エルメスは六本木の駐車場の隅っこを、脚をハの字に開いてヨタヨタと歩いているのをうちの相方Hが拉致(?!)してきた猫です。
「あのまま放っておいたら、脱水症状になって弱って、カラスにつつかれるだけだっただろうから」というのが言い分でした。
本当はHの仕事関係のお知り合いのおうちにもらわれるかもしれなかったのですが、「マンションだから、やはり無理」ということで、六本木から首都高も東名も通ってはるばるやってきました。
エルメスはもしかしたら「本当なら都会の黒猫でいられたのに、こんな田舎に連れて来られちまったぜ」と思ってるかもね。
そのときのエルメスはまだ500gにも満たない仔猫も仔猫。キッチン用のはかりに載せてもはかりの針は一周しませんでした。目も青かったです。仔猫の目って青っぽいですもんね。
「六本木にいたくらいだから、ブランドキャットの血が混じってるのかもね」
「ロシアンブルーも入ってるかもね」
などと話しながら、育てていました。
猫用哺乳瓶に猫用ミルクを入れて飲ませ、家の中の段差は雑誌や箱を置いてエルメスが上り下りできるようにし、目やにで目が開かなくなったときは、ぬるま湯に浸したガーゼで拭いてやり、瞬膜が赤く腫れたときは獣医さんで目薬を頂き、嫌がるエルメスを母と2人で押さえつけ、さしてやったりもしました。
なんだか知らないけど、やたらと水を飲み、やたらとシャーシャーオシッコばかりしてたときは、腎臓をケアする処方食を食べさせて、2週間に1度の血液検査でクレアチニンの数値の上下に一喜一憂・・・。
仔猫の時期から1年ほどは手の掛かった猫でした。
その後も時々、舐性皮膚炎(おなかの一部を舐めすぎて、自分で自分のおなかを禿げさせてしまう)で精神安定剤のようなものや、塗り薬のお世話になったこともありました。
でも、そのほかは大きな病気もせず、室内飼いなので他の猫との喧嘩による怪我もなく、今までやってきました。
半年ほど「蝶よ花よ」の生活を送ったあとは、ヌゥ~ボォ~としたちょっと大柄な仔猫(パスカル)との突然の同居を余儀なくされましたが、仔猫同士だったためか、全然トラブルもなく、すぐに取っ組みあって、一緒に寝ての生活が始まったわけです。
それから10年ほど、パスカルとの生活に慣れきっていたら、ある日突然、外にいたガラスの向こうの猫が家の中に入ってきたわけです。
その名はシラク。
シラクはエルメスよりもずっと若く、ずっと元気で体も大きいです。
このごろ、エルメスが萎縮しているように見えるのは、私が余計な考えを廻しているからなのでしょうか。
黒くて小さい猫は、何かじっと我慢しているような、そんな雰囲気を醸し出していると思ってしまうのは気のせいなのでしょうか。
夜中、うるさいし、エルメスやパスカルもゆっくり眠れない(私も!)ので、寝る前にシラクを玄関に出してしまいます。
今も玄関との境目のガラス戸をバンバンとひっかいています(汗)
優劣をつけるわけではないけれど、エルメス、パスカルは、私にとっては猫以上の存在。シラクとも、これからそうなる予定。
大きなケンカはしていないようですから、
受け入れることは出来ているのですね。
わが家のほとんど家の中にいるミー、外にいるコリン、
あまり一緒にいることはありませんが、
同じ家に住む仲間意識はあるようです。
三猫三様、それぞれの接し方がありますよ
それにしても夜中に馬のように突っ走るシラクさん、
人間も大変そうですね!
シラク、まさしく です。
暴れ馬。
家の廊下をドドドと走り、捕まえようとするとスルリと逃げます。
エルメス&パスカルは「調子にのるにもほどがある」と時々、反撃 に出ています。
猫はもともと単独行動の動物と聞きます。
一緒の空間にいても、心はそれぞれ違った方向を向いているのかもしれませんね。
でも、同じ空間に居られるということは、お互い嫌じゃない、ということですよね。
すみやさんちの3猫さんをお手本に、これからも自然体でやっていきたいと思います。