CubとSRと

ただの日記

もう一つ

2020年10月23日 | 重箱の隅
「賞味期限が切れた」?

 「賞味期限」って変な言葉だと言われて久しい。
 「賞味」というのは「味を賞する」、つまり「美味しい、とほめる」ことです。
だったら、「賞味期限」というのは、「美味しいとほめる期限」ですよ。
 何だか「美味いって言えよ」と強制されてるみたいだ。
 これ、言葉の意味をあまり考えずにつくった言い回しなんですね。
 
 元になったらしい言葉に「笑納」があります。
 「つまらない物ですが、御笑納下さい」
という言い回しに、日本人の謙虚さ、思い遣りが見てとれます。
 この頃は、作法の先生でも、「つまらない物」という美しい言い方を遣わないようにし始めているのが気になります。
 「外国の方は本当にそう思ってしまいますから。『つまらないものなら、何でくれるんだ?』って」。おかしな説明だけど。

 おっと、脱線の脱線になってしまいました。脱線まで戻ります。
 「笑納」は「笑われるほどの、つまらない物ですが、どうぞ、お受け取り下さい」です。そこから派生した「賞味」は「あんまり美味しくないかもしれませんが、どうぞお召し上がり下さい」。
 だから、「笑味」でないと、考えの筋道が通りません。
 でも、正しく書くとここで言われるんです、きっと。
 「何これ。『笑味期限』、だって。字、間違ってるぅ~。あったま悪い。え?これが正しい?何で?変だよ~、だって味が笑うんだよ?」変なのはお前だ。

 とは言え、あまり馴染みのない言い方です。
 それならば、と「消費期限」という言葉ができました。ただ、ちょっとこれは、あまりにも事務的な感じがします。最近は「賞味期限」を過ぎても食べられる期間が「消費期限」、なんて無理やり納得させているみたいですね。そこまでやったって「賞味期限」はやっぱりおかしい。


 結局、正しい筋道よりも、意味は少々おかしくても、何となし、言い習わしてきた言葉に近いものの方を、つかう。
 「何気なしに」が「何気に」、「気色悪い」が「きしょい」に。(「二つとない」が「一つとない」になった時は、さすがにコケそうになりましたが。)

 何でこうなるか。
 原因は、ただ一つ。「無知蒙昧」。物事を知らず、頭の中が真っ暗でゴタゴタしているからです。
 何も難しい業界用語や学術用語を使う必要はありません。却ってみんなに知らせるには、日常遣っている言葉の意味を、しっかりおさえて、きちんとした論の展開をこそ、すべきです。
 つまり、急がず、ちゃんと考えて話すことが大事です。
 
 昨日、「そこまで言って委員会」で、初めて、噂の「張景子」という、朝鮮民族系中国人の日本帰化人を見ました。
 彼女は筋金入りのシナ共産党員ですが、考えながら喋るわけではありません。勿論考えて喋るわけでもありません。問題に対して反射的に頭に浮かんだ答えを猛烈な勢いで説明するだけなのです。
 だから、永久に日本人にはなれない(もっとも、本人はならない、と思っているのでしょうが)。

 これから、内からも、また、彼女のように外からも、日本人でない日本人が出てきます。その時(今がその時ですが)我々は、我々の持っている力でしか戦えない。
 我々の力は謙虚さです。この謙虚さを以って、日常の言葉を遣って、考えてから、物を言う。論の展開をする。

 主語を言い、述語を言って、以降長々と良く言えば説明、悪く言えば言い訳をするのが洋の東西を問わず多くの国の言葉遣いです。
 日本語は違う。説明をする、時には言い訳をする。しかし、言葉の最後で、説明してきた事柄を実行する。
 「この言葉、変だな」「この言い方おかしいな」と考えたら、正しいと思う形に直して言う。正しいと思う形に直して実行する。
 それが、変だったら周りの人が何か言ってくる。そこで、会話がはじまる。
 問題集の答え(模範解答)が頭に入っていて、そこから問題文へ戻るなら、問題集の意味はない。合格率は高くなるけど、社会の役に立たない頭をつくることになる。

 政党というのは、それぞれ主張するところは違っていても「かくあるべし」「かくあらまほし」という国の姿を実現させようとつくったものでしょう。
 「時流にそぐわないから」とか「流行に乗れ」なんていう政党に、何の意味がありますか。百年先の国を描いて見せるのが政党じゃないのですか。
 煤けているようでも、カビがはえてしまったようでも、その主張が旧来と変わっていなければ、そして、筋の通ったことを言っているならば、何を変える必要がありますか。


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする