夢みたものは ひとつの幸福
ねがったものは ひとつの愛
山なみのあちらこちらにも しずかな村がある
明るい日曜日の 青い空がある
日傘をさした 田舎の娘らが
着飾って 唄をうたっている
大きなまるい輪をかいて
田舎の娘らが 踊りを踊っている
告げて うたっているのは
青い翼の一羽の 小鳥
低い枝で うたっている
夢みたものは ひとつの愛
ねがったものは ひとつの幸福
それらは すべて ここに ある と
(立原 道造 『夢みたものは」)
立原道造は、建築家であり、詩人でした。わずか24歳という若さで亡くなっています。
今なお多くの人に愛される繊細な詩を残しました。
冒頭の詩はメロディをつけ、合唱曲にもなっています。
自然の中で見つける一服の清涼剤になります。
ときには、こういう詩を読んで、心を洗いたいものです。