箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

個人差を考えること

2019年01月12日 12時44分33秒 | 教育・子育てあれこれ



現役の方が、入学後の伸びしろがある。

女子の方が、コミュニケーション力があるので、男子を救う必要がある。

入試で浪人生、女子に不利な扱いをした大学関係者が行った釈明に驚きました。

とくに、女子受験について、こんな性差に基づくきめつけや偏見が、医学部入試でまかり通っていたとは・・・。

対人関係において、相手の気持ちや意図していることを推し量る力は、さまざまな意見はありますが、たしかに女性の方がまさっているという傾向はあるかもしれません。

しかし、だからといって、それは全般的な傾向であり、個人による違いがあります。


たとえば、「女より男の方が力がある」という全般的な傾向があるかもしれません。

ても、私の妻は敷きが下がってきてふすまが開きにくいときでも、私が敷きの上をグッと押し上げてもふすまは動かないですが、妻が持ち上げると動きます。

つまり、力があるかないかには、個人差があるのです。


だから、個人差を無視して「男の方が、女より力持ち」というのは、きめつけや固定的な見方です。

ジェンダーバイアスがかかっているのです。

同じように、女子の方がコミュニケーション力があるというのは、きめつけや偏見に基づいた考えで、それを理由に点数を調整したというのは、あきれるばかりなのです。

事実、一部の三中3年生は、今年も入試での面接練習をすでに始めていますが、女子生徒の方が男子生徒よりもコミュニケーション力があるとは、わたしの実感としてまったく感じません。

個人を評価する受験において、女性という集団をひとくくりにして、不利に扱うとはもってのほかです。

該当の大学関係者の意識改革が強く求められます。