Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

テアトル・ドゥ・「とんき」-Le theatre de TONKI

2010-03-20 10:57:37 | おいしいもの
久々に、目黒「とんき」でヒレカツ食べた。
それも夜の10時過ぎに。
もう自爆事故!!状態(爆)

「とんき」にはお作法がある。
お店に入ったらまずは、カウンターの中のおばあさんかおじさんに人数と注文を伝える。
ヒレかロースか、串かつか。もうそれだけ。
そして、たとえ席が空いていたとしても、決して勝手に座ってはいけない。
カウンターの中からの誘導を待つのだ。

「こちらの席どうぞ」と言われ席に着く。
席の向こうには「とんき劇場」が繰り広げられているといつも思う。

脚を前後に開いて立って重心を下げ、腰を入れてヒレやロースに衣をかけている人。
大きな銅鍋でカツを揚げている人。鍋から揚げたばかりの、あつあつのカツに素手を添えて包丁でサクサクと一口大に切っている人。鍋に浮いた焦げたパン粉をすくっている人。古い油を空けて鍋を洗い、またコンロの上に戻す人。そのとき、鍋がコンロにきっちりまっすぐ置かれているのを確かめるため水平を取っている。
お店の人一人ひとりが次から次へとやってくる客の注文を捌くために働いている様子を見ていると本当に飽きない。
プロの仕事だ。

しかし昨日はこんなシーンも。
隣に座って、一人で日本酒とロースカツ定食を食べた男性。
いざ、会計のときに、多く請求されたようだった。
その男性「ビールは飲んでないよ」と。
すると、少し離れたところに立っていた、あのおばあさんがすかさず男性の手元に小さい金色の包みを2個。多分キャンディーかチョコレートか・・・・。
プロの仕事で請求金額を間違えてしまったのは残念だけど、あのおばあさんは、やはりすごい。もう腰が曲がってしまっているけど、いつまでもお元気で、カウンターの中ですべてに目配り続けてください。


フランス映画祭2010 Le festival du film francais au Japon

2010-03-20 10:16:20 | 映画
行って来ました、フランス映画祭、観てきました「Un Prophete」。

去年のカンヌ映画祭ではグランプリ、今年のセザール賞では、監督賞、作品賞、主演男優賞、助演男優賞など9部門で受賞、アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートと、前評判は十分!
おかげで、劇場では前から4列目の端っこの方という、今までの映画鑑賞キャリア(?)の中では最悪の席。でもまぁ、この先、日本で公開されるかどうか分からない作品。もしかしたら、これが最初で最後の日本での上映かもしれないので、めげずにチケット取って観てきました。
それに、映画祭では作品上映後に出演俳優や監督さんが舞台に出てきて観客との質疑応答に応じてくれるので、前から4番目ならよく見えるじゃん!と別の意味で期待もしつつ。

しかぁし!!!
上映開始前にプログラムを買ったら、売り場のお兄さんが「『Un Prophete』だけ、関係者誰も来日してないんですよ、残念ながら」と言われる。かっくり。

気を取り直し、上映開始。
普通の映画と違って、作品開始前に他の映画の予告編を観なくてすむのがいい。とっとと本編突入。

さて、作品の内容は、とにかくハード。12歳以下のよい子は観ちゃだめよ、だけのことはある。
19歳のアラブ系フランス人の少年が6年の刑期で収監された刑務所での日常が淡々とつづられる。コルシカ系囚人とアラブ系囚人の確執、看守との癒着、刑務所の外での繰り広げられる、裏社会の人々の抗争などなど。
これが全部、フランスの真実なら、この映画はやはりすごいと思う。
監督も俳優も。
映画の中では、フランス語だけではなく、コルシカ地方の方言も、アラビア語も出てきた。日本語の字幕が出たから分かるけど、全観客の2割以上は占めていたのではないかと思われるフランス人にとっては、コルシカ方言とアラビア語での台詞は理解不能だったのではないかなぁ?日本語字幕読めればいいけど・・・と余計な心配をしてしまった。

この映画、多分日本では一般公開されない予感。
やはり、映画祭で観といてよかった。だから映画祭は好きなのだ。


ちなみに、一緒に行った相方は、途中で席を立ったきり、映画が終わるまで戻ってこず。
理由は「トイレに行きたくなった。映画が面白くないので戻る気にはなれなかった。あれじゃあ関係者が来日しないのが分かる」と言い放った!(怒)

「ハリウッド映画に慣れきったキミには難しかったね」、と言ってやったが、確かに100%ストンと腑に落ちてああすっきり、の映画ではない。(汗)