箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

言葉で賞賛する

2018年03月15日 16時55分35秒 | 教育・子育てあれこれ



人間の欲求のなかでも、承認の欲求は本質的なものです。

いつの時代も、誰かから賞賛されることは、多くの人が望みます。

子どもでも大人でも、誰かがいいことをしたら、大いに賞賛しましょう。

喜びは二人でシェアすろと2倍になります。

人を賞賛することで、相手の承認されたいたいう欲求を満たすことができます。また、賞賛する側も、他者を認める自己の寛容さに喜びを感じます。

アメリカの作家マーク・トウェインは、「私は今まで何度も賞賛されてきたが、もっと賞賛してほしいが本音である」と。

賞賛の効用は、夫婦や親子の人間関係だけでなく、学級の中でも職場の人間関係にもあてはまるのではないでしょうか。

日本の文化は伝統的に、「以心伝心」という言葉にあるように、言わなくても、相手に伝わると考えがちです。

しかし、賞賛の気持ちは言葉にして伝えないと、相手にはわかりません。

家族の誰かがすばらしいことをしたときには、心から賞賛しましょう。

賞賛の気持ちを的確に言葉にして伝えることは、家族関係でもとても大切なことです。



第44回箕面三中卒業式

2018年03月14日 13時47分42秒 | 教育・子育てあれこれ




本日、春の風が心地よく、麗かな陽が降り注ぐなか、第44回卒業式を挙行しました。

式場舞台には、3年生の合作が飾られています。

この壁画には、次のような意味があります。

ピアノ鍵盤のらせん階段からは虹が飛び出し、44期生の思い出をのせ、未来へと広がっていきます。

少女の手の中から、5羽の白い鳥が未来へと羽ばたいていきます。

少し開いた扉からは、思い出のクラブグッズや文化祭・体育祭の思い出が飛び出し、44期生を温かく包み込んでくれます。感謝の気持ちを込めて。

卒業と新たな世界へのスタートを応援するかのように、琉球グラスの中から、マンタが微笑んでいます。

扉からは、強い光と共に、時計やコンパスも飛び出してきました。

ジャック・スパロウのコンパスは希望と平和へ針を向け、導いてくれます。

三人の男女が向ける熱い視線の先は、自らの手で切り開く未来。

色をつけるのは44期生です。

桜の花びらが、友と過ごした懐かしい三中での思い出や、201名の夢を優しく見守ってくれています。
(三中美術科より)


さて、卒業証書番号は、44期生の最初の生徒で11396番となりました。

これだけ多くの人々が、箕面三中を卒業していったことを思うと、卒業証書を渡すことに身の引き締まる思いがします。


証書を受け取る、44期の卒業生一人ひとりの表情は、嬉しそうな子、はにかんだ子、堂々とした子など、さまざまでしたが、どの子も笑顔がまぶしく、輝いていました。

卒業おめでとうございます。





以下、私の式辞を紹介します。

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第44回卒業式校長式辞

ことのほか厳しかった冬の寒さがようやくゆるみ、箕面の野山も、少しずつ明るい色に染まりだしました。

ここ瀬川の地でも、校庭の木々が芽吹く瞬間をいまか、いまかと待ち望んでいます。春の風が心地よく頬を打つこのよき日に、第44期生201名が、箕面三中を巣立っていく時がやってきました。

卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。「しっかりと歩んでいってください」と、一人ひとりに私の思いを込めて、さきほど卒業証書をお渡ししました。

ご来賓のみなさま、本日はお忙しいところ、箕面市教育委員様をはじめ、たくさんのみなさま、地域の方々が、早朝よりお越しいただきました。

卒業生の晴れの門出を祝うため、駆けつけてくださいまして、まことにありがとうございます。心よりお礼申しあげます。

保護者の皆様、お子さまたちにとっては、思春期まっただ中の、心が揺れる3年間でした。ですから、子育てについて、喜びも多かった反面、悩まれたこともあったでしょう。

しかし、今このように、豊かに、大きく、成長されたお子様の姿の後には、日頃の子育てのご苦労がここに実り、鮮やかに色づいています。きっと万感の思いでおられることと存じます。教職員を代表しまして、私からみなさんに最大のねぎらいと敬意を払います。そして、お子さまのご卒業おめでとうございます。
 
さて、卒業生のみなさん、『君たちはどう生きるか』という本を知っていますか。この本は1937年に、児童文学作家の吉野源三郎さんが書きました。昨年2017年には、『漫画 君たちはどう生きるか』が人気を集めました。

この本には、コぺルくんという中学2年生が主人公で登場します。コペル君には、おじさんがいます。

そのおじさんは、コペル君にとっての大切な相談相手であり、よいアドバイスをたくさんくれるのです。そのおじさんのコペル君への言葉をみなさんに紹介します。



「君は、コペルニクスの地動説を知っているね。コペルニクスがそれを唱えるまで、昔の人は、みんな太陽や星が地球のまわりをまわっていると、目で見たままに信じていた。

ところが、コペルニクスは、それではどうしても説明のつかない天文学上の事実に出会った。いろいろ頭を悩ました末、思い切って、地球の方が太陽の周りをまわっていると考えた。

そう考えてみると、今まで説明のつかなかった、いろいろなことが、きれいな法則で説明されるようになった。

ただし、もう今日では、地動説は当たり前のように信じられているが、一般にこの学説が信じられるようになるまでに、何百年という年月がかかったんだ。

これを一歩突っ込んで考えてみると、こうなる。人間というものが、いつでも自分を中心として、ものを見たり、考えたりする性質は、これほどまで根深く、頑固なものだということだ。

子どものうちはどんな人でも、地動説ではなく、天動説のような考えをしている。みんな、自分を中心としてまとめあげられている。

電車の線路は、うちの門から左の方へいったところ、ポストは右の方へいったところにある。こういうふうに、自分の家を中心にしていろいろなものがあるという考え方をしている。

それが、大人になると、多かれ少なかれ、地動説のような考え方になってくる。広い世界というものを先に考え、その上で、いろいろなものごとや、人を理解していくのだ。

しかし、人間がとかく自分を中心として、ものごとを考え、判断するという性質は、大人の間にもまだまだ根深く残っている。いや、こういう自分中心の考え方を抜け切っているという人は、実にまれなのだ。

殊に、損得にかかわることになると、自分を離れて判断してゆくということは、非常に難しいことなのだ。たいがいの人が、手前勝手な考え方におちいって、ものの真相がわからなくなり、自分に都合のいいことだけを見てゆこうとするものなのだ。

しかし、自分たちの地球が宇宙の中心だという考えにかじりついていた間、人類には宇宙の本当のことがわからなかった。同様に、自分ばかりを中心にして、ものごとを判断していくと、世の中の本当のことも、ついに知ることができないでしまう。

大きな真理というものは、自分を中心に考える人の目には、決して映らないのだ。」




このように、おじさんはコペル君に言ったのでした。

そこで、卒業生のみなさん、三中での3年間をふりかえってみてください。

文化祭、体育祭、修学旅行などがありました。また教室での、友だちとのたわいもない会話などもありました。

ふりかえるとすべてのものがキラキラと輝いて見えます。みなさんは、クラスのことや周りの仲間のことに目を向け、考え、行動してきました。自分ばかりを中心に考えて、判断して、行動してきたわけではなかったはずです。

私は、学年が上がるにつれて、みなさんの集団が、「天動説」から「地動説」に成長していく三年間を確かめてきました。

その一方で、みなさんには、学習や部活でうまく成績が残せないことがあった。友だち関係で悩み続けたこともあった。学校に行こうとしても、登校できなかった。自分の居場所が見つかりにくかった。

辛くて、苦しくて、悔しくて、涙を流した日もあった。でも、そんなとき、あなたの横には、寄り添ってくれる人がいました。

そして、悩み・迷い・悔しさをくぐり抜け、いまここにあなたは存在している。そして、いま、卒業という門出を迎えている。このこと自体が、本当に意味のあることだと、私はつくづく思います。

締めくくりとして、みなさんにこの言葉を伝えます。

「君たちはどう生きるか」。

再度問います。「君たちはどう生きるか」

この問いを、私からみなさんへの、最後の言葉として送ります。

さあ、卒業生のみなさん、三中はいま、風船の糸を外します。

三中で楽しかったことを宝にして、苦しかったことを支えにして、糸が外れた風船は、自立への旅が始まります。

みなさん一人ひとりがゆったりと、大空を旅するような、前途ある未来を心より祈っています。

以上をもちまして、第44回卒業式の校長式辞とさせていただきます。

平成30年(2018年)3月14日
箕面市立第三中学校 校長 主原 照昌


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44期生は、三中への感謝を答辞で表し、卒業の歌「大地讃頌」を高らかに歌いきりました。

クリック→卒業の歌

卒業生退場の場面では、学級担任にお礼を言い、式場をあとにしました。

初めて卒業生を出す担任が2名いましたが、教え子からの「ありがとうございました」の言葉で3年間の苦労が報われる。

これが中学校教員の醍醐味であると、私はいつも感じます。

44期生の前途に幸あれ。






卒業式は明日

2018年03月13日 15時20分11秒 | 教育・子育てあれこれ



春の陽射しが差し込み、長く厳しかった冬の季節が終わりを告げています。

3年生は、昨日、公立入試を終え、明日はいよいよ卒業式となります。

試験が終わった解放感からか、1〜3限の学年練習は、どことなくフアフア感がありました。無理もないことだとはわかりながらも、学年教職員が指導して引き締めました。

その後、11時30分より卒業式に向けた予行演習を1時間程度行いました。

ピシッとした態度に変わりました。
さすがに3年生です。



式に出る在校生は、生徒会本部役員、生徒会委員(学級委員、風紀委員、保健委員、体育委員、美化委員、図書委員、給食委員、選挙管理委員)です。

在校生は、送別の歌「時を超えて」をうたいます。

動画でお聞きください。→送別の歌をクリック


また、予行の後には在校生から卒業生へ、手づくりのコサージュがプレゼントされました。

明日はこのコサージュを胸につけ、44期生は卒業していきます。

明日はいい天気になりそうです。

3年生の巣立ちを見送りたいと思います。

生徒会活動のまとめと新役員

2018年03月12日 15時39分18秒 | 教育・子育てあれこれ



今日は3年生の公立高校一般入試の日です。早朝より、公共交通機関の駅は受験生で混みあいました。

倍率は定員を少し超える高校もある一方で、1.5倍を超える高倍率の高校もあります。

入学希望者数に対して、収容率は満たしているのですが、倍率のアンバランスは、近年顕著にあらわれています。

高校入試、とくに公立高校入試での極端な高倍率は好ましくはないと、私は考えるのですが、とにかく三中の生徒も約140名が受験します。

今まで積み上げてきた自分の学力を最大限に引き出して、テストに臨んでください。


さて、受験しない3年生は、午前中に教室まわりの大掃除をしてくれました。






また、本日6限は2017年度後期生徒総会と2018年度前期生徒会役員選挙でした。

7つの各委員会からは、委員長の生徒が今年度後期の活動総括を報告しました。

委員会には、風紀委員会、保健委員会、体育委員会、美化委員会、図書委員会、給食委員会、学級委員会があります。

また、生徒会本部の活動総括もありました。




さらに、2018年度前期生徒会本部役員選挙では、会長1名、副会長1名、執行委員6名が立候補しました。

会長・副会長は定数内で、拍手により承認されました。

執行委員は定数4名なので、生徒の投票により4名が選出されます。

自治活動は、学校の活動の中でも、私はひじょうに重視しています。

新しく生徒会本部に入るみなさん。よろしくお願いします。



伝わるのが言葉

2018年03月11日 11時05分19秒 | 教育・子育てあれこれ



明日、3年生は公立高校の一般入試です。

出願時に、それぞれの生徒が一緒に提出した「自己申告書」には、高校生活ではコミュニケーション力を磨きたいと、抱負を書いている生徒がたくさんいました。

ところで、言葉に頼るのが、コミュニケーションの基本です。

その言葉は、人と考えや意見をすり合わせ、合意をつくるための、いちばん強力な道具です。

言葉が大切で役に立つのは、自分の考えていることや思っていることを相手に伝えることができるからです。

その意味で、自分が何を伝えたいかを明らかにして、それをストレートに表すことが求められます。

遠回しに言ったり、難しい言葉を並べても、その言葉は生きた言葉にはなりません。

言葉は相手にちゃんと伝わることこそが必要です。

中学生は、まずこの基本を身につけてほしい。

単語や短い言葉だけで、メールやツイッター、LINEでやりとりをすると、誤解や曲解が生まれやすいのです。



鳥の目、虫の目、魚の目

2018年03月10日 19時00分18秒 | 教育・子育てあれこれ



どこの組織でも当てはまりますが、学校という組織にも役割分担があります。

この役割分担は、学外にはあまり知られていませんが、「校務分掌」といいます。

たとえば、時間割や授業時間数などを掌握し、国が定める救育課程が適切に行われることをつかさどる教務部。

生徒の学校生活の過ごし方や自主活動を促進したり、生徒の問題となる行動を正して、指導する生徒指導部。

授業内容を検討し、生徒の学力向上や授業研究を推進する学習指導部。

生徒の健康管理や健康増進、また安全のための環境整備を担当する保健指導部。

おおざっぱにいえば、このような役割分担があります。

端的にに言えば、新入生保護者説明会をしたとき、学校の説明を行うのが校務分掌の各部の代表者であると考えてもらえればいいです。

組織にとって、それぞれの役割を専門的に担うスペシャリストは必要です。

しかし、校長や教頭は一つのことに習熟していればいいというものではなく、学校の仕事全体の流れを把握し、重要度の大きい部分に人員も厚くする工夫をしなければなりません。

鳥の目のように組織を俯瞰して、仕事がうまくまわるように調整する。

虫の目のように、重点項目を焦点化する。

魚の目のように、時代の流れを読む。

こういう役割を校長が担っていると考えています。

十分な役割を果たせてはいないこともあるでしょう。

お子さんのことで、期待に添えていないことがあるかもしれません。

そのようなときには、ご指摘をくだされば幸いです。

最後の給食

2018年03月09日 13時25分05秒 | 教育・子育てあれこれ



いま、1年生は、音楽の時間に、3月19日の合唱祭にむけて、取り組んでいます。

1年生のあるクラスの練習を写した動画です。

少しずついいコーラスになってきました。

動画コーラスをクリックしてご覧ください。





また、今日から3年生は、卒業式の練習が始まりました。

「卒業式は最後の授業」と言われることもあります。

卒業証書のもらい方、ここで「起立」、ここで「着席」、合図でここまで歩いてくるなどを練習しました。




卒業の歌「大地讃頌」をさわりを だけお聞きください。→大地讃頌(クリック)



なお、今日は体育館に取り付けが終了したエアコンを試運転しました。

快適な暖かさです。


また、3年生にとっては、今日が最後の給食となりました。

1年生の給食委員が、3年生の各クラスをまわり、「中学給食卒業証書」を渡してくれました。

味わって、仲良くカレーを食べていました。


また、PTAからの卒業記念品は今日渡します。

3年生は、12日(月曜日)が公立高校一般入試となります。

がんばって、自分の力を出し切ってください。

好きこそが学びにつながる

2018年03月08日 18時40分37秒 | 教育・子育てあれこれ



人は年齢とともに、覚えることが苦手になるのが普通です。

しかし、子どもの吸収力は高いのです。

まして、興味や関心のあること、好きなことにはすぐに覚えていきます。

たとえば、地理が好きな子は、あまり特別な努力をしなくても、都市の名前や川の名前など覚えます。

好きで得た知識も、単純な丸暗記よりいきいきとしています。

私は自然にあふれる環境で育ちました。毎日、自然の生き物と親しんでいました。

ですから、中学のとき、理科の第2分野で生物についての学習は得意でした。

日々、見ていた生物の名前や仕組みが、理科を習うことで体系化され、整理できたのでした。

私の体験に対して、知識が裏打ちされたのでした。

心から好きになることが、物事の本質を理解する秘訣と言えるのでしょう。

学びを楽しむことが、学習の最大の動機や原動力になります。

食生活をチェックしよう

2018年03月07日 18時55分34秒 | 教育・子育てあれこれ






三中の給食コーナーには、いま「あなたの食生活をチェック」が、展示してあります。

左上のスタートから順番に質問に答えていきます。

「はい」なら赤色の矢印、「いいえ」なら青色の矢印に進みます。

クイズに答えていき、一番下段まで行き着いたら、該当する「どうかな」をめくると、その中に診断とアドバイスが書かれているというしくみになっています。

生徒が通りかかると、しばし足を止め、友だちといっしょにクイズに答えていました。

少しの時間で、自分の食生活をチェックできます。

この掲示にはアイデアが詰まっています。健康的な食習慣について考えさせる啓発効果があると、私は感心して見ていました。

スマホでご覧の方は、写真を大きくしてクイズをしてみてください。

一番左に行き着いたら、2枚目の写真の2段目左。

左から2番目に行き着いたら、2枚目の写真の2段目右。

左から3番目に行き着いたら、2枚目の写真の3段目左。

左から4番目に行き着いたら、2枚目の写真の3段目真ん中。

左から5番目に行き着いたら、2枚目の写真の3段目右が診断とアドバイスです。


ちなみに、私は一番左に行き着いたので、「バッチリ」で「食事のことをよく考えています」という診断とアドバイスでした。

学習と人とのつながりが学校

2018年03月06日 17時03分56秒 | 教育・子育てあれこれ




学習は、自分を高めるためにする。

勉学は、生き方の幅を広げるために勤しむ。

しかし、学習や勉学をすると同時に人とのつながりを大切にできることが大事です。

家族をいたわったり、学校行事に精を出したり、地域のことにも関心を持ってこそ、学習や勉学はその生徒にとって人格や人間を磨くものとなります。

学びによりたくさんの知識を得て、それを活用して社会で活躍するには、他者への気遣い、誠実な態度、公平に人と付き合う人間になってこそ、学習や勉学が意味をもってきます。

「行いて余力あれば、即ち以って文を学ぶ」という言葉があります。

学校とは、学びを深めるとともに、人とのつながりを学ぶところです。

なぜなら、学校は集団で生活する場であるからです。

これは、いつの時代でも変わらない学校の価値ですが、私たちはともすれば学習や勉学のことを第一義に考えがちです。

生徒たちは、将来、社会で活躍する人です。人とつながることが、必ず必要になります。

言葉に頼る

2018年03月05日 09時08分19秒 | 教育・子育てあれこれ



自分が考えていることや、やりたいと思うことを、人に伝える方法は、いまやメールやSNSなども活用されますが、それとて、やはり言葉に頼ります。

だからこそ、自分が発する言葉には、慎重になりたいものです。

その言葉に責任をもつことが望まれます。

また、言葉には、行動が伴ってこそ、その言葉には誠実さを増してきます。

心のこもった言葉と、それを体現する行動があってこそ、人を納得させたり、相手の心に届く、または心に響く力をもつのです。

その意味で、人の真価は言葉と行動に表れると言えるでしょう。

言に尤寡く、行に悔い寡なければ、禄は其の内に在り。

「言に尤(とがめ)寡(すく)なく、行(こう)に悔(く)い寡なければ、禄(ろく)は其(そ)の中(うち)に在り」は、まさに言い当てた言葉だと思います。

違うと同じの間で生きる

2018年03月04日 11時35分00秒 | 教育・子育てあれこれ


最近は少なくはなりましたが、卒業式が近づくと、中学生の刺繍ランが、中学校教員の間で話題になります。

刺繍ランとは、黒や白、青、赤色の学生服に刺繍を縫い込んだ変形服のことです。

卒業式の後、着替えて記念撮影に興じる生徒が、豊能地区のいくつかの中学校にいます。

その刺繍ランには、花の刺繍や文字が縫い込んであります。

その文字の一つに、「天上天下唯我独尊」という言葉があります。

この言葉は、「自分一人がこの世で尊い、誰も私を邪魔することはできない」という意味に曲解されて受け取られていますが、本当の意味は違います。

一人一人はみんな違っていて、私はこの世に一人しかいない。この世にどれだけたくさんのひとがいようとも、自分はたった一人の存在であり、ほかの誰とも違う。だから尊いのである。

このような解釈ができます。他と違うところに人間の価値があるということです。

金子みすゞさをは、「みんなちがって、みんないい」と詩の中で言われています。

この言葉と、「天上天下唯我独尊」は通じるところがあります。

さらに、みんなに同じ点もあります。命をもっている点では共通です。

つまり、「命をもっているという点では、みな同じである。」

同時に、

「一人ひとりはみんな違う。違うから価値があるるのであり、存在する理由がある」

この両方の意味をかみしめ、その間で生きていく。

これが、ありのままの生き方と言えるかもしれません。

初めて出席できた卒業式

2018年03月03日 16時47分40秒 | 教育・子育てあれこれ


本日は、クラーク記念国際高等学校の卒業式が、芦屋ルナホールで開催されました。

箕面三中の卒業生が、この高校を卒業するので出席してきました。

その子は、私と入れ違いに2015年3月に箕面三中を卒業していった男子生徒ですが、三中を訪ねてきたことがあるので、私も知っている生徒です。


この学校の4クラスの生徒114名のなかには、中学時代に学校に来るのが容易ではなかった生徒もいます。

ですから、高等学校卒業の感激もひとしおです。


ある女子生徒が、式のなかで「感謝をこめて」の言葉を述べました。

その子は小学校5年生のときに、突然学校に行けなくなりました。

起きれず、学校に行けない日が続きました。

中学2年生のときに、初めて病気の診断を受けたのです。

進路先をクラークに決め、不安な気持ちで迎えた高校の入学式。

彼女に声をかけてくれた生徒がいました。


その言葉かけを受けて、
「うれしかった。話しかけてくれたその元気さに、私はどれだけ勇気づけられたことか。あなたのおかげで、私はがんばってみようと思えた。

文化祭も体育祭も出れたし、修学旅行にも行けました。

初めて出られた卒業式。

今日のこの日を迎えることができたのは、先生そしてお父さん・お母さんのおかげです。」



この言葉を、私は涙しながら聴いていました。



いま、ここで卒業式を迎えることができる、それぞれの生徒たちの喜びが、私にも伝わってきました。

クラーク記念国際高等学校芦屋キャンパスの校歌に、次の歌詞があります。

「なくしたものを 数えるより

今ある力 よせ集めて

歩き出す

それが自由 それが自由 私の道 ♪♪ 」


高等学校の卒業式には珍しい、教職員と生徒の距離が近く、保護者の人と関係者全員で卒業の喜びを共有できる卒業式でした。

本日出願しました

2018年03月02日 15時49分51秒 | 教育・子育てあれこれ


早いもので、もう3月に入っています。


今日は、3年生が午後から公立高校一般入試の出願をしました。

受験番号をもらい、三中へ報告に戻ってきました。

入試日は、卒業式前の3月12日(月曜)になります。

3年生は3月9日より卒業式の練習を始め、3月13日には、卒業式の予行練習、そして14日の卒業を迎えます。

一般入試の合格発表は、3月20日(火曜)となります。

なかには、厳しい倍率になる高校がありますが、「15の春」を迎えられるように、合格を願っています。

体調を万全にして、入試と卒業式に備えてほしいと思います。




1年生と2年生は、3月19日(月曜)4・5限に、合唱祭を行います。

昨年は、小学校の卒業式と三中合唱祭が同じ日になり、親御さんのなかには、卒業式後すぐに合唱祭に駆けつけてくださり、慌ただしくされた人がいました。

そこで、今回は別日になっています。ぜひ合唱祭にお越しください。

小さいことからコツコツと

2018年03月01日 18時02分38秒 | 教育・子育てあれこれ


何かの組織に属していると、自分が好まない仕事がまわってくることがあります。

大人なら仕事で、中学生なら係で、そのように自分が望まないことを任されることがあります。

この時、心のもちようが大切だと思います。

やりたくない役割だからと、手を抜きいい加減にやるのは、もったいのでないかと思うのです。

会社にとって、意味のない仕事はありません。

学級にとって、意味のない仕事はありません。

三中の3年生は、公立入試の自己申告書の中で、自分のやってきた委員会活動や係をふりかえっている生徒がいました。

それは、委員長としてやっていくことはたいへんだったが、活動をして喜んでくれる人がいてやりがいを感じたというものであったりさます。

このように仕事から積極的に学ぼうという態度が大切です。

まずは、自分の置かれているところから、地道にコツコツと学んでいくことが、自分を成長させてくれます。

西川きよし師匠も言っています。

「小さいことから、コツコツと」。

論語にも書かれています。

「吾(わ)れ少(わか)くして賤(いや)し。故(ゆえ)に鄙事(ひじ)に多能なり」