメモナ・バシールさん(12)。
両親は当初 娘に教育をうけさせるよりも綿花畑で働き手になって家計を助けてほしいと思っていた。
しかしシャジアさんと話して考えが変わったのである。
(メモナさんの父親)
「女の子に教育を受けさせれば家庭や社会が良くなるとわかった。
だから今は納得して娘を学校にやっている。」
(メモナ・バシールさん)
「他の子が学校に行っているのを見て私も行きたかった。
両親が学校に行かせてくれてとても幸せ。」
一人でも多くの女の子を学校に通わせたい。
その思いは徐々に伝わり始めている。
(シャジア・ビビさん)
「貧しい家庭の少女や外出が許されない少女に教育をうけさせることが私の夢。
達成すべき使命。」
しかしパキスタンの中でもマララさんの出身地北西部はイスラム過激派の活動が活発で状況がより深刻である。
女子学校を狙った爆破事件はこの2年間だけで100件以上起きている。
(警備員)
「見てください。
ここで爆発があったんです。」
この女子学校は今年2月に爆破され今も閉鎖されたままである。
多くの子供がけがをした学校もある。
9月 校門の前に仕掛けられた爆弾が爆発。
下校中の女の子20人近くがけがをした。
窓ガラスは割れたままだが授業は再開。
まだ傷がいえない子供も多くいる。
アイーシャ・ハルークさん(9)は体中にけがをし今も自宅で療養中である。
事件当時アイーシャさんが着ていた服は血まみれで爆弾が飛んで来てできたと思われる穴も開いている。
(アイーシャ・ハルークさん)
「もも わきの下 首が痛い。
爆発がまた起きるのではないかと怖い。
今度あったら殺されてしまう。」
それでもアイーシャさんは怪我が治ったらすぐにでも学校に行きたいと考えている。
勉強して将来は医者になるのが夢。
(アイーシャ・ハルークさん)
「勉強すればマララさんみたいになれる。
すべての子どもが学校に通えれば世の中が良くなると思う。」
イスラム過激派の脅威におびえながらも勉強がしたいと少女たち。
厳しい環境の中でマララさんは彼女たちの希望の光になっている。
ユネスコによると世界で初等教育を受けられずにいる子供の数は約5700万人にのぼる。
国別にみるとパキスタンはナイジェリアに次いで2番目に多く
このうち3分の2にあたる約300万人が女の子だということである。
国連は2015年までに世界のすべての子どもたちが初等教育を受けられるようにするという目標を掲げ
各地で学校の建設や教科書の配布といった支援を行ってきている。
しかし残念ながらあと2年でこの目標を達成するのは不可能と言える。
状況を根本的に変えるには紛争や貧困など
子どもたちが教育を阻んでいるさまざまな要因を国際社会が地道に取り除いていくしかないのが現状である。
(マララ・ユスフザイさん)
「私の夢はすべての子どもが教育を受けられること。
今日の夢を明日の現実にしましょう。」
子どもたちの教育の重要性を訴えるパキスタンのマララ・ユスフザイさん。
1年前 女性の教育を否定するイスラム過激派に銃撃された。
一命を取り留めたマララさんは事件後に寄せられた寄付金でマララ基金を設立。
パキスタンの少女を学校に通わせる活動に乗り出した。
(マララ・ユスフザイさん)
「1人の子ども 1人の教師 1冊の本 1本のペンで世界を変えることができる。」
マララさんの願いは子どもたちが1人の例外もなく学校に子酔えるようになることだが
パキスタンの現状はどうか。
マララは頑張り屋さん
パキスタンの誇りマララ
女の子たちが歌う“マララの歌”。
パキスタン中部のパンジャブ州にある人口1000人ほどの村。
マララさんの写真が掲げられた去年出来たばかりの学校では女の子たちが読み書きの基本を学んでいる。
授業を行っているのはシャジア・ビビさん(27)。
地元の大学院で言語学などを学んだあと自分の知識を伝えたいと個人で塾を開き女の子たちに勉強を教えてきた。
そんな彼女の取り組みに賛同したNGOが資金を提供し1年前に学校を作ったのである。
3歳から17歳までの女の子約120人が通っている。
村の女性の識字率はわずか20%。
しかしここでは英語まで教えている。
シャジアさんはマラらさんの事件を受けて教育絵の思いを新たにしたと言う。
(シャジア・ビビさん)
「テレビでマララさんが教育のために命をかけているのを見た。
小さな彼女にできるのなら私も村に教育を広められるのではと思った。」
しかし男性優位のパキスタン社会で女子学校の運営は簡単ではない。
女の子は学校に通わず家事をしていればいいと考えるのが農村部では一般的である。
この村では女の子の5人に1人しか学校に通っていない。
そこでシャジアさんは自ら子どもたちの家を訪ねて親たちを説得している。
この日は中学1年生のときから家事を手伝うため学校に来なくなった女の子の家庭を訪ねた。
(シャジア・ビビさん)
「教育の大切さはわかりますよね。」
(少女の母親)
「うちは貧しいのよ。」
(シャジア・ビビさん)
「男の子は通わせるのに女の子は通わせないのですか。」
女の子はいまも学校には来ていない。
シャジアさんはこのような家庭を何軒もまわっては教育の重要性を訴えている。
シャジアさんの説得で学校に通うようになった女の子は50人以上いる。
そのひとりメモナ・バシールさん(12)。
両親は当初 娘に教育をうけさせるよりも綿花畑で働き手になって家計を助けてほしいと思っていた。
しかしシャジアさんと話して考えが変わったのである。
(メモナさんの父親)
「女の子に教育を受けさせれば家庭や社会が良くなるとわかった。
だから今は納得して娘を学校にやっている。」
(メモナ・バシールさん)
「他の子が学校に行っているのを見て私も行きたかった。
両親が学校に行かせてくれてとても幸せ。」
一人でも多くの女の子を学校に通わせたい。
その思いは徐々に伝わり始めている。
(シャジア・ビビさん)
「貧しい家庭の少女や外出が許されない少女に教育をうけさせることが私の夢。
達成すべき使命。」
しかしパキスタンの中でもマララさんの出身地北西部はイスラム過激派の活動が活発で状況がより深刻である。
女子学校を狙った爆破事件はこの2年間だけで100件以上起きている。
(警備員)
「見てください。
ここで爆発があったんです。」
この女子学校は今年2月に爆破され今も閉鎖されたままである。
多くの子供がけがをした学校もある。
9月 校門の前に仕掛けられた爆弾が爆発。
下校中の女の子20人近くがけがをした。
窓ガラスは割れたままだが授業は再開。
まだ傷がいえない子供も多くいる。
アイーシャ・ハルークさん(9)は体中にけがをし今も自宅で療養中である。
事件当時アイーシャさんが着ていた服は血まみれで爆弾が飛んで来てできたと思われる穴も開いている。
(アイーシャ・ハルークさん)
「もも わきの下 首が痛い。
爆発がまた起きるのではないかと怖い。
今度あったら殺されてしまう。」
それでもアイーシャさんは怪我が治ったらすぐにでも学校に行きたいと考えている。
勉強して将来は医者になるのが夢。
(アイーシャ・ハルークさん)
「勉強すればマララさんみたいになれる。
すべての子どもが学校に通えれば世の中が良くなると思う。」
イスラム過激派の脅威におびえながらも勉強がしたいと少女たち。
厳しい環境の中でマララさんは彼女たちの希望の光になっている。
ユネスコによると世界で初等教育を受けられずにいる子供の数は約5700万人にのぼる。
国別にみるとパキスタンはナイジェリアに次いで2番目に多く
このうち3分の2にあたる約300万人が女の子だということである。
国連は2015年までに世界のすべての子どもたちが初等教育を受けられるようにするという目標を掲げ
各地で学校の建設や教科書の配布といった支援を行ってきている。
しかし残念ながらあと2年でこの目標を達成するのは不可能と言える。
状況を根本的に変えるには紛争や貧困など
子どもたちが教育を阻んでいるさまざまな要因を国際社会が地道に取り除いていくしかないのが現状である。