Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

La tribut gagnante et la tribu perdante<勝ち組負け組み>

2010-03-10 20:54:17 | おっ、と思ったこと
すでに、使い古された言葉。
勝ち組と負け組。
今さら、そんなこと言ってる場合ではないほど、やはり景気は良くないのです。
庶民の実感ではね。

もう3年以上前、フランス語検定の面接を受けに行ったときに与えられた課題の中に「Au japon on utilise des expressions la tribu gagnante et la tribu perdante.Qu'est-ce que vous en pensez?日本では、勝ち組負け組みという言い方がありますが、あなたはどう思いますか?」というものがあった。
勝ち組はla tribu gagnante (ラ トリビュ ガニャントゥ、直訳すると獲得した部族)で負け組みはla tribu perdante(ラ トリビュ ペルダントゥ、失った部族)だ。
以前ふとしたきっかけで何かの記事を読み、この表現を仕入れておいたので、すぐにわかった。
何を得たのか、何を失ったのか。
これは日本語にむりやりフランス語を当てはめた結果の表現なんだろう。 
フランス社会の中で、実際にこれらの表現が使われているのかどうか・・・。

少し前に、夕方のテレビニュースの特集で、横浜の寿地区のことが取り上げられていた。
昔子供のころ、横浜生まれの母親からなんとなく聞いていた「ドヤ街」という言葉。
寿地区はドヤ街だ。
不景気はドヤ街を容赦なく襲っていて、不景気(=仕事がない)を通り越し、ここに住む人の8割以上は生活保護受給者だそうだ。そして3日に1人以上の割合で孤独死がある・・・と。

ドヤ街に住む人は、la tribu perdante なのだろう、多分。
でもそんな風に、画一的に割り切って、切り取って決め付けてよいのか?と思う。
もちろん、私は楽観的な考えは全く持ってない。
病院へ行きたくても、保険証がないから行かないとか、20代の人が寿地区に住んでいる現実は、日本の崖っぷちぷりを如実にあらわす。
セイフティネットの脆弱さ。
いつまでたっても「政治と金」の問題でむなしい議論を続ける予算委員会のテレビ中継を観ていると、「いやな時代に大人になるように生まれたものだ」と思ってしまう。
国会は、ハムスターがまわしている、回し車のように、堂々巡りだ。

でも、生まれたタイミングを嘆いてもどうしようもない。

以前、精神科医の香山リカさんが「幸せをデフレしないように」と何かの雑誌に書かれていた。
今ある自分の幸せを過小評価しすぎて、もっともっとを望むのはそろそろやめましょう、ということだ。
それと同じようなことが「不幸な国の幸福論」(加賀乙彦著・集英社新書)の中にも書かれていた。
自分の頭でじっくり考えて、何が幸せで、何が必要で、何はいらないのかを考えようと。
もう周りに振り回され惑わされるのはやめて、自分で判断しようよ、と。
「不幸な国の幸福論」の中にはこのようなことも書かれていた。
「日本では他人と違うということに悩むけれど、フランスでは他人と同じということに悩むのだ」と。


さてさて、アンタが勉強して片足の指先ぐらいは突っ込んでる言語は何語でしたか?と自分にぶつけてみる今日この頃(笑)
いや、笑ではない!