みどりの野原

野原の便り

5月15日 ②午後は 万葉講座 「かきつはた」「霍公鳥(ほととぎす)」

2022年05月15日 | Weblog

今日の講座で印象に残ったいくつか。

①5月の歌は「かきつはた」
現在は[かきつた]と濁るが、万葉集では「かきつた」と濁らないのだそう。

「かきつはた 衣に摺り付け ますらをの 着襲(きそ)ひ狩する 月は来にけり」
内舎人だった大伴家持が、聖武天皇が紫香楽宮に行幸中で、奈良の家にいて作った6首の歌の内の1首。
(かきつばたで摺り染めにした衣を来た朝廷に仕える立派な男たちが、着飾って狩りをする。そんな時期になった)というような意味。
狩りとは薬狩りのことで、旧暦5月5日は立夏で、薬狩りの日だったそうだ。

気になる「摺り染め」
花や草を直接布に摺り付けて色を擦り込むという。

以前の講座でも「月草(つきくさ)」=ツユクサ や、「韓藍(からあゐ)」=ケイトウ の「摺り染め」の歌の話を聞いた。

ツユクサは花弁をさわると指が青い色に染まるのでわかる。
ケイトウで色がつくのかと思って試してみたら、確かに赤い色がついて納得した。
2020年9月24日のブログ参照 ここ

今回は「かきつばた」近くにないが、色が付くのか機会があれば試してみたい。
それならアヤメや、他の色の付いた花弁の花どれでもできそうだけど・・

疑問は、摺り染めの衣。
1枚の着物を摺り染めにするのに、どれだけの花がいるのだろう?
色がついただけでいつまで色が残るの? 

手間の割には色持ちしないはず。
万葉人は、はかない色、移ろいやすい色に情感を重ねたのだろうな。
ネットで調べると、摺り染めには、他にも、ニワウメ(薄赤 はねず色)・コナギ(深緑)・メハジキ(緑)・ヤマアイ(青)などを染料としてつかったらしい。
おしゃれにかける情熱がすごい。

堅牢な染色技術がある現在、摺り染めを試してみる人はないかなあ。

②霍公鳥(ほととぎす)は夏を告げる鳥。
先の大伴家持の6首の内4首に歌われる。

高橋虫麻呂の歌の霍公鳥。(長歌1首と反歌1首)
ホトトギスはカッコウの巣に托卵することで有名。
長歌(ウグイスの卵の中にひとり生まれたホトトギス。育て親カッコウの父に似た声で鳴かず、母に似た声でも鳴かず、卯の花の咲いた野辺から飛び立って、鳴きながら飛び、橘の花を散らし一日中鳴いている。よいものだなあ。贈り物をするから霍公鳥よ、遠くへ行かないで、うちの家のタチバナにずっと留まっておくれ)
反歌(雨の降る夜、ホトトギスは鳴きながら飛んでいくよ。切ない鳥よ)

私は今年はまだホトトギスの声を聞いていない。
卵を他の鳥の巣に産み付けて、自分で子育てせず、他人に任せて・・
しかもホトトギスの雛は自分より小さいウグイスの雛を巣から落としてしまうこともあるという。
なんてちゃっかりした鳥だ。と思っていたが、虫麻呂さんの歌を読むと、ホトトギスが哀れに思われてきた。

住吉(すみのえ)の浅沢小野の名残か?浅沢神社にはカキツバタが植えられている。(1度行ったことがある)

万葉集の中で、鳥の歌の中、霍公鳥を詠んだ歌は153首と一番多いそうだ。(ネット)
万葉人には夏になったことを感じる、なじみのある鳥だったようだ。

ホトトギスの声を聞きたくなってきた。

日本書記の乙巳の変のお話もあった。
それらに関して、政治上の風刺や社会的事件を民衆が謡う作者不明の歌謡「謡歌(わざうた)」というものがあるのを知った。

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5月15日 ①午前中ひと歩き テイカカズラ スイカズラ ナワシロイチゴ ジャコウアゲハ マガリケムシヒキ ヤニサシガメ ジョウカイボン

2022年05月15日 | Weblog

長雨がようやく止んだ。
万葉講座の前のひと歩き。季節の移り変わりを楽しみにしている。
今日は途中で出会った散歩中の方と少しの間おしゃべりしながら歩いた。

 
ジャガイモの花 昔なら男爵・メイクインだけだったけど、この頃は栽培される種類も増えた。白い花や紫の花 
どんなジャガイモができるのかなあ。


田植えの時期を控えて、吉野川分水の試験通水も始まっている。
細い水路はごうごうと音を立てて流れていた。


4月にムラサキサギゴケやカンサイタンポポの絨毯だったところ。
5月はニガナの絨毯に衣替えだ。


これが ニガナ


テイカカズラ 満開


スイカズラも咲き出した。


ナワシロイチゴ 咲いてるのか?いないのか? 面白い花だ。
ガクは開くが花弁は開かないまま。
花の後にはイチゴができる。

ゼニゴケは雌雄異株だが、雌雄が揃わなくても無性生殖でも繁殖できる。


まるいものは杯状体 ここで作られた無性芽が散らばり繁殖する。 


精子ができる、雄器托


雌器托には造卵器があるという。
雄株から精子を含むしぶきが届くと、受精して胞子をつくる。
ちょうど黄色い胞子がついていた。


雪のような白いふわふわが飛んでいた。
近くにあるヤナギの綿毛「柳絮」だ。


飛んでいるジャコウアゲハが見えた。雌だ。
でたらめに撮ったら、写ってました。

ウマノスズクサがあるのかな?


斜面を見ると、ウマノスズクサが1本だけ生えていた。

卵は?幼虫?いるかな?


葉をめくると卵が1粒ついていた。やった~。
毎年見ているウマノスズクサの自生地。今年はまだ行っていない。

それにしても、草だらけの斜面に生えたたった1本のウマノスズクサをどうして見つけることができるのでしょう。
人間には臭いもしませんし、目立ちません。
ジャコウアゲハの幼虫はウマノスズクサしか食べないのです。
親は、きっちり子の餌となる植物に卵を産みつける。
何回見ても感動です。


ジョウカイボン 
時々見る虫ですが、拡大してみると、平べったい脚、面白いですね。
初めて気がついた。


ヤニサシガメ ヤニをまとってテカテカ ゴツゴツ。


マガリケムシヒキ 
小型のハエ、ガガンボなど小さい虫を捕らえて食べるそうだ。
この角度しか撮れなかったので、「曲がった毛」は見えなかった。


ノゲシに止まるハナアブの仲間?
脚にいっぱい花粉を集めている。
ハナアブの調査をするというので、標本にする虫が要る。
今日もケースを持ってきたのだけれど・・
一生懸命蜜だか花粉だかを集めている姿を見ると、どうも標本にするのはためらわれる。
一応、毒ビンなるものももらってきているのだが・・
いつもは観察したら逃がしているので・・

コメント (2)
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