
ジャパネットたかたの社長であった高田明さんの話し方は、熱意が伝わってきました。話が面白く、多くの人が、彼の話に引き込まれます。
彼は、難しいことでも易しく言うことも上手です。
たとえば、「なんと、1500万画素ですよ!」と言ったあと、とった写真をパネル大に引き伸ばしても、こんなにほら、写真がクッキリ、ハッキリしていますよ!」とわかりやすく伝えます。
それ以外にも、彼は「間」(ま)をうまく使います。
値段を言ったあと、数秒間黙ります。
「間」を取ることで、聞き手が考える時間を与えるのです。
「お値段は19800円!」と言ったあと黙ると、視聴者は19800円が安いのかを考えます。
その「間」のあと、すかさず「金利、手数料はジャパネット負担!」と続けると、購入する意欲を後押しするのです。
これは、たいへん効果があります。
私も、箕面市青少年弁論大会に出る三中生を指導するときには、「間」を取りなさいと言います。
弁論大会では、聴き手は常に受け身です。
しかし、ここぞというときに「間」を入れると聴いてばかりいた側が考えるので、聞き手に能動性が生まれます。
結果として、聴き手は話し手のスピーチに引き込まれていくのです。
このテクニックは、私自身、朝礼での話や式辞のときにも、使います。
ずっと話していた人が突然黙ると、聴いている生徒たちは、「どうしたのだろう」と思い、再注目します。
「間」を開けることは、話を飽きさせないというねらいもあります。
私たちも、日常会話で誰かと話すとき、適切な「間」を入れて話すと、会話が弾み、こちらがわかってほしいと思うことをうまく伝えることができます。
「間」、沈黙は無駄にはなりません。