
桜のつぼみが大きくふくらみ、いまにも花が開きそうです。
桜といえば、卒業式・入学式。
卒業式や入学式のとき、小中学生やその関係者がよく言う言葉に、「明日を夢みて」とか「未来を見据えて」かあります。
しかし、わたしはそのことにあまり意味を見いだしません。
だから、式辞でもほとんどそういう言葉は使いません。
なぜなら、未来とはまだ何もないゼロの状態だからです。
それよりも、わたしは過去にこそ意味があると思います。
だから、卒業式のときなどには、中学3年間を振り返る話をするのです。
親御さんもそうではないでしょうか。
楽しいことも、苦しいこともあったけれど、いまわが子がこんなに成長してくれた。
過去をかえりみて、いまがあることを感じるからこそ、涙するのです。
過去には意味を見つけることができます。
でも、未来ほどあやふやで、あてにできないことはないのです。
いくら人工知能が発達したとしても、人間の知識がどれほど素晴らしいとしても、人間はそれほど先まで見通せるとは思わないからです。
だから、私は、節目の機会では、生徒たちに過去を語ります。