7月10日 NHK「おはよう日本」
お披露目された新国立競技場も屋根の一部に木を使って話題になっている。
いま建設業界ではこの新技術の開発で
大型の建物や高層建築に木材を活用する動きが広がっている。
去年開校した東京江東区の有明西学園は
木にこだわった大規模建築として注目が集まっている。
木に囲まれた教室
床や階段
柱や梁まで
構内のいたるところに木材が使われている。
今こうした木材を活用した大型建築が増え始めている。
その背景にあるのが建築に利用できる木の増加である。
樹齢別に国内の森林面積を見ると
建築に適した50年以上の木が多くなっているのである。
大手不動産会社の三菱地所では高層建築への活用に乗り出した。
この春完成させた仙台市内の10階建てのマンション。
柱や床など骨格部分の約4割に木材を使っている。
鉄骨と組み合わせることで耐震性を確保した。
さらに最大の課題となっていたのが耐火性である。
この10階建てのマンションの場合
骨組み部分には2時間の火災に耐えられる強度が法律で求められている。
それを木材でクリアするのは技術的に困難だった。
そこで大手建設会社の竹中工務店と組んで新たな技術を開発。
木材と耐火材として使われる石膏を組み合わせた。
実験で燃やした柱の一部は
焦げているのは外側だけで
石膏が内側まで燃えることを防ぎ
必要な強度を維持することができた。
(竹中工務店 木造・木質建築推進本部長)
「鉄やコンクリートと変わらない
基本的には同じような使い方ができる。」
木材の活用は建設現場のコスト削減にもつながる。
鉄骨の場合
コンクリートを流し込んだ後に乾くまで待たなければならないが
木材だとその必要はない。
そのためこのマンションでは従来と比べて工期を約3か月短縮でき
人件費を抑えることができた。
今後不動産会社ではマンション以外にも木材を活用していく方針である。
(三菱地所 新事業創造部)
「商業施設 オフィスビル 物流施設
いろんな用途で木の使い道がある。
より短工期でより安く
鉄骨と同じ質の建物を建てることができると考えている。」